キーマンインタビュー

大連機工機械設備有限公司
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大連機工機械設備有限公司

董事 総経理 館石 勝史氏 2022年4月号

チームワークを発揮し
高品質・低コストを実現
オリジナルの製品を提供


案件別対応、一品一様のモノ作り


 大連機工機械設備有限公司は、日本中央機工株式会社の100%出資によって設立された独資企業です。中央機工株式会社は1951年に設立され、主に都市ごみ燃焼処理プラントの主要設備を設計製造し、据付工事およびアフタサービスを提供しています。中央機工は、1995年に初めて中国の旅順と撫順に製品を発注しました。それ以来数々の製品を製作し、品質向上を計るべく駐在員事務所を1998年5月に開設。その後の製造範囲の拡大、周辺環境の要請により自社による輸出入販売業務を可能とするべく、2000年10月に大連機工機械設備有限公司を設立しました。
 弊社は、鋼材を切ったり曲げたりなどの溶接を行う製缶加工を主業務とする企業です。主な製品は大別すると4種類あります。1.溶融炉、ろ過式集塵機、除じん機などの都市ごみ燃焼処理プラント設備。2. トンネル、地下鉄、地下駐車場用の換気サイレンサーなどの工業用サイレンサー。3. 消火ポンプユニート部品、送風機部品(汎用品)。4. 製紙業界ダクト。まったく同じ製品はほとんど無く、毎回異なるものを製作しています。そのため納期は1~6カ月かかります。社員数は多くはありませんが、長年蓄積した経験に基づいた適材適所で経営しています。私は製品製作の管理と同時に、総経理として会社全体の管理を行っています。中央機工の生産技術を受け継ぎ、高品質・低コストを実現し、顧客に満足頂ける製品を供給できるよう品質の向上に日々励んでいます。


組織力強化で品質向上を実現


 中国に進出した原因は、日本国内の工場ではコストが高く受注が困難となったためです。大連は港が近くて輸送に便利な位置にある為、海上輸送と陸上輸送の組み合わせにより顧客の要望する場所に安く納品する事が出来ます。また、本社は神奈川県にある為、遠方に納品する場合は本社から出荷するよりも有利なこともあります。そして、中国の低価な生産コストを考慮して中国進出を決めました。当初は技術面では未熟なところがありましたが、日本の技術者の指導を受けながら、中国で生産し、日本本社で細かい箇所の手直しを行い、製品にして納めるという形を取りました。ですが中国の経済成長に伴って中国でのコストが上がるにつれて、そのやり方では徐々に対応できなくなりました。
 私は1998年の駐在員事務所開設当初から大連に出向し、当初は製造部にて製品製作の管理を任されました。良い悪いではなく、中国人と日本人では納期、品質、外観に対する考え方が異なります。彼らが考えていることは合理的なことも多く、もっともだと思うことも多いです。日本人は世界的にも納期、品質、外観を強く気にするため、中国人にそのまま理解してもらうことは困難です。特に弊社が扱っている製品の場合、製作に関しては職人個人の考え方に基づいて業務が進むことが多いです。そのため、職人が何を考えていてどのように進めるかを十分理解し、問題が発生しそうな箇所を事前に説明し、こちらが何を考えているかを理解してもらうように努めていますが、理解してもらえない場合も多く、相手の意見も聞いた上でルール設定をすることで対応しました。
 継続的に工場をより良くしていくためには、優れた人材&帰属意識が高い人材の確保が必要です。中国でよくある問題として、作業員の移り変わりが激しいということが挙げられます。せっかく業務を覚えても辞めてしまう為、技術や品質が安定しません。弊社創業時は日本本社の製作、技術、検査のプロが常駐し指導をしていました。現在でも定期的に日本本社の社員が大連に来て指導を行っています(コロナ禍期間中はリモートでの対応)。現在在籍している社員は日本の技術、品質を理解して製作しています。外注で製作する場合も弊社社員が通いつめ、品質の高い製品を作ることを得意としています。納期に関しても成り行きに任せる企業が多い中、弊社は納期を意識した管理を実行しています。日本向けの顧客に関しては、日本で発注するのと変わらない品質・納期を心掛け、安心して頂けるように社員一丸となって対応しています。


共同作業によるより良い製品


 20何前に初めて中国へ出向に来た際、中国は国土が広いため様々な人がいて、人によって考え方が非常に異なるという印象を頂きました。また、自分が担当する業務は完璧にこなす一方、他部署の業務に興味がない社員が多かったです。しかし、現在の社員は設立当初から在籍している為、職人も含めて過去の問題や、顧客による製品の違いを理解して製作してくれるようになり、グレーゾーンが埋まって互いに協力し合って仕事を進めていくことが多くなりました。チームワークの向上に伴い、中国側のみで直接製品を納められるようになりました。そして、当初は日本本社向けの製品のみを製作していましたが、現在は本社以外の顧客からも受注するようになり、徐々にその量は増えています。中国の得意なことである臨機応変と、日本の得意なことである確実な技術を融合して、他社での製作が困難な製品を製作することが可能です。
 日本本社向けの都市ごみ燃焼プラント用設備の製作と同時に、新規顧客開拓と新製品の開発に積極的に取り組んできました。2005年日本会社向けにガスタービン吸気サイレンサーの製作を始め、2009年からは、溶融炉、触媒反応塔、集塵機、発生ガス管などの都市ごみ及び廃棄物処理プラントの主設備を製作しました。顧客から高い評価を頂きました。2010年は製品とサービスの質の一層の向上を図る為、品質マネジメントシステムISO9001:2008を取得しました。
 近年来には中国市場の開拓にも注力するべく、自社の強みを活かして他社よりも細かく且つ臨機応変に対応出来るよう取り組んでいます。これからも長年培ってきた経験をもとに顧客のニーズや要望に応じて、高品質・低コストでオリジナルの機器を提供し、豊かな社会に貢献していきたいと考えています。


撮影当日に協力工場に出向いている社員もいたため、全員で写真を撮ることが出来ませんでしたが、スタッフが一丸となり協力し大連機工機械設備有限公司を支えてくれています。全員が製造管理のプロフェッショナルです。



PROFILE
たていし かつひと

1970年神奈川県生まれ。東海大学工学部卒業。1994年中央機工に入社後、製造部にて勤務。1998年中央機工大連事務所設立時に大連へ出向。2000年大連機工機械設備有限公司の副総経理、2011年総経理に就任。学生時代はスキーやキャンプ、ドライブ、ツーリングなどに精力的に取り組む。数年前より卓球を始め、日本人と縁のない中国の方とも打つ機会が多くなり、知り合いの輪が広がっている。


<館石さんをさらに知る>


大学サークルでのスキー


大学時代のサークルのメンバーで志賀高原にスキーに行った時の写真です。当時はスキーブームで遠方から多くのスキーヤーが訪れ、何処に行っても人だらけな為、皆でスキー場の奥のほうに行って滑りました。


大学時代のツーリング


大学時代に友達とオートバイで房総半島を一周しました。一泊二日でキャンプ道具とテントを持って出かけ、未舗装路や田舎道を走り、自然をダイレクトに感じながら気の合う仲間とワイワイする楽しさを満喫しました。


中日卓球交流試合


昨年、中日卓球交流試合に参加した時の写真。審判も赤いジャケットを着た本格的なもので、日本は4チームが参加しました。中国チームは皆強く日本チームは皆上位には行けませんでしたが、良い経験になりました。


大連機工機械設備有限公司

大連市甘井子区営城子街道
℡(0411)8669-5476

大連機工機械設備有限公司

住所 辽宁省大连市甘井子区营城子街道 MAP
電話 0411-8669-5476

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