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休日と休日労働について

今号では、法的に規定されている休日と休日労働について取り上げます。


 香港では毎年4月下旬~5月初旬にかけて、休日が公布されます。香港における休日は雇用条例上の休日と休日条例上の休日があり、休日の種類によって該当日に休日労働を行った際の取り扱いが異なります。まず休日の種類をご説明し、取扱いや対応方法についてご案内していきます。
 
休日の種類
 雇用条例は使用者が労働者に付与すべき休日として次の2種類を規定しています。
7日ごとに少なくとも1日の休息日(Rest Day)…継続的契約に基づき雇用されている労働者が対象
法定休日(Statutory Holiday)…年間12日。雇用形態に関わらず全労働者が対象
一方、休日条例では役所などが休みになる日を定めており、香港のカレンダーはこの休日条例に基づき作成されています。休日条例上の休日は通称「Public Holiday」、「General Holiday」とも呼ばれており、次の3種類を含みます。
毎週の日曜日
法定休日
その他公休日(年間5日…グッド・フライデイ/グッド・フライデイの翌日/イースター・マンデイ/釈迦生誕節/クリスマス後の最初の平日)
 カレンダー上の香港の祝日(年間17日)のうち、前述「⑶その他公休日」の5日間については、現時点では雇用条例上では法定外の休日で、休日とするか否かは会社任意で決められます。一方で、その他公休日を加えた年間17日を法定休日とすることが検討されており、2015年1月14日には労工顧問委員会に報告書が提出されましたが、その後の討議は進展していません。
 
休日労働における法的義務
 雇用条例で規定されている「使用者が必ず労働者に付与しなければならない休日」に労働させた場合、表の通り代休付与が規定されています。ただし、割増賃金の支給は現時点では法的な規定がないため、雇用契約書や就業規則で休日労働については割増賃金の支給なしと定めても違法ではありません。
 なお休息日については、休日労働にも種類があります。
 強制労働…機械や設備の故障、予測不可能な事態の発生により労働を命じる場合。
 任意同意労働…使用者に依頼され、労働者が同意の上労働する場合。事後報告に対して休日労働を承認した場合や、休日における業務出張も任意同意労働に位置づけられます。



実際の運用
 ここまで条例の規定をご案内してきました。一方で実際の運用面では、代休付与の法的要求が無い休日労働に対しても代休付与あるいは割増賃金を支給するという日系企業が多く、割増率は25~50%としているようです。また、支給の有無を業務内容やポジション(管理職者は支給なしなど)によって決めている場合も多いようです。
 法律規定外の事項については雇用契約書や就業規則で規定されたことが優先されます。休日労働に関連したトラブルを避けるためには、ルールを整える(事前申請・承認手続きの整備など)とともに、ルールの周知徹底が重要です。




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