キーマンインタビュー

山月優麗奇(蘇州)空間装飾有限公司
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山月優麗奇(蘇州)空間装飾有限公司

  • エリア:虹橋・古北

董事兼総経理 安積 正隆 氏

いくつもの価値を組合せて
やすらぎの空間を創造
人々の生活をさらに彩る

日本においてインテリア業界最大手の「株式会社サンゲツ」の中国拠点を担う「山月優麗奇(蘇州)空間装飾有限公司」。会社は、物を売る会社からスペースクリエーション企業へと大きな転換期を迎えていた。独自の価値有する商品、そして空間提案というソリューションまでを提供する、同社の董事兼総経理である安積氏に話を伺った。



170年以上の歴史をもつ「サンゲツ」

日本100名城に選定されている名古屋城の近くに本社を置く株式会社サンゲツは、1849年に創業しました。年号は嘉永、日本の歴史に名を残す人物たちが生き抜いた幕末の時代に暖簾を掲げて以降、壁紙やカーテン、カーペット、フロアタイルなどの内装材料を幅広く取り扱い、今では「サンゲツ」という名は多くの方から親しみを感じていただけるようになりました。
 日本全国に支店やショールームを設けているほか、海外拠点は東南アジアや北米にも展開しています。ここ中国では2016年にサンゲツが100%出資の子会社として、山月堂上海を設立しました。当初の狙いはサンゲツの主力商品を活用した対日系企業様を中心とした販売でした。2017年にはシンガポールに本社を置くGoodrich Global Holdings Pte.Ltd(GGH)を買収。GGH管轄には呉江に本社、上海と北京、広州に拠点を置くGGWJがあり、サンゲツの狙いに加えて、Goodrich品をはじめ、グループ会社の1社であるKoroseal(アメリカで壁装材の製造・販売を手がける会社)商品を保持することにより、中国に根差した商流での販促を狙いました。そのうえで、両社の強みをより強固にするために、2021年10月に山月堂上海とGGWJの2社を合併させ、新会社として山月優麗奇(蘇州)空間装飾有限公司(SGCN)を立ち上げました。私はそのタイミングで董事兼総経理として赴任し、中国エリアのトップとして、広範囲の業務を行っています


内装材料販売企業から
スペースクリエーション企業へ

ネット検索で「サンゲツ」と調べると、壁紙や床材などの内装材料を販売する専門商社と出てくるかと思います。たしかに、弊社はこれまで内装材料を単体で販売をしてきた長い歴史があります。しかしながら、この時代にビジネスを進めるにあたり、ただ物を売っているだけでは、企業の成長に天井が見えてきてしまいます。また、住宅を中心に使っていただいている内装材料は、人口の減少もひとつの要因となり、住宅着工数自体も右肩下がりとなっています。
 果たして、壁紙や床材などを販売することがゴールなのか? それが私たちの使命なのか? 私たちは企業価値を自ら問い、会社全体で見つめ直したことで、「物を売る会社」から「スペースクリエーション企業」への転換に舵を切る決意したのです。
 このスペースクリエーションとは、設計デザインから施工までをワンストップで行うサービスです。ワンストップでご提供可能な対応力と、顧客ニーズを捉え、課題を解決する空間デザイン力を強みとしています。多種多様な商品に加え、空間提案能力、施工力、配送力、在庫力など、優れた価値が合わさることで、差別化された価値を提供できるようになりました。
 中国においてもメインは日本製品を販売していますが、ここで頭を悩ましているのは中国の良いものを取り入れる力です。中国はこの能力が非常に長けています。それゆえに、売れそうな良いデザインはすぐに作ることができて、価格競争では太刀打ちするのが難しくなります。 そこで弊社では人に、地球に、やさしい内装材「低環境負荷商品」の開発を進めています。 たとえば、一度汚れや傷がつくと悔やまれる壁紙。弊社の「フィルム汚れ防止壁紙」は汚れがつきにくく、抗菌性と耐薬品性にも優れています。壁についたら困ってしまうコーヒーやクレヨン、油性ペンもしっかり拭き取ることができますし、表面が強くて傷がつきにくいのも特徴です。また、繊維を紡糸する前の原糸に顔料を混ぜた「原着ナイロン」を使ったカーペットタイルは、摩擦による色落ちしにくい耐久性、直射日光による色褪せがしにくい耐候性、薬品に強く耐薬品性を兼ね備えていて、建築物の長寿命化に貢献しています。さらに、CO2排出量削減に貢献すべく、アクアフィル社製造の100%リサイクル糸「エコニール」を採用したカーペットタイルなど、長い歴史と経験、そして技術力を有する弊社だから生み出せる商品、そして価値を中国においても提供させていただいており、お陰様で多くのご支持をいただいてます


困難を全員で乗り越え
いち早い転換に尽力

赴任してからの最大の困難といえば、上海のロックダウンですね。赴任後半年で経験した出来事でした。業績の不安もありましたが、何より社員全員のメンタルを含めた健康面がとても心配でした。前代未聞のロックダウンでは精神的な苦労が未知数であり、いつも以上に気を配るよう努めました。各部署の幹部社員を中心に、ほぼ毎日オンラインにてコミュニケーションを取り、全社員が健康で乗り切れたのは、非常に喜ばしいことでした。また、そうした状況下でも、できる限りCS(顧客サービス)を意識した顧客対応を行った社員たちには感謝の気持ちでいっぱいです。
 事業の展望としては、先述したスペースクリエーション企業への転換をいち早く実現したいと考えています。また、中国市場でサンゲツグループの事業基盤を形成する大きなミッションもあります。展示会への出展など、多方面で認知度を高めていきたいです。
 中国でもやることは変わらず、人々の暮らしを彩る商品を生み出し、快適な空間を創造し、ご提供していきたいと思います


初めて中国に来たのが2021年10月。まだまだ2年ですが、中国・日本の両文化を知る一人として、さまざまな所で両国が交流ができる様微力ながら尽くしていく所存です。


サンゲツグループ本社(名古屋)に各国責任者やデザイン担当者などが集合。4日間にわたり、今後の方針や各国における流行デザインの共有を行いました。各国の状況・違いはあるものの、目指すべきゴールは同じです!!


PROFILE

プロフィール 
Azumi Masataka

1977年生まれ、大阪府出身。甲南大学経済学部を卒業後、株式会社サンゲツに入社。以降、2011年に東京営業2課課長、2016年に営業本部長室室長、2019年九州支社営業課長を務める。その後2021年10月に、山月優麗奇(蘇州)空間装飾有限公司の董事兼総経理として来海。現在に至る。



安積さんをさらに知る

少年野球

息子の小学校入学と共に、上海Eaglesに入部。休日は殆ど朝から野球ですが、このチームが素晴らしいのは<野球の前に>を大事すること。国を超えた子どもたちが、礼儀を持って野球に真剣に取り組む!参加の度に感謝です!是非体験に来てください!


上海メンバーとの懇親BBQ


中国に来て、より重要だと感じているのはコミュニケーション。会社として親睦を深める行事を定期開催。社員全員、余程のことが無い限り積極的に企画・参加し、コミュニケーションを深めてます。最高の仲間たちです。いつも有難う!


お気に入りの書籍


人生初の徹夜はこの本を読んだとき。その後三国志にはまり、筆者の違う複数の三国志を読みましたが、吉川英治さんの三国志に勝るものはありません(あくまで個人所感です)。今中国で仕事しているのも、何か縁を感じてます。

山月優麗奇(蘇州)空間装飾有限公司

住所 長寧区仙霞路137号 盛高国際大厦25階 MAP
電話 021-6428-8876

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