キーマンインタビュー

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利優比建築科技(大連)有限公司
利優比建築科技(大連)有限公司 秋山 裕行氏 2025年3月号
健全で活力に満ちた
企業を築く
80年以上の歴史を持つリョービ
軽量化に貢献するカンパニー
リョービ株式会社(以下略称リョービ)は、1943年にダイカストメーカーとして出発し、独自の技術を培いながら、主に自動車産業向けに様々な構成部品を作り出してきました。一方で、そうした技術と経験を活かし、建築用品、印刷機器などの完成商品分野にも事業を展開しています。リョービは、暮らしの身近なところで人々のゆとりと豊かさを支えています。
リョービ建築用品事業部は、美しさと機能性でドアクローザに革命をもたらし、市場をリードしています。オフィスや病院、ホテルなどの室温を快適な温度にコントロールするリョービの空調制御システム「エネセイバー」は、くつろぎの住空間をお届けします。また、患者や高齢の方の生活環境をバリアフリーの視点から考えた引戸クローザは、暮らしの安全を支えています。 ドアガード、ヒンジなど、建築物の様々な場所でリョービの建築用品が活躍しています。生活に根ざした発想と信頼の技術で、もっと暮らしに役立ちたい。リョービの建築用品は、住まいやオフィスなどの安全と快適さを支えています。機能性や安全性、バリアフリーなどに配慮した商品開発を進め、ユニバーサル社会の実現に貢献します。特に、電動のドア開閉装置「RUCAD(ラクアド)」は、車椅子の利用者や荷物などで両手がふさがっている状況でも楽にドアを開閉できる商品として注目されています。
会社設立時からの大連との縁
2度の駐在はいずれも大連
1994年に良明(大連)機器有限公司を設立し、1995年に約300名の従業員で操業開始しました。1997年に利優比(大連)機器有限公司へ社名変更し、2000年頃に約2,000人の従業員になりました。2018年に京セラ株式会社にパワーツール事業を譲渡したため、京瓷利優比(大連)機器有限公司へ社名変更しました。昨年の2024年にはパワーツール事業を分社化して、京瓷(大連)機器有限公司と利優比建築科技(大連)有限公司へ社名変更(以下略称RAD)しました。今年は創業31周年です。現在のRADでは電動式ドア開閉装置 RUCAD、ドアクローザ、コンシールド ドアクローザ、ドアマン ドアクローザ、取替用ドアクローザ、引戸クローザ、ドアガードを生産しています。
当時、私はリョービの設計課主任で、技術指導のため、1998年から年に2、3度の頻度で大連へ出張するようになってから大連との縁が始まり、2000年と2017年からは2度の駐在生活が始まりました。その頃の開発区はまだ工場も少なく、田園と荒地が多かったです。当時の印象深い4点を纏めて、最近駐在してきた若い方へシェアします。①日本料理店が少ない。工場が少ないためもちろん駐在員も少なく、日本食を食べられるお店が少なかったです。食生活は不便でした。2000年前後から五彩城が活性化して助かりました。②まともなトイレが少ない。立派なホテルなど以外にはトイレにドアもなかったりしてトイレには苦労した時代がありました。今でも中国各地へ旅行に訪れると、田舎ではまだまだ「ニーハオ・トイレ」が実在していることがありますね。③不動産の発展スピード。荒地から現状の高層ビルが溢れる都市までの30年間の変動には驚くばかりです。不動産価格が10倍以上になったことにも驚きました。④駐在日本人数の変動。2000年前後の8,000人から現在は3,000人にまで減少しました。経済の不況や事業の安定、現地従業員の質向上も一部の原因だと思います。
2度の駐在で、通算11年間にわたり大連で過ごしてきました。中国語も多少話せるようになり、食生活や、休日の過ごし方にも慣れてきました。近年のコロナと円安による影響はありますが、幸い当社の製品はほぼ日本国内向けに輸出しているため、業績への影響は軽微で、苦しい時期には従業員たちと一緒に努力をして無事乗り越えてきました。
セカイヲ軽クスルカンパニー
健全で活力に満ちた企業を目指し
リョービグループの企業理念は「技術と信頼と挑戦で、健全で活力に満ちた企業を築く。」です。“モノづくり”を通じて人々の暮らしの中にゆとりと豊かさを創造することが使命です。地球温暖化は今や全世界の大きな関心事です。当社グループが手掛けるアルミニウムダイカストは、軽量かつ耐久性に富み、リサイクル性に優れていることから、環境保全に有効な技術としてあらゆる分野から注目されています。ダイカスト、建築用品、印刷機器、建築用品の各事業においても、環境に配慮した商品の開発はもとより、生産・販売からお客様がお使いになるまでの様々なプロセスで環境保全に取り組んでいます。また、事業活動を通じて発生する環境負荷を低減し、環境を保護することを重要な経営課題の1つとして捉えています。環境負荷低減目標を中期経営計画に織り込み、目標達成に向けてグループが一体となって取り組んでいます。当社グループはこのような環境保全への取り組みに加えて、社会貢献活動、コンプライアンス、お客様の立場に立った商品・サービスの提供、働きやすい職場づくり、積極的な企業情報の開示を柱としたCSR経営の推進により、企業の社会的責任を果たし、社会の信頼に応えてまいります。そのお陰で、リョービのドアクローザは日本国内で75%のシェアを占めています。
RADでは、グループの理念と使命の下で、従業員が一体となって様々な取り組みを計画していくべく努力します。まず、原材料の調達に関し、当初はほぼ70%日本などの海外から調達していましたが、現在は中国国内調達率が88%と逆転しました。次は設計に関し、中国のマーケティングのニーズに合せて設計を考えています。販売に関しては、大連で操業してから30年の現在まで、99%以上の生産・販売は日本向けの輸出でしたが、今後は中国国内向けの販売に注力しようと考えています。
入社5年目、10年目、15年目、20年目、25年目の社員を集めての食事会や、日帰りの小旅行をしています。また、毎月その月の誕生日の社員を集め、数グループに分けて昼食時に少し豪華な料理で誕生会を開催しています。
プロフィール
あきやま ひろゆき
1961年生まれ、広島県尾道市出身。1985年リョービ株式会社入社、建築用品部設計課所属。2000年に1回目の大連赴任で利優比(大連)機器有限公司の組立課長。2004年に帰任後は建築用品部等の各部門での勤務を経て、2017年に2回目の大連赴任。2024年より利優比建築科技(大連)有限公司の総経理を務める。
当社は大連で製造した製品のほぼ99.5%を日本向けに輸出しています。昨今の人民元高の影響で日本での仕入れ価格が上昇しており、連結での損益が悪化していますので、今後は中国国内向けの販売に注力していきたいと考えています。当社の製品に興味がある方は私までご連絡ください。
秋山さんをさらに知る
ゴルフ
開発区五彩城の日本料理店(磯銀・銀の月・トン楽)のゴルフコンペ開催のお手伝いをさせて頂いています。参加ご希望の方は各店のママさんか、私でもよいのでご連絡ください。冬場でも暖かければ夏麗に行きます。海が凍ったのを見ながらプレーすることもあります。
各地旅行
通算11年も中国に駐在しているので、ハルピンの氷祭り、丹東の中朝国境、盤錦の紅海灘、北京の万里の長城、泰山山頂でのご来光、桂林の川下り、西安の兵馬俑、洛陽の牡丹と石仏の他、上海、煙台、深センなどへ行きました。写真は三亜の北緯18度にある中国最南端の郵便局前です。
相談役がRAD幹部と記念撮影
2024年9月に開発区設立40周年記念式典があり、大連名誉市民でもある当社の浦上浩相談役が式典に参加しました。式典の前には、浦上彰社長と利優比圧鋳(大連)有限公司の佐藤総経理、私が同席して大連市の熊書記の他、大連市の幹部の皆さんと面談する機会を頂きました。
利優比建築科技(大連)有限公司
大連開発区黄海西六路2号
℡(0411)8763-0400
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