キーマンインタビュー

大連東利成国際貿易有限公司
  • ビジネス記事
  • キーマンインタビュー

大連東利成国際貿易有限公司

総経理 王 徳東氏 2023年1/2月号

最良の品質を求めて
最善の努力を尽くすことで
ピンチをチャンスに変える


「伝説の日本」へ


 1970年生まれの私の日本に対する印象は3つの段階に分けられます。一、小学校低学年までの日本に対する印象は、戦争映画の日本人の悪いイメージと、「日本は中国から落花生を輸入して、船で落花生の殻を木材にして中国に輸出し、落花生をただで持って帰る」という都市伝説でした。二、70年代末期に中国で熱狂的な人気を巻き起こした『君よ憤怒の河を渡れ』などの映画と、80年代半ばテレビの普及によって、日本のドラマ『赤いシリーズ』に映し出された「資本主義社会の物質的な豊かさ」は想像を絶するほどの衝撃を与えたものでした。三、1993年、大連外国語学院の卒業前に、中国華録松下の中国人技術者研修生が大阪の松下本社へ派遣された際、通訳として約3カ月間、リアルな日本人と日本社会に接しました。特に、中国では夢のまた夢である自家用車が、ゴミとして不法投棄されている現実を目の当たりにして痛烈な印象を受けました。
 松下での通訳としての仕事が終わって帰国した際、大連に残っている同級生の多くは、商社や日系合弁・合資会社、または貿易企業に青田刈りされたと聞いて、時代の変化を感じました。というのも、それまでは大学卒業後の勤務先は国により配属されるのがメインで、自分の意思で選択でき、且つ戸籍の制限がほとんどなかったことは未だかつてなかったからです。間もなく私は遼寧省紡績品進出口公司に就職しました。給料はそれほど高くありませんでしたでしたが、就職したてでまだ半人前の私が国慶節のボーナスとして7,000元も頂きました。後で調べたところ、1993年のサラリーマンの平均年収は3,236元でした。有頂天になってそのお金で親孝行をしようと思ったのですが、帰省時の列車内ですられました。


努力は必ず報われる

 前述した遼寧省紡績品進出口公司は貿易企業で、当時対外貿易は国営企業しか扱えませんでした。対外貿易の需要増加に伴い好景気でしたが、中国はGATT加入に備え、それまでの対外貿易で享受した税の還付と、貿易に対するマクロ管理(貿易業界の請負責任制の導入)の煽りを受け、国営の貿易企業も徐々に再編されていきました。その時、私に与えられた選択肢は「新たな企業に編入されるか」、それとも「独立起業するか」の2つでした。色々と考えた末に、若いうちに「一か八か」の思いで起業することに決めました。それまで培ってきた経験、及び人脈を活かして、2007年に「大連東利成国際貿易有限公司」を設立しました。主な業務は紡績品、服装品の日本への輸出販売でした。「ヒトの確保」「モノの品質保証」「カネの捻出」は想像以上に困難でしたが、約1年後にはなんとか軌道に乗り、多少の利益を計上しました。企業を継続経営していくために、「最大を求めず、最良を求める」という企業理念を定めました。平たく言えば、「量より質。質さえ良ければ売れる。売れればリピーターが現れるはず」という考え方を社員に徹底的に納得させ、製造現場にまで徹底させました。時間が経つにつれて質の良さをお客様に認めて頂き、現在では成人用のメンズ・レディース服と子供服を取り扱っています。主にカジュアル用とビジネス用の二種類で、上着、ジャケット、スーツ、コート、スカート、ズボン、デニムと羽毛製品を含みます。また、十年余りの発展を経て、当初の日本のみならず、米国、スペイン、イタリア、フランス、ドイツなどへの輸出も行うに至りました。広州交易会などの見本市に積極的に出展した甲斐があって、業務範囲も拡大しました。特に猫砂は新興業務です。私達の猫砂は安全で汚染がなく、種類が豊富で、豆腐猫砂、ベントナイト猫砂、水晶猫砂、粉砕猫砂などが含まれています。様々な国で愛用頂いています。
 2008年、マルセイリビング株式会社と合同出資で研究開発、設計、製造、販売を統合した丸星生活家具(大連)有限公司を設立しました。製品の90%以上が日本に輸出されています。長年の努力の末、ISO9001国際認証を取得し、「大連家具業界の著名ブランド」などの多くの栄誉を獲得しました。近年来、家具業界の競争も熾烈化し、勝ち抜くためには「低価格競争をせず、中高レベルの商品を製造する」ことに決めました。自社製品のデザインの刷新と、プロセスの細部の完璧さを求めました。そして、ライバルである同業他社と「大連家具輸出連盟」を結び、団体で外国訪問をして見本市に参加し、大連家具業界の知名度を高め、ウィンウィンの関係を築き上げました。新型コロナの間にも、日本側と有効的なコミュニケーションを維持するべく、オンラインでの新製品発表会やビデオ会議を何度も開催しました。コロナ対策が不透明であった2022年の後半には、代表団が東京の展示会に出展したほか、新旧の顧客を集中的に訪問し、率先して受注を増やす機会を掴みました。私自身も連盟の会長や、日本アジア家具フォーラムの会員理事に選出され、大連の家具製品の日本への輸出強化、中国と日本の家具業界の交流に微力ながら積極的に尽力しています。


待てば海路の日和あり


 十数年に亘る社員らの努力によって、現在では弊社は自社ブランド、工場、実店舗を有し、且つ専門の設計研究開発チーム、電子商取引の運営チーム、研究開発、生産、販売を束ねた貿易グループ企業へと発展してきました。ここ数年来、国家建設の「一帯一路」の呼びかけに積極的に応え、欧米及び東南アジアと中東地区への輸出を拡大し、国内では百近くの安定的且つ専門的なサプライヤーを抱えています。服装とペット用品に加え、化学工業製品の輸出貿易額も年々上昇しています。国内では、オンラインストアでの小売業のほかオフライン店舗も設立して、家庭用品と一部の輸入品を販売しています。コロナ収束後には日本にも支社を設け、ネット販売を通じた弊社商品の拡販に力を入れようと考えています。



2019年「中国遼寧省家具協会」の会員と日本のアジア・ファニシング・フェアへ参加した際の写真です。日本最大級の家具インテリア専門見本市に出展しました。その後、お客様訪問や工場見学以外に、温泉も・・・。実り豊かでした。コロナが落ち着いてからまた行きます!



PROFILE
wang dedong

1970年、大連瓦房店出身。1993年、大連外国語学院日本語学部卒業。同年、遼寧省紡績品進出口公司に就職。2007年、大連東利成国際貿易有限公司を創設。2008年、マルセイリビング株式会社と合同出資で丸星生活家具(大連)有限公司を設立。「大連家具輸出連盟」会長、日本アジア家具フォーラム会員理事。


<王さんをさらに知る>


百聞は一見如かず


大連家具輸出連盟メンバーを率いて日本のお客様を訪問した時の写真です。工場見学では丁寧な作業や職人さんたちのこだわりを目の当たりにすることが出来ました。色んな意味でいい勉強になりました。


思えば遠くへ来たもんだ


忙しくなってきた時に、「土日のいずれかは必ず休みを取る」と、「スポーツを継続する」を決意。お陰でメリハリのある生活を過ごせています。2019年5月12日の第32回目大連国際マラソンに参加した時の写真です。


任重くして道遠し


アジア家具フォーラムで役員理事に任命されました。当該フォーラムは家具・インテリア業界におけるアジア地域の貿易促進と人的交流に努め、業界の活性化を志し、ビジネスの発展に貢献することを目的としています。


大連東利成国際貿易有限公司

中山区人民路41号新世界名瀧
℡(0411)8254-1105

大連東利成国際貿易有限公司

住所 辽宁省大连市中山区人民路41号新世界名泷 MAP
電話 0411-8254-1105

ピックアップ

Concierge
コンシェルジュ公式App

CCG Concierge

上海・大連への
便利な街案内&生活情報アプリ!

ダウンロードはこちら
  • App Store からダウンロード
  • Android からダウンロード
  • App Store からダウンロード
  • Android からダウンロード

ピックアップ

Concierge 公式SNSアカウント
Concierge 公式SNSアカウント
最新の情報を
タイムリーにお届け!
QR

公式WeChat公众号:ConciergeDL