キーマンインタビュー

技術開発力の強化で

競争力向上に取り組み

新たな価値創出に貢献

数学の魅力に惹かれIT関連の仕事に邁進

　小さい頃から知育玩具、特にキューブブロックが好きで、単純なパーツを組み合わせるだけで様々なものを形作ることができ、「単純なパーツからこんなものまで作れるのか！」という驚きと、何かを作った時に母が喜んで褒めてくれた笑顔が、のちに数学に興味を持つきっかけとなっただけでなく、私の自由な想像力・創造性を育んでくれました。1993年、念願の大学へ進学しました。専攻は応用数学でしたが、90年代初頭はインターネット黎明期と言える時代でしたので、もともとコンピューターに興味を持っていたことと、将来のことを考え、専攻ではないITに関する勉強にも独学で精を出しました。学校の図書館でほぼ毎日『電脳報』をむさぼるようにメモをしながら勉強したことや、生活費を節約して毎月欠かさず『電脳愛好者』及び『電脳遊戯世界』を購入したことも現在の仕事の礎になったと言えるでしょう。
　1997年、大学を卒業した後、大連公交客運集団有限公司に入社し、ソフトウェア設計・開発の仕事に携わりました。2006年、日本の安原プラミクス株式会へ転職し、10年近くIT関連の仕事に従事しました。仕事を始めた当初はほとんど筆談と身振り手振りを交えて行いました。その時の仕事は簡単な内容がほとんどで、難なく遂行できたように感じていましたが、時間が経つに連れて徐々にぼろが出て、正確で効果的なコミュニケーションを行うことの必要性に迫られました。業務を正確に理解することが、プロジェクトの円滑な進行の前提となることは言うまでもありません。いくら遅くまで残業しようと、毎日必ず2時間日本語を勉強して、1年間でN2に合格するという目標を決めました。そして休み時間を使ってできる限り日本人と会話することを心掛けました。このことを通じて、日本語力のみならず、コミュニケーションスキルも向上できました。日本語力の向上に伴い、PG、SE、BSEなどの仕事を任されるようになりました。

常に新しいものを取り入れ未知を追いかけ難局を超える

　日本での勤務時、他のプログラマーたちが「このプロジェクトは我々の会社の技術力では絶対にできない」と断言した仕事に対し、徹夜をして仕上げた解決策を上司に提示し、大きなプロジェクトの成約に漕ぎつきました。それも、持ち前の好奇心と常に新しいものを取り入れていこうと日頃から努力していた賜物だと思います。その後、大きなプロジェクトのBSEが私に任されるようになりました。2015年、大連に戻ってソフトウェア開発に携わりました。2012年、私は蘇州清臣軟件有限公司を創設し、日本からのIT業務の下請けからスタートし、その後中国企業のITプロジェクトにも参与し、日本で身につけたITの経験を活かして、「機能・品質重視」、「顧客対応のきめ細かさ」等を取引企業から高く評価頂きました。2020年には大連思華科技有限公司を創設し、大連を中心にIT業務を展開しつつ、現在は蘇州、南京、瀋陽などに支社を設立し、業務範囲は全国をカバーしています。
　大連思華科技有限公司はこれまで、企業のお客様を中心に、カスタマイズソフトウェア開発とサービスを提供すると同時に、自主的な核心技術と知的財産権を持つソフトウェア製品の研究開発にも注力してきました。特にドローン管理制御、RFID応用、電子商取引プラットフォームなどの分野では、自身の核心ソフトウェア製品と技術があるだけでなく、自主知的財産権50余件を所有し、その中にはソフトウェア著作権40余件を含みます。 それと同時に積極的に市場を開拓し、日本企業と戦略的パートナーシップを構築し、業務の多様化を絶えず推進しています。国内外の日本企業と、ソフトウェアと自動化設備の分野で協力を進めると同時に、大連の日本企業に対して、工場のリフォーム工事、外構工事、緑化・植栽管理、塗装工事などの不動産補助作業サービスをも提供しています。業務の深化に伴い、日本企業から好評と信頼を得ました。 
　2021年から手掛けた大連万衆雲倉向けの越境ECプロジェクトの拡張性が高く、様々なご要望を柔軟に実現できるECパッケージをベースに、お客様の業務や商品に合った最適なECサイトを構築することができました。国境を越えた電子商取引プラットフォーム、倉庫管理、セルフ決済、税関の監督管理ドッキングなどの複数のシステムを開発し、アフターサービスとサポートもきちんと実施しているので、大連万衆雲倉から非常に好評を頂いています。このように、長期的な協力を通じてお客様と協力・ウィンウィンのパートナー関係を築き、お客様の仕事の効率を高め、運営コストを下げ、お客様に最大限の利益を得て頂くことで、お客様の称賛と信頼を勝ち取ることができました。

未来を見据える企業に

　近年、経済社会のデジタル化が進み、それに伴いIT業界の市場規模も拡大し続けています。ビッグデータ、AI、5Gといった新たな技術が次々と登場し、こうした先端技術を駆使したサービスの実用化も増えており、IT業界の市場は、今後も衰えることなく伸びていくことは間違いありません。特に、2020年からのコロナ禍は、IT業界にも大きな影響を及ぼしました。企業のクラウド活用や、DXの流れが一気に加速しました。社会全体が更なるIT技術の進化とサービスを求められるでしょう。こういった変化に素早く対応していくには、学び続けなくてはなりません。そうしてこそ、複雑・多様なこの時代でも、先を見通して成果が出せるようになっていきます。我が社も先進的なIT技術を保有するプロ会社として、お客様の課題を解決するソフトウェアを提供していきます。これからも時代が求める新技術の研鑽に励み、事業活動を通してお客様の持続的な企業価値向上と社会課題の解決に貢献できるよう努力し、常に進化を遂げていきます。

2021年4月、「新階層理事会」に参加した時の写真です。「新階層」と呼ばれる民営科学技術企業の経営者たちの集まりに積極的に参加しています。社会責任に対する意識も高まりつつあることから注目されています。

プロフィール
Zuo Zhenshi

1974年生まれ、大連市出身。1997年、遼寧大学数学学部応用数学科卒業後、大連公交客運集団有限公司に入社し、ソフトウェア開発の仕事に携わる。2006年から日本の安原プラミクスで10年近くIT関連の仕事に従事した。2018年、大連思華科技有限公司を創設。現在は蘇州、南京、瀋陽などに支社を設立し、業務範囲は全国をカバーしている。

＜左さんをさらに知る＞

家族と海辺で

大連は海辺の都市とはいえ、海には仕事で年に1度行く程度です。2020年のコロナ期間中、家族への罪滅ぼしとして、ほぼ半日間水入らずで海辺を楽しく散歩し、夜には焼き肉をたらふく食べました。

旅は道連れ、世は情け

2019年、友人の案内で潮汕古城を旅行した時の写真です。食べ物、建築、風習、言葉に独特な特徴を持っており、中国の南北の文化の違いを実感しました。時間があれば家族を連れてもう一度遊びに行きたいです。

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