キーマンインタビュー

大連JMS医療器具有限公司
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大連JMS医療器具有限公司

董事長 総経理 岩崎 浩幸氏 2023年11月号

「かけがえのない生命のために」
人と医療をつなぐ

価値創造企業となる

医療現場を変えたいと願った一人の

医師の起業から世界へ飛躍した

 1963年頃、日本の医療現場では輸血による副作用が多発するようになりました。保存血液に関する研究論文で医学博士号を受けていた土谷太郎はこれについて独自の調査研究を行い、原因は輸血セットの再使用から来ていると判断しました。アメリカに倣い、ディスポーザブル化を進めることで問題を解決しようと考え、ディスポーザブル医療機器を製造販売する会社を1965年に立ち上げました。これが本社の株式会社JMSのはじまりです。
 本社は日本の広島と東京に設置され、日本に4つの工場があるほか、海外には中国(大連)以外では韓国、シンガポール、インドネシア、フィリピンに生産拠点があります。米国、ドイツ、タイに販売拠点を置き、58年の発展を経て、JMSグループはすでに世界的に有名な医療器具メーカーの1つとなり、1000種類以上の製品が世界90カ国以上で販売され、中でも血液透析消耗品の生産、販売数は世界の上位に位置しています。また医療需要が高まる東南アジアを中心とした各国に生産・営業拠点を持ち、現地で必要とされている医療機器をよりスピーディーに届けられる体制を整えています。私たちの「現場ニーズに応じた製品開発・生産・供給」は、活動地域が違えど変わることはありません。今後もさらにグローバル展開を進め、世界に通じる「JMS」ブランドの浸透を図ります。そして、大連JMS医療器具有限公司は1988年に中国へ初めて進出し、総額1748万ドルを投資して建設したディスポーザブル無菌医療器具を生産する日本の独資企業です。会社の敷地面積は約40,000㎡、従業員は約650人(2023年最新データ)。JMSグループの一員として、中国という活気にあふれた土地で、長年の努力を経て、私たちの新天地を切り開きました。私たちは製品の品質を企業の生命とし、患者様の苦痛を取り除くことを義務としています。

次世代と世界の医療課題を見つめ
課題解決型の研究開発を実施

 
 当グループは、「人類に安全な医療環境を提供する」ことを目的とし、「患者様第一主義」を会社の使命とし、患者様の視点から安全で質の高い製品とサービスを提供することで企業価値を実現してきました。さらに、JMSは機器メーカーでありながら、依頼を受けたモノを開発・製造するだけでなく、医療現場に常に寄り添い、医療従事者や患者様の目線で課題を解決していく姿勢をアイデンティティとしています。製品開発においては、医療現場の声を聴き、隠れた課題を発見し、改善していくプロセスを構築。また開発を通じて得られた知見は医療従事者向けセミナーなどを通じて現場に還元しています。扱いの難しい血液や薬液を適切にコントロールし、技術を通じて現場課題を解決します。JMSの提供するソリューションは、輸液・輸血に関する分野からはじまり、現在では輸液・栄養領域、透析領域、外科治療領域、血液・細胞領域と多岐に及びます。その課題解決のポイントの一つが標準化することです。これはミスが許されない医療現場において、医療行為が安全に行えるシステムを構築していく改善です。また効率化も重要なポイントとなり、煩雑な医療現場において、従事者の負担を減らす工夫により質の高い医療の維持に貢献しています。
   大連JMSは日本の先進的な生産設備と技術を採用し、主に滅菌済みディスポーザブル輸液器、輸血器、注射器、動静脈穿刺針、体外循環血路回路及び各種延長管などを生産し、年間生産額は2億元を超えました。中国市場で販売されている血液透析用製品は、高い知名度を持ち、同類製品の中で販売量が上位にランクしています。当社は厳格な品質管理システムを有し、ISO 13485医療機器品質管理システムとISO 14001環境管理システムの認証を取得しているほか。関連製品にEU CE認証を取得しています。大連JMSでは業務のあらゆる場面で、JMS WAYの理念体系に掲げられた言葉を胸に、意識・行動のベクトルを合わせエネルギーを結集させています。私たちは医療を必要とする人と支える人の架け橋となり、健康でより豊かな生活に貢献し、すべての人々を笑顔にするという企業理念のもと、「自社開発」を基本に製品設計、試作から生産までを社内で一貫して行っており、当社独自の製品・技術を多数生み出してきました。これにより、中国・現場の声をもとに、求められる製品を迅速に医療現場に届けることを可能としています。

技術革新と医療環境の改善を追求
人類の健康と社会の持続的発展に貢献


 未来を展望し、JMSは2030年に向けた長期ビジョンを作成しました。未来の医療を先取りした新たな価値の創造を実現し、世界の人々の健康とQOLの一層の向上を支える企業になります。長期ビジョンの実現に向け、様々な行動基準と基本方針もグループ内で統一しました。いつでも、どの国でも、より安全で使いやすい医療機器を提供するための体制を構築しています。もちろん、大連JMSも同一の方針を共有しています。中国の将来性には大きな期待を抱いており、中国経済の発展に伴い、高い医療水準、安全な医療器具に対する要求がますます高まると見込んでいます。この需要に適応するために、私たちはこれまで通り「人間本位」の経営理念を受け継ぎ、安全な医療環境に力を入れ、中国ひいては世界の医療事業により大きな貢献をしていきます。そのため、原材料の調達・配合から最終製品の滅菌に至るまでトータルで行う「自社生産体制」を整えていく予定です。さらには、需要市場が急成長の中国では、伸長するCDDS(セントラル透析液供給システム)事業に続くコア事業の展開も進めています。私たちの製品は、普段皆様の目には留まりにくいものですが、もし日本の病院等で見かけたら、あの大連に工場があると思い出してください。


大連JMSは1988年に創業し、2018年に創業30周年を迎えました。今後もこの地で地産地消を基本に、中国の医療環境向上、患者様のQOL向上のために質の高い医療製品をシステムで供給し続けて参ります。


プロフィール

Hiroyuki Iwasaki

1963年生まれ、島根県出身。広島大学工学部卒。1993年に株式会社ジェイ・エム・エスに入社し、出雲工場に勤務。2002年10月~2009年3月、1回目の大連駐在。帰任後は薬事品質保証部に勤務。2015年4月から二度目の大連駐在。現在まで大連に通算15年駐在。2016年3月から現職。董事長・総経理として経営責任を担う。



<岩崎さんをさらに知る>

釣り


大連赴任後に初めて経験してから病みつきになりました。釣った魚を皆で持ち寄り、居酒屋で料理をしてもらって美味しく味わいます。自然の幸に感謝です。これからも仲間と一緒に楽しく釣っていきたいです。

自転車


大連赴任後に始めたもう一つの趣味。平日は仕事が終わってから金石灘辺りまで、時々旅順や瓦房店辺りまで出かけています。仲間と一緒に走ることに加えて、自分で自転車を整備することも楽しんでいます。

CDDSテクニカルセンター開所式


大連JMSの主力製品である透析関連装置とディスポーザブル製品についてユーザー研修のための施設を2017年に敷地内に開設。CDDSという日本で主に採用されている高品質な血液透析システムを展開するために日々稼働しています。

大連JMS医療器具有限公司
大連経済技術開発区黄海西路25号
℡(0411)8761-1733


大連JMS医療器具有限公司

住所 辽宁省大连市经济技术开发区黄海西路25号 MAP
電話 0411-8761-1733

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