INTELLIGENCE SMC CONSULTING LTD.
  • ビジネス記事

INTELLIGENCE SMC CONSULTING LTD.

  • カテゴリ:中国的法律講座
  • エリア:尖沙咀

賃金について

賃金の定義


 香港では各種条例(雇用条例、MPF条例など)によって「賃金」の定義が異なります。ここでは雇用条例における「賃金」の定義を取り上げます。
 「賃金」の定義…名称および算定方法の如何を問わず金銭に換算して表すことが可能なもので、雇用契約に基づく労働に関連して労働者に支払われるべきすべての報酬をいう。(雇用条例第2条)
なお、同条例第2条では「賃金」の定義に含まれない金銭として、実際の経費として支払われる交通費・住居や食物などの現物支給・年末手当(ダブルペイ)・自由裁量による年次賞与(ボーナス)など、全11項目が規定されています。
つまり、実費精算交通費や年末手当、年次賞与などは「賃金」に含まれないため、例えば産前産後休暇や傷病日取得中の賃金などを算定する際の算定基礎額に含める必要はありません。

なお、時間外労働手当や休日勤務手当については、いわゆる「20%ルール」という特別な規定があります。これらの手当は「賃金」ですが、直前12カ月間の時間外労働手当と休日勤務手当合計の1カ月平均額が、同期間の1カ月平均賃金額(時間外労働手当と休日勤務手当を含む)の20%以上となる場合にのみ、産前産後休暇や傷病日取得中の賃金などを算定する際の算定基礎額に含めます。20%未満となる場合は、時間外労働手当と休日勤務手当は除いた額で計算することになります。


賃金の支払い


雇用条例第V節では、賃金の支払いについて次の通り規定しています。

①賃金算定期間…反証のないかぎり1カ月
②賃金の支払時期…賃金は賃金算定期間の末日の満了時が支払期限となり、できるだけ速やかに、いかなる場合も支払期限から7日以内に支払う
③支払通貨…法定通貨で支払う
④支払場所…労働者の就業場所または賃金の支払いのために使用者が通常使用しているそのほかの場所、または労使双方が合意したそのほかの場所で支払う
⑤支払対象者…労働者に対して直接支払う
 つまり、賃金算定期間は原則として1カ月、支払期限から7日以内に会社は従業員に賃金を支払う必要があります。基本給以外にも時間外労働手当や休日勤務手当など「賃金」に含まれる手当も支払期限から7日以内に支払うルールを会社は遵守する必要がありますので注意が必要です。一方、雇用条例では算定期間・支払日などの具体的な規定はありません。これらは会社任意で決定することが可能です。(例…算定期間は毎月1日から末日締めの1カ月、支払日は翌月7日など)なお、労働者の同意があれば小切手や本人名義の銀行口座への振込による支払いが可能です。

 賃金に関連する条例改定としては、2013年5月1日に最低賃金がそれまでの時給28香港ドルから時給30香港ドルに引き上げられたほか、13年11月1日から毎月のMPF強制積立対象収入金額下限が6500香港ドルから7100香港ドルに引き上げられました。また、14年6月1日にはMPF強制積立対象収入金額上限が2万5000香港ドルから3万香港ドルに引き上げられます。今後も引き続き条例改定動向を注視していく必要があります。

 次号は、労働時間の関連事項をご案内いたします。

INTELLIGENCE SMC CONSULTING LTD.

住所 Unit 713, 7/F, Miramar Tower, 132 Nathan Rd, TST, MAP
電話 2833-0192

ピックアップ

Concierge
コンシェルジュ公式App

CCG Concierge

上海・大連への
便利な街案内&生活情報アプリ!

ダウンロードはこちら
  • App Store からダウンロード
  • Android からダウンロード
  • App Store からダウンロード
  • Android からダウンロード

ピックアップ

Concierge 公式SNSアカウント
Concierge 公式SNSアカウント