キーマンインタビュー

金橋食品(大連)有限公司
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金橋食品(大連)有限公司

執行董事 張 立志氏 2023年8月号

持続可能な海産資源の
保全・販売を行うとともに
故郷の慈善活動にも尽力


おいしい魚を安心・安全に


 私は遼寧省朝陽市の出身です。世界最初の鳥「中華龍鳥(シノサウロプテリクス)」と最初の花「遼寧古果(アルカエフルクトゥス)」の化石が故郷の朝陽市で発見されたことから、朝陽市は「最初の鳥が飛ぶところ」、「最初の花が咲くところ」と呼ばれていますが、どちらかというと「辺鄙、貧困」のイメージがあります。私の家も決して裕福ではありませんでした。小さい頃から、母から耳にタコができるほど「よく勉強しないと、一生この山村で野良仕事をするしかないよ」と言われました。「大学合格は農村脱出の唯一の道」との観念を叩き込まれたおかげで、1989年に大連外国語学院に入学できました。「沿海開放都市」の1つに指定された大連は仕事のチャンスが多いことから、卒業後は故郷へ戻らず、大連の海産企業に入社し海産物の輸出業務に携わりました。1996年、美国簡納牌(大連)有限公司へ転職し、アメリカ産の海産物の輸入・販売の業務に従事しました。2007年、美国海産会社の中国代表として、米国産の海産物の輸入・加工・卸のほか、一部加工した海産物をアメリカ、日本などの国への輸出も行っていました。
 2014年、金橋食品(大連)有限公司を創設し、海産物の輸入・卸・小売及び加工品の輸出を手掛けています。主な業務はアメリカの海で獲れた水産物を輸入し、全国の市場、水産加工業者、食品メーカーなど国内のユーザー様へ提供しています。弊社が取り扱っている全ての海鮮はアラスカと北大西洋の天然のもので、汚染ゼロの深海から水揚げしたものです。主に北アメリカのロブスター、北欧の北極甘エビ、インドとエクアドルの白エビ、日本のホタテ貝、鮭及びアメリカの冷凍カレイ、タラとサケなどを中国へ輸入し、加工した冷凍鮮魚をアメリカへ、レトルト加工品を日本へ輸出しています。そして、当社は中国の多くの卸売業者の実店舗やネットショップともパートナー関係を築き、上質な海鮮・海鮮加工品、海鮮惣菜を全国へ発信しています。「安全・安心・美味しい商品づくり」をモットーに、徹底した衛生管理のもと、より安全・安心な食品を安定してお客様にお届けするための事業を展開しています。会社の目標は、確かな目と知識で良質な魚介類を厳選し、独自のネットワークをフルに活かして、魚を頂く幸せ、喜びを多くの方に感じて頂くことです。そのために、これからも妥協することなく本物の味をお届けし、魚食文化の継承と発展に貢献していきます。


故郷の貧困学生の希望に火をつけ

 2015年、朝陽商会が設立され、私が会長に選出されました。会長に選任されたことは大変名誉なことです。朝陽商会を頼りになる組織とし、在連の同郷出身者を互いに信頼し、互いに発展していくために、協力・助け合いの場を提供しています。同時に、故郷へ恩返しをすることが初志だと考えています。改革開放後、故郷の生活環境は以前より随分と良くなりましたが、「10年中9年間干ばつ」に見舞われた朝陽市の農村は、畑を耕すだけでは家計を支えるのが難しい家庭がまだ残っています。出稼ぎ労働者がいない家庭は、野良仕事だけでは大学への学費を捻出するのは至難の業です。同じ村の高校生が一生懸命勉強して念願の有名大学に合格したにも関わらず、貧困のために学費が払えない、または中途退学するのを見て、非常に心を痛めていました。教育を受ければ、貧困の世代間連鎖を断ち切り、家族の運命を変えることができると考えました。2011年から、故郷の学生の運命を変え、貧困から脱却させるために、朝陽商会に在籍している経営者たちを始めとする在連の同郷に「故郷への愛心助学活動」を呼びかけました。現在までに累計約1,500万元の募金を集め、同郷出身者962人の大学入学をサポートしてきました。そして、音楽の授業用の楽器などがない足りない学校に対し、「愛心音楽教室」三つを寄付しました。お金の援助だけではなく、貧しい学生たちが自信を持ち、将来に希望を抱けるよう、商会の会員及び同郷者たちが援助を受けた家庭を訪問し、大学在学中のサポート、卒業後の就職フォローの「1対1の生活支援」も行っています。現在、援助を受けて大学を卒業した学生の大半は各地で立派に働き、朝陽商会が呼びかけている「愛心助学活動」に積極的に参加しています。2021年、朝陽商会がめでたく中国政府から「脱貧攻堅先進集体」に選出されました。


目指す三本柱


 孔子の言葉に、「五十にして天命を知る」とあります。私は50歳の時、会社のこと、商会のこと、慈善事業のことについて色々と考えました。近年来、世界の水産物生産量は増加し続けており、天然魚の乱獲や養殖の拡大が生態系に悪影響を及ぼしつつあります。当社は国連が提唱する「持続可能な開発目標(SDGs)」に対して、「水産物卸売」を通じて達成に向けた取組みを行い、安心・安全で質の高い商品を提供できるよう、信頼される企業を目指しています。これからも多くの信頼を通じて、お客様にハイクオリティな海産品を提供し、企業として永続的な成長を目指して参ります。
 朝陽商会は会員の経済、文化、生活促進の一助となり、助け合いの精神で同郷の結束力を高めながら、他都市及び外国の朝陽商会との交流もより緊密となるよう働きかけてきました。現在、中国の北京、西安などの都市の朝陽商会と友好関係を結んでいるほか、外国ではイギリスの東北商会、美中国際商会、米国華商投資発展総会、米国シリコン東北商会などともパートナー関係を築きました。今後も企業相互協力、並びに交流促進を行い、各地の朝陽商会と連携して、グローバルで世界的な組織となるよう一層努力していく所存です。
 朝陽商会の慈善事業の「故郷への愛心助学活動」に関しては、毎年150万元の募金を集め、100人の貧困大学生の援助をこれからも継続していく予定です。そして、今まで行ってきた教育支援と経済支援を強化するほか、大連朝陽商会の力を充分に発揮し、大学入学後の生活支援・自信援助と就労支援にもより注力していきます。



2019年4月、商会の税理士が会員に無料で実施した税務講座。勉強会、異業種間連携、企業見学、さくらんぼ狩り、飲茶会、レクレーション等の活動を通じて会員の仲間の輪を広げ、楽しく、元気に過ごしていくことを目指しています。



プロフィール
Zhang Lizhi

1970年生まれ、遼寧省朝陽市出身。1993年、大連外国語学院英語学部卒業後、海産会社に入社し海産物の輸出業務に携わる。1996年~2006年、美国簡納牌有限公司の代表を務める。2007年~2013年、美国海産の中国代表を務める。2014年、金橋食品(大連)有限公司を創設し、海産品の輸入、卸小売及び加工品の輸出を手掛ける。


<張さんをさらに知る>


ウォーキングを楽しむ


2019年5月、朝陽商会の会員らが大連国際徒歩大会に参加しました。アカシアの香りが漂う東港から棒棰島まで、自然に恵まれた15キロのコースを楽しく歩きました。その後一緒に飲んだビールは気分爽快でした!


音楽の力で子どもに光を


2018年、朝陽商会が億達集団と建平県熱水畜牧農場小学校に「愛心音楽教室」を寄贈しました。楽器に触れる機会に恵まれない子どもたちに、音楽の楽しさを伝え、豊かな心を育んでくれることを願っています。


故郷への愛心助学活動


2019年8月、朝陽商会の会員に愛心助学ボランティア活動について説明をした時の写真。ボランティアはお金の寄付に留まらず、生活の相談と就職の支援も寄り添いながら自立に向けた支援を実施しています。


金橋食品(大連)有限公司

中山区五五路30号名仕国際A1205
℡(0411)3988-7885



金橋食品(大連)有限公司

住所 辽宁省大连市中山区五五路30号名仕国际A1205 MAP
電話 0411-3988-7885

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