キーマンインタビュー

上海高島屋百貨有限公司
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上海高島屋百貨有限公司

  • エリア:虹橋・古北

董事長 竹ヶ原 賢之 氏 2025年7月号

創業200周年に向けて
老舗百貨店「高島屋」
上海での挑戦

2031年に創業200周年を迎える高島屋グループ。その海外拠点のひとつとして2013年に開業し、上海に住む多くの人々の暮らしを支えてきた「上海高島屋」。これまでの歩みと未来への展望について、店舗営業及び会社経営の両面から指揮を執る竹ヶ原氏にお話を伺った。  



日本を代表する老舗百貨店「高島屋」

高島屋グループは2031年に創業200周年を迎える、日本を代表する老舗百貨店です。百貨店業を中心に、国内外で商業開発、金融、建装など多角的な事業を展開しており、現在は36の連結子会社を擁します。主要事業である百貨店業は、国内に20店舗、海外に4店舗を展開しています。
 当社の事業戦略は「まちづくり」であり、店舗は出店地区の「アンカー」としての役割を担っています。高島屋が進出することで、その地域に人が集まり、街が形成されていく。その起点となる存在を目指して、事業を進めてまいりました。
 「上海高島屋」は2013年に開業し、私は2021年に董事・総経理として赴任しました。2023年からは董事長として、店舗営業全般(店長)及び会社経営全般(社長)の責任を担っています。
 当社は1950年代から国内各店舗で中国政府公認の大型催事「大中国展」を開催し、北京・上海にも約10店舗の小型店を展開するなど、古くから中国市場との関係が深くありました。そうした背景もあり、2000年代初頭からは大陸への本格的な進出を模索していましたが、当時すでに多くの百貨店が進出していたため、後発としての優位性が見出せずにいました。しかし、その後規制が緩和され、独資での進出が可能となったこと、また当時の東京の二子玉川店に似た立地特性を持つ古北地区を紹介されたことから、出店を決断いたしました。
 当初は「王道の日本式大型百貨店」の構築がテーマであり、なかでも特徴を発揮できる市内随一の「デパ地下」を目指しました。ですが、日本国内で関係の深い、有望な日系テナントを多数誘致するも、各種規制などによりその多くが実際に進出できないなど、当初の想定とは大きく異なる品揃えとなりました。
 ただ、それを機に高級志向の典型的な百貨店スタイルから、近隣住民のニーズに応える地域密着型スタイルへとシフトすることで、少しずつお客様からの支持も増え、店舗の存在感を高めていきました。日本のユニークな商品を軸に、「ライフスタイル提案型ストア」という新たなコンセプトのもと、現在多くのお客様に支えられながら経営を継続しております

百貨店の「再定義」に挑む

 日本国内消費環境の成熟化を受け、海外、特にアジア地域での事業展開に注力しています。中国市場は各種規制や厳しい経済環境により事業展開が容易ではありませんが、それでも世界有数の市場規模を誇り、内陸部には成長余地のある有望都市が多数存在します。我々はまずこの上海の地で「高島屋」というブランドをしっかりと根付かせ、それを全土に広げていければ、グループの成長・発展に大きく寄与できると確信しております。
 百貨店の位置づけが世界的に低下傾向にあり、従来のスタイルでは消費者の支持を得づらくなっています。そうした状況を打破するため、当店ではさまざまな試みを実施しています。例えば、7階フロアにカラオケ店を誘致したことで、若年層のお客様や近隣で働く会社員の利用が増加し、新たな流れの創出に成功しました。
 高島屋の歴史を辿ると、海外ブランドの日本初誘致や、百貨店の仕組みづくりなど、業界の先駆けとなる取り組みを多数行ってきました。今後もその伝統を受け継ぎつつ、従来の枠に囚われない新しい百貨店のスタイルを築いていきたいと考えています。
 また、このほど日本本社からの新たな増資が決定しました。魅力的なテナントの誘致や売場改装など、営業面の改善に向けた投資を行う予定です。今後の上海高島屋の進化に、ぜひご期待ください

館の魅力を最大化

 2025年の重点施策として、「飲食充実化」と「日本館などの特徴化MDの宣伝と拡販」に取り組んでいます。現在の市場は、ECやリアル店舗など、消費者の選択肢が多様化・細分化しています。その中でリアル店舗の魅力として圧倒的な引力を持つのが「飲食」です。独自の企画や飲食テナントとの協業を通じて、豊富な体験価値を提供することで、集客力の強化を図っています。
 また、5階に展開する「日本館」は伝統工芸品を中心に、日本で買い付けした逸品を取り揃えています。日本文化の発信基地の強みを活かして、日中両国の相互理解を深める売場にしたいと考えています。加えて今後は若者文化に密着したアニメやIPなども取り入れ、Z世代にも共感していただける売場づくりを進めてまいります。売場の魅力をより多くの方々にお伝えできるよう、SNSを活用した情報発信にも力を入れています。
 昨今、消費者の選択肢は多岐に亘り、経営環境は一段と厳しくなっております。一方で、12年に亘る継続営業により、近隣住民の皆様にとっての当店の存在感も確かなものとなってきたと実感しております。これがまさに、当社が掲げる「まちづくり」の理念、そして店舗が「地域のアンカー」として機能している証でもあります。
 開業から紆余曲折ありましたが、当店に足を運んでくださるお客様に支えられて、今日まで歩みを進めることができました。今後もお客様の暮らしを少しでも豊かにできる提案を行い、地域の方々との結びつきを深め、高島屋のファンを増やしていくことが我々の使命だと考えています。
 そのために、商品・施設・サービスのすべてにおいて、常に「鮮度」を意識し、お客様にとって新鮮で魅力的な店舗づくりを心がけてまいります。
 そうして当社の企業メッセージである「“変わらない”のにあたらしい」を形にし、今後も皆様の暮らしを彩る「地域密着型ライフスタイル提案ストア」として、存在し続けていく所存です。


2001年の香港赴任時から業務で中国大陸内を駆け回ってきたため、主要都市への訪問はほぼ制覇していますが、唯一西安のみ機会がありませんでした。上海に駐在している間にぜひ西安を訪問し、憧れの兵馬俑を観覧したいと考えています


毎年、複数日を設定して労働組合主催の日帰り社員旅行を実施しています。写真は2024年10月に蟹を食べに陽澄湖を訪れた際のものです


PROFILE

プロフィール 
Yoshiyuki Takegahara

1969年生まれ、東京都出身。早稲田大学卒業後、1991年に「株式会社 高島屋」入社。2001年から香港・台湾で、現地法人社長を歴任後、日本本社企画本部に勤務。2013年より台北・大葉高島屋副店長に就任。2017年より連結子会社のMD本部長や社長を務める。2021年より董事・総経理として「上海高島屋百貨有限公司」に出向し、2023年より董事長に就任。



竹ヶ原さんをさらに知る

学生時代はバレーボールに熱中

学生時代はバレーボール漬けの日々を送り、社会人でも30歳まで続けてきました。昭和のスポ根式練習により、体中ボロボロですが、非常に充実した青春でした。


麻雀でリフレッシュ


会社が年中無休で営業時間も長く、なかなか息抜きしにくい業界ですが、月に数回は終業後に気の置けないメンバーと麻雀を楽しんでいます。


講演活動も実施


人前で話す機会が多く、話のネタとして17年に及ぶ中華圏での勤務経験が役に立っています。これは日本人学校高等部から依頼を受けて講演会をした際の写真です。

上海高島屋百貨有限公司

住所 長寧区虹橋路1438号2階 MAP
電話 021-2223-2737

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