キーマンインタビュー

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コニカミノルタ軟件開発(大連)有限公司
コニカミノルタ軟件開発(大連)有限公司 総経理 中村 勝一氏 2025年6月号
顧客が抱いている願望を探求して
顧客をより幸せにするサービスを

150年以上の歴史を持つコニカミノルタ
大連でのIT業務の展開現状
コニカミノルタグループは、1873年の創業以来培ってきた多彩な技術を活用して、様々な分野で事業を展開しています。①複合機を主商材とするデジタルワークプレイス事業、②プロダクション向けの印刷機販売を主とするプロフェッショナルプリント事業、③ヘルスケアなどを商材とする画像ソリューション事業、④センシング機器、光学コンポーネント、機能材料を商材とするインダストリー事業の4つが主な事業領域です。
その中でコニカミノルタ軟件開発(大連)有限公司(以下、大連会社)は、主に①、②の事業領域で日本本社からのITシステムの開発・品質評価の受託および各種ITサービスを提供する事業を行っています。社内で展開する生産、販売、開発の中国の各拠点のIT環境(セキュリティ、インフラ)に関しては、グループ方針に基づき業務を提供しています。2007年の設立から今年で18年目を迎え、国際規格ISO等に基づいた品質評価ができる状態へ進化してきました。ソフトウェア品質評価部門としては、グループで一位の自負があります。また、先述したITシステム構築に関しても、今や事業規模で祖業の品質評価に引けを取らない規模に成長してきています。直近の5年間では中国国内の拠点はもちろんですが、日本の本社からもシステム開発を請け負っており、コニカミノルタグループのデジタル・トランスフォーメーション化(以下、DX)を進める重要なパートナーとなっています。日本は少子高齢化が進んでおり、日本で仕事をしていた直近数年間は定年退職者の多さを身近に感じました。弊社に限らず日本においては、この労働人口の減少を補う手段としてDXは必須になると考えています。その点で、日本語で意思疎通ができる弊社エンジニアが要件定義からシステム開発まで一貫対応をできることは大きな強みであると思っています。
初めての海外生活
私は2002 年に旧コニカ株式会社に入社しました。2003年にミノルタと経営統合し、コニカミノルタとなりましたが、入社してから一貫して複合機の組み込みソフトウェア開発に従事してきました。前半十年間ほどはソフトウェア開発担当者として、後半は主にプロジェクトマネージャーとして勤めてきました。
大連会社は、このソフトウェアを評価する事業を祖業としており、赴任前からメールやTV会議などでのコミュニケーションはありました。2024年7月に董事・総経理として赴任しましたが、プライベートを含めて中国に渡航したことが無く、初めて大連を訪れたのは2024年1月で、赴任の内示をもらった後の事でした。赴任に当たって、こんなに近くにある国同士でありながら中国の情報を全く知らず、当初は多少の不安がありました。ですが日本食もほぼ日本同様に食べることが可能ですし、日本語含めて多くの日本文化が広まっており、赴任後もほぼ違和感なく過ごすことが出来ています。これまで海外への駐在経験は全くなかった私ですが、弊社内の周りの話を聞く限り、初めての赴任が大連であることは非常に恵まれていると感じます。仕事に関しても、以前から弊社グループはTeamsでのリモート会議、メール、チャットでの情報共有が進んでいたほか、大連の拠点とも必要に応じてコミュニケーション取っていたこともあり、導入からスムーズに進めることが出来ています。ただ、これは大連の弊社メンバーが18年の歴史で培った日本側とのコミュニケーション能力による部分もかなり大きいと感じています。
その他、メンバーの行動力には驚かされました。特定の個人に限らず、総じてまずは“やってみる”という行動力が日本人や欧米よりも長じていると感じます。Platformでの業務自動化システムの要望を受けました。大まかな希望要件や環境を聞いて、2日程度でプロトタイプ作成し、日本側に提示できたのですが、この行動力には日本本社も驚いていました。このような例は私が赴任してからの1年間で2、3件ありました。課題はあるけれど、どういうものをシステムで実現するかはっきりしてない、アジャイル開発のパターンには特に合致していると感じました。日本側の場合、課題をじっくり聞き出して様々なケースを想定するため、プロトタイプ作りに1ヵ月ほどを要するのですが、まずはやってみて、違っていたらピボットするというやり方がDXにおいては非常に重要になると思っています。また、このように仕事面においてはこれまで順調に進められてはいますが、現地メンバーとの、コミュニケーションにおいて、伝えたいことは言語化することの重要性を感じています。弊社の場合、日本語を理解できる人材が8割近くを占めているため忘れがちですが、日本人は特に会話の文脈から共通認識の部分(“言わずもがな”という部分)を省略してコミュニケーションをしてしまう点があると思います。“なぜそう思うのか”、“何を解決したいのか”を省略せず言語化して丁寧に説明することがコミュニケーションのポイントだと感じています。
グループ受注から社外へ業務開拓
直近では、グループ内の工場向けシステムを社外にも応用して、大連周辺の製造業向けに外販(システムの受託開発)も行っています。また、システム開発からさらに幅を広げてAIを活用したDXを支援するシステム開発をグループ会社向けに提供を始めています。製造業&物流業、各種オフィス現場向けの各種ITサービス事業に力を入れています。特に設備点検や在庫管理といった、従来紙で管理していたものをWeb化する管理システムなどのツールを提供しています。今までの開発経験を応用し、それぞれの現場に合うようにカスタマイズして外販も行っています。日本に限らずDXは注目を集めていますし、日本からのシステム開発要求も多く受けるようになっています。DXはデジタル化による業務効率化だけでなく、デジタルによるプロセスの変革と言われていますが、顧客の現場で本質的な課題を対話により見極め、単発のツール提供ではなく、改善を繰り返していくことで実現できるものと思っています。
我々は、お客様との深い対話と深い現場観察を全てのサービスの起点としており、このやり方はいわば、DXの実現に沿っているものであると思います。これからも、弊社ではまずは社内、グループ内でDXを実践すると共にその成功体験を社外に提供していきたいと考えています。

2025年1月の大連会社の忘年会での写真です。様々な出し物で中国の民族衣装を着て従業員たちと共演させて頂き、白酒での乾杯で盛り上がりました。このような体験は初めてで、とても楽しかったです。
プロフィール
なかむら しょういち
1977年12月生まれ。宮崎県出身。九州工業大学大学院情報システム専攻。2002年コニカミノルタに入社。入社してから商用デジタル印刷機のソフトウェア開発に22年間従事。2024年6月コニカミノルタ軟件開発(大連)有限公司に総経理として赴任し、現在に至る。



大連赴任はまだ一年ですが、駐在者のみなさんと従業員たちのお陰で、仕事も生活も充実して幸せです。これからもいっぱい誘ってください!また、弊社システムに興味が御座いましたらお声掛けください!
ゴルフ

日本ではバスケットボールをしていたのですが、体力的に限界だったこともあり、大連に来てからゴルフを始めました。運動だけでなく、色々な方と親交を広められる点もゴルフの良い点だと思いますので、機会があればお誘い頂きたいと思います。
旅行

2024年11月に、九寨溝&黄龍へ旅行した時のものです。前任者が親しくさせていただいたお仲間たちにお誘いいただきました。中国は世界遺産の数も多く、これからも機会があれば、色々な地域に行ってみたいと思っています。
サッカー観戦

2024年7月の赴任直後に、職場のメンバー(左右の2人)たちに誘って頂き、大連サッカーチームの応援に行きました。今年はスーパーリーグに昇格したこともあり、また行きたいと思っています。興味がある方は是非誘ってください!
コニカミノルタ軟件開発(大連)有限公司
大連市高新園区匯賢園1号5階(騰飛園区)
℡(0411)3977-6888




