• TOP >
  • ビジネス記事 >
  • ラオックスホールディングス株式会社/楽弘益(上海)企業管理有限公司

キーマンインタビュー

ラオックスホールディングス株式会社/楽弘益(上海)企業管理有限公司
  • ビジネス記事
  • キーマンインタビュー

ラオックスホールディングス株式会社/楽弘益(上海)企業管理有限公司

  • エリア:その他

執行董事/総裁CEO 傅 禄永 氏

中国ビジネスの第一線に立ち
中日の架け橋として40年
未来を創る人材育成にも注力

大手総合免税店及び家電量販店を運営する「ラオックスホールディングス株式会社」の中国事業を統括している「楽弘益(上海)企業管理有限公司」。日本と関わり40年以上、時代の変化をリアルに感じながら、現在、そして将来のビジネスについて総裁CEOの傅氏に話を伺った。



西安の国宝発掘プロジェクトで得た
日本と中国に携わる仕事のやりがい

大学で日本語を専攻していた私の転機となったのは、中国社会科学院外事局の日本処へ配属され、それからわずか1カ月で西安行きを命じられたことです。西安では日本の開発援助を受けた大規模な発掘プロジェクトが始まり、私は通訳に抜擢されました。当時、発掘工程のすべてを手作業で行っていた中国サイドへ提供された日本の機材はもちろんすべて日本語表記で、使用方法や注意点なども分かりません。また、国宝の発掘作業であったため派遣された日本人エンジニアたちは発掘現場に足を踏み入れることができませんでした。さらに、現在のように携帯電話やパソコンなどの通信機器はありません。そのため、私は機材について不明点があった際、その内容を現場からバイクで5分ほど離れた場所で待機している日本人エンジニアのもとへ行って要件を伝え、教えてもらった内容を今度は現場に戻って説明する伝達係を担いました。雪や雨が降る日も、太陽が照りつく日も、約6カ月ものあいだ、毎日現場と待機場所を往復しました。多い時は10回以上往復する日もありましたがミスが許されない大事な任務だと自負し、骨身を惜しまず働きました。この働きは、過酷な環境下で発掘作業に貢献したとして、報酬で日本へ留学する機会を得ることができました。それ以降、日本と中国のための仕事を次々と担うことになりました


時代の変化を体感し、モノからコトへ

現在、私がCEOを務める「楽弘益(上海)企業管理有限公司」は、ラオックスグループの中国事業を統括している会社です。2017年に設立して以来、家電を中心とした卸売、コスメなどの越境EC、飲食店舗運営、インバウンドの4つの事業を展開。現在は北京、南京、深セン、香港、済南にも進出しています。2021年には「中国のハワイ」とも呼ばれる中国最南端のリゾート地である海南にて合弁会社を設立し、中国国営企業との提携により海南島免税市場で日系企業をリードするとともに、当社の知名度アップと中国マーケットの市場拡大を続けています。 
 ありがたいことに、私はこれまで名高い企業の上役を務めさせていただきました。これまでの経験を踏まえて、私が考える近年の消費動向についてお話させていただこうかと思います。皆さんは、日本で「爆買い」という言葉が広がった時代を覚えているでしょうか。多くの中国人旅行者が日本を訪れ、家電量販店に押し寄せて炊飯器や美容化粧品、医薬品などを大量に買うなど、当時は「モノ」を買うことに重きが置かれていました。あれから数十年が経過し、SNSの急速な普及や社会的環境の変化など、さまざまな要因によって、近年の中国人は「モノからコトへ(商品から体験へ)」を大切にする傾向にあると思います。特に20代~30代の若者はコストパフォーマンスよりも、クオリティパフォーマンス、提供される商品やサービスの背景にあるストーリーを重視。つまり、価値はモノではなく自身が得られる「体験」にあり、それを買うようになったのです。
「モノからコトへ」の傾向は、弊社が運営している高級日本料理店「くろぎ上海」においても肌で感じられます。「くろぎ上海」は東京で最も予約が取れない名店「くろぎ」の海外店舗で、開店以来、大衆点評では黒真珠レストランとして非常に高く評価され、国籍問わず多くの方に知られている名店です。質の高い食材と職人の技術を織り交ぜ、オリジナリティが盛り込まれた料理を提供しているため、決してリーズナブルとは言えません。しかしながら、驚くことに来店者の多くは20~30代の若者が占めています。特別な空間に訪れた人しか味わえない料理を食べ、そのひと時に対して、糸目をつけずにお金を出す。彼らにとってその経験こそがステータスとなり、自身を幸福にする行動といえるでしょう。「モノからコトへ」へと変化した中国では、そうした傾向をビジネスにうまく取り入れていかなければ、今後中国でビジネスをスタートさせたとしても、発展は難しいかもしれません


新たな「中日の架け橋」の育成に尽力

日本に携わって40年以上が経ちました。これほど長く日本に関わる仕事ができたのは、私が留学生として日本を訪れた際、温かく迎え入れ、優しく接してくれた多くの日本人のおかげです。そんな彼らに、日本に少しでも恩返しがしたいという思いから、今日まで駆け抜けてきました。長きにわたり両国のために働けたことはとても光栄なことであり、微力ながらも中日の架け橋として貢献できたかと思います。
 ビジネスの第一線で職務を全うし続け、気がつけば今年で私は63歳になりました。仕事に対する熱量は衰えることがなく、この命ある限りビジネスは続けたいです。 今後の展望としては、これまでに培ったノウハウを若者たちのために使っていきたいと考えています。まだ構想段階ではありますが、スクールを作りビジネスに関心を持つ若者たちを募り、育てていきたいです。ビジネスの実現のためのアドバイスや起業のサポート、投資は惜しまず行いたいです。これからの未来、中国を創造していく人たちを育てていくのが、私のこれからの仕事であり、使命だと思います。この活動を通じて、彼らがのちに新しい中日の架け橋的存在となってくれることを信じています


中国と日本は隣国であり、密接な関係にあります。日中交流を事業とする以上は畏敬の念を持ち、たゆまず日中文化の伝播者、推進者になる所存です


四半期ごとにすべての関連会社を集め、事業報告会を行っています。各社が今期の業務の進捗と業績、次の四半期の業務展開方法を報告し、「頭脳の嵐」を起こすことで、将来の発展に貢献しています



PROFILE

プロフィール 
Fu Luyong

1960年生まれ、上海市出身。北京国際関係学院で日本語を専攻、上海交通大学でEMBAを取得。1983年に中国社会科学院外事局へ入局。1993年より西科姆(中国)有限公司常務兼副総経理、2004年より上海世界貿易商城有限公司執行副総裁、2014年よりラオックスホールディングス株式会社執行役員を務め、現在は日本LAOX 執行董事と楽弘益(上海)企業管理有限公司総裁CEOを兼任している。



傅さんをさらに知る

結束力を強化

重要な祝日やイベントがある際は、社員たちで楽しく過ごし、チームの結束力を強化しています。この写真は2021年に開催された東京五輪の開会式を観たときのもので、大変盛り上がりました。


敬服する偉人、曽国藩


清代の官僚であり、太平天国の乱の鎮圧に活躍した人物の曽国藩は、私が非常に敬服している近代歴史の偉人です。彼の著書「曽国藩家書」では教育、処世、治軍、従政などの思想が書かれており、今を生きる私たちにも通ずるものがあります。


街や自然のなかを歩く


私の最大の趣味は歩くことです。上海や北京、また東京などの都市での「city walk」を楽しんでいます。また、九寨溝、張掖、廬山などの大自然のなかを歩くのも、私の心を楽しませてくれます。

ラオックスホールディングス株式会社/楽弘益(上海)企業管理有限公司

住所 虹口区北蘇州路188号104室 MAP
電話 1783-7067

ピックアップ

Concierge
コンシェルジュ公式App

CCG Concierge

上海・大連への
便利な街案内&生活情報アプリ!

ダウンロードはこちら
  • App Store からダウンロード
  • Android からダウンロード
  • App Store からダウンロード
  • Android からダウンロード

ピックアップ

Concierge 公式SNSアカウント
Concierge 公式SNSアカウント
最新の情報を
タイムリーにお届け!
QR

公式WeChat公众号:conciergesh