- ビジネス記事
INTELLIGENCE SMC CONSULTING LTD.
ボーナスと評価について
テレビや新聞等のメディアでは、ボーナス支給額や2016年賃金改定率の予測がちらほらと取り上げられ始めています。また例年、ボーナスやダブル・ペイの支給を終えた旧正月前後は求人マーケットが活発化する時期でもあります。2016年の景気動向が不透明な中、企業としては残って欲しい人材に対するリテンション対策(引き留め策)の一つとして、今一度ボーナスをその仕組みから見直してみる必要があるかと思います。
さて、まずは混同されがちなボーナスとダブル・ペイの違いから見ていきます。
ボーナスとダブル・ペイ
ボーナスとは、企業の業績・従業員本人のパフォーマンスなどに対して使用者の自由裁量により支給するものです。支給の有無や支給金額などは使用者によって保証されていません。
一方、ダブル・ペイはボーナスとは異なる制度です。雇用条例では「呼称の如何を問わず、契約上の賞与をいう」と定義されています。つまり、使用者が支給を保証しているのがダブル・ペイです。企業の業績や従業員本人のパフォーマンスにかかわらず、約定した金額を雇用条例に基づき毎年支給する必要があります。
「うちはダブル・ペイはない」という企業も就業規則等の規定や過去の支給方法を念のためご確認ください。『呼称の如何を問わず』ですから、社内での名称が例えばボーナスとなっていても、就業規則等で「ボーナスは最低でも基本給の1カ月は保証する」と規定していたり、規定がなかったとしても毎年欠かさず全従業員に基本給の1カ月分を支給している、といった場合には支給を保証しているダブル・ペイと見なされることもあります。本当にダブル・ペイの制度がないのか、規則上・運用上の両方から確認が必要です。
ボーナスとダブル・ペイ、この似て非なる2つの制度はきちんと分けて運用することが肝要です。
ボーナスと評価
さて、算定期間内の在籍日数に基づき支給が確定されるダブル・ペイに対し、ボーナスは目標設定や評価の仕組みにも関係します。業績評価は主にボーナスの金額に反映されることが一般的です。ただ、ボーナス金額にめりはりがなく、モチベーション要因になっていないことが多くの企業で見受けられます。
そもそも、残って欲しい人材は誰なのかを考える際には従業員個々の評価は欠かせません。評価は1年に1回の評価シートだけで行うものではなく、本来毎日行うものです。マネジメントの基本サイクルであるPlan(計画)・Do(実行)・See(振り返り)を日常できちんとまわし、その集大成が期末などの評価となります。そのためにはまず、正しい目標設定と仕事の割り当てをきちんと行える管理者の能力が問われます。
100の力のある人に100の仕事をしてもらっても個人と会社の成長は見込めません。目標設定の際には、110・120といった背伸びをして届くような目標設定、かつ、具体的で測定可能で締め切りやスケジュールの立っている目標設定が望ましいといえます。
ただ、そうして期初に決めた目標も前述の通り日々のマネジメントの中で繰り返し指導し、修正し、期待値調整していくものです。
目標が未達成でも危機感を感じない従業員の滞留、逆に、残ってほしい優秀な従業員の離職など、ボーナスの支給額は良くも悪くも従業員のモチベーションやリテンションに影響します。ボーナス金額に目が行きがちですが、今一度目標設定と日常のマネジメントスタイル、フィードバック体制もあわせて見直してみましょう。
INTELLIGENCE SMC CONSULTING LTD.
住所 | Unit 713, 7/F, Miramar Tower, 132 Nathan Rd, TST MAP |
---|---|
電話 | 852-2833-0192 |
合わせてチェックしたい!
-
ビジネス記事
- INTELLIGENCE SMC CONSULTING LTD.
- 休日と休日労働について
-
ビジネス記事
- INTELLIGENCE SMC CONSULTING LTD.
- 試用期間と受け入れ態勢について
-
ビジネス記事
- INTELLIGENCE SMC CONSULTING LTD.
- 賃金改定について
-
ビジネス記事
- INTELLIGENCE SMC CONSULTING LTD.
- 雇用関連条例の改定動向について
-
ビジネス記事
- INTELLIGENCE SMC CONSULTING LTD.
- 標準労働時間について
-
ビジネス記事
- INTELLIGENCE SMC CONSULTING LTD.
- 労働時間について