キーマンインタビュー

欧力士(中国)投資有限公司
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欧力士(中国)投資有限公司

常務副総経理 呉 桐桐氏 2021年10月号

チャンスを的確に捉え
未知のマーケットを創り出し
新たな価値を創造し続ける


業種の枠を超え新しいビジネスモデルを創り出す


 オリックスは、1981年に中国における初のリース会社を設立して以降、日本および海外で培ってきた経験やノウハウを活用し、中国では「ファイナンス」、「オペレーション事業」及び「投資、M&A」の3分野で、幅広く事業を展開してきました。2004年、天津にレンタル会社を設立し、2005年に上海にリース会社を設立しました。そして、2009年に大連に中国本社を設立しました。中国本社の設立により、世界が注目する有望な市場である中国において、飛躍的なプレゼンスの向上を図っています。オリックス中国はこれらの経営の一元管理を行うとともに、既存のリース、レンタル事業をさらに推進し、自動車リースや航空機リースなど、多様化した金融関連サービス業務を充実させています。さらに、中国での投融資事業(金融関連、インフラ、自動車、船舶など)を本格化し、優良中国系顧客・パートナーの開拓によって事業の拡大を加速させています。
 オリックス中国は、中国社会の凄まじい変化に対し、オリックスグループの強みと連携を活かして、企業や債権への投資などを行っています。投資第1号案件として、2010年大連海昌企業発展有限公司に出資したのを皮切りに、特に成長が期待される企業への共同投資を積極的に進めてきました。香港市場に上場した大手企業が多くを占めています。例えば、中国の「水の巨人」と呼ばれたミネラルウオーター最大手「農夫山泉」、京東グループの物流企業「京東物流」、比亜迪自動車販売株式会社、奈雪の茶、藍月亮等の企業です。オリックス中国は、中国企業の得意とする分野でのビジネスノウハウを活かし、さまざまな領域での協業や新規事業の創出に努めています。


素早い意思決定と実行社会の変化に合わせた事業を構築


 オリックスには、長年の経験を活かして、日本企業と中国企業の連携をサポートすることで中国市場の開拓に成功した事例もありますし、高付加価値を創出する可能性がある中国の新しい技術やビジネスモデルを用いた事業の、日本への誘致に成功した事例もあります。日中双方の企業がお互いの強みや良い部分を学び合いながら、ビジネスチャンスを探っていく姿勢が今後ますます求められると思います。
 オリックスは2016年、中国の電子決済サービス大手Alipay社と提携し、日本全国の小売業や飲食業などのBtoC事業者に向け、電子決済サービスアリペイの提供を開始しました。沖縄「ゆいレール」、大阪府と御殿場のアウトレットなどに導入しました。オリックスは常に新しいビジネスを追求し、先進的な商品・サービスを提供しています。新たな事業機会の獲得と持続的な成長を目指すと同時に、社会に貢献して参ります。
 二つの実例を挙げますと、一つは、オリックス、東レ、中国水務の3社の協業により、東レの膜ろ過技術を中国へ導入したことです。中国では水道水を直接飲用せず、ウォーターサーバーや家庭用浄水器を利用するか、または一度加熱した水道水の飲用などの習慣があります。そこで、オリックス、東レ、中国水務の3社は、飲料水処理設備に東レの膜ろ過技術を導入し、水道から直接飲用に適した水を供給する設備を製造・販売しています。東レの優れた技術と中国水務の中国国内における水事業ノウハウやネットワークを活かし、学校や病院などの公共施設、ホテル、オフィスビル、マンションなどへ設備を導入し、直接飲用に適した水道水を供給することで、「水道の水を直に飲む」という文化を浸透させる可能性があります。
 二つ目は、オリックス中国が、2015年に「STAND BY MEドラえもん」を中国に導入したことです。2012~2014年の3年間、日本のアニメは中国の映画館で上映されていなかったのですが、そうした状況下での快挙でした。それまでの日本映画の興行収入は2,000~3,000万元が相場でしたが、「STAND BY MEドラえもん」は全ての人の予想を上回って5億3千万元という未曾有の興行成績を記録しました。そのほか、中国映画の日本への導入も行っています。例えば、中国で大ヒットを記録した「唐人街探偵 東京MISSION」は日本でも大人気でした。映画は、両国国民の相互理解を深め、誤解を解いていく点において確実に役割を果たしています。
 オリックス中国は、「金融」と「モノ」の専門性を高めながら、隣へ、そのまた隣へと多角化を進めて、業種の枠を超えて独自のビジネスモデルを構築しています。そうして新しいマーケットを創り出し、現地の経済に活力をもたらしています。


「感性」と「技術」が融合し新たな知的価値を創り出す複合施設 


 オリックス中国は2010年に大連市に進出した当初から、日本企業への投融資、金融業イノベーションなどの戦略を打ち出していました。2018年6月に、中国東方資産管理グループと大連市による一連の事業の戦略提携MOUを締結し、「欧力士中心」の共同開発の運びとなりました。オリックスの本部ビルは北東アジア地域の金融センター、日中のビジネス・カルチャーセンター、イノベーションセンターを目指す複合施設で、大連市の新たなランドマークが誕生することになります。
 この施設は大連市東港CBDに立地し、建築面積は24万6,000平方メートル、ツインタワーはそれぞれ41フロア、高さは202.08メートルとなります。延べ床面積は約22万5,000平方メートルを予定しています。このうち数フロアを自社で使い、他のフロアは賃貸として貸し出します。オリックスは「グランフロント大阪」の運営ノウハウを活かし、シェアリングエコノミー、コミュニティー、ブランディング、エンターテインメントなどを融合する「ナレッジキャピタル」を目指しています。東港CBDの経済発展の新たな原動力となることが期待されています。



「欧力士中心」の完成予想図。北東アジア地域の金融センター、日中のビジネス・カルチャーセンター、イノベーションセンターを目指す複合施設で、大連市の新たなランドマークになるでしょう。



PROFILE
WU Tongtong

1980年生まれ、国際関係学院にて日本語を専攻。卒業後に日本へ留学し、早稲田大学にて金融学MBAを取得。ソフトブレーン株式会社、及び中国市場戦略研修所にて勤務。2010年オリックスに入社。現在はオリックス集団大中華区高級副総裁、オリックス(中国)投資有限公司常務副総経理、オリックス大厦(大連)有限公司総経理を兼務。


<呉さんをさらに知る>


夢をかなえてドラえもん


映画『STAND BY ME ドラえもん 2』を中国に導入した時は感無量でした。関連したIP開発も視野に入れています。デジタル技術を通じて垣根が限りなく低くなり、ボーダレス化が進んでいるのを実感しました。


知的財産権プロジェクト会議


中日文化産業の交流および協力を促進するために、大連市人民政府のご協力をいただいて、オリックスは中日知的財産権センタープロジェクトを立ち上げました。その後「遼寧対日文化合作プロモーション」を開催した。


創造的な都市空間をつくる


中建八局董事長が「欧力士中心」の工事現場を視察した際の写真。ここは将来的には国際的な情報、人材の交流拠点となり、新たなビジネス、国際交流、賑わい、文化を生み出すことでしょう。


欧力士大厦(大連)有限公司

大連市中山区東港商務区D02-02
℡(0411)8673-8888

欧力士(中国)投資有限公司

住所 辽宁省大连市中山区东港商务区D02-02 MAP
電話 0411-8673-8888

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