キーマンインタビュー

日通国際物流(中国)有限公司  大連分公司
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日通国際物流(中国)有限公司 大連分公司

総経理 前田和彦 氏 2021年6月号

高品質の物流サービスで
人々のより良い暮らしと
持続可能社会の発展を支える


一世紀に及ぶ経験をもとに最適な物流サービスを提供


 日本通運は1937年に発足した企業で、1942年に全国の主要都市の運送業者を合併したことで現在の原形が形作られました。さらに、1950年に一般商事企業として再出発し、日本経済の復興発展と軌を一にして事業の拡大・発展に努め、今日に至っています。一世紀にわたって積上げてきたノウハウをもとに、お客様のサプライチェーン及びロジスティクスのニーズを満足させられる物流サービスを提供しています。
 お客様である日系企業様の中国進出に伴い、その物流を担うべく1992年に大連を、1994年に上海を、1995年に日通国際物流(中国)有限公司を設立しました。大連においては2017年に合弁から独資へと変更し、日通国際物流(中国)有限公司大連分公司として再出発しました。 日本通運は「グローバル市場で存在感を持つロジスティクスカンパニー」になることを長期ビジョンとし、日本国内売上高に対する海外売上高比率を50%にすることを目指しています。日本通運グループは日本を除く全世界をブロックごとに区分しており、中国を含めた東アジアブロックが海外売上高の約3割を占めています。この数字から見ても中国は非常に重要なエリアですし、日本に近く、日本のビジネスとも関係の深い中国を重要視しています。ほかにも中国とASEAN諸国を結ぶ陸路でのクロスボーダー輸送や、中国と欧州を結ぶ鉄道ルートを利用した輸送サービスを拡充し、ネットワークを拡大しています。中国のグローバル企業との取引拡大や、新興エリア・未進出市場への取組強化も進めています。


新時代に適応できる強靭体質で躍動感あふれる成長を


 日本通運はは東アジア62都市に36法人、213拠点(2021年1月時点、グループ企業含む)を展開しています。内需拡大の進む中国において、日本通運は高品質なトラック輸送網を拡充させ、電化製品・自動車部品を中心に全国にて調達物流、販売物流を展開しています。中国、香港、台湾、韓国の緊密な経済圏に物流ネットワークを構築しました。各都市を中心に現地法人を配し、輸送モードの多様化および国内・域内の物流拡充を推し進めています。
 2020年3月、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、中国国内で様々な物流の制限が設けられていたなか、国際鉄道と中国国内鉄道の連携サービスを活用したBCP対応ソリューションの提供を開始しました。中国発着の航空便の一時運休・減便及び国内トラック輸送の通行制約に対するソリューションで、旅客の影響を受けない貨物専用の中国~欧州間クロスボーダー鉄道輸送と中国国内の鉄道輸送を接続し、海上輸送よりも短いリードタイムでの輸送を提供しています。
 2020年12月には大連市でコロナ感染が拡大し、徹底的な防疫措置で一部地域が封鎖され、弊社従業員も約一割のスタッフが出社できない状況になりました。トラック輸送や大連港コンテナふ頭の物流への影響のみならず、お客様の生産活動にも影響が及びましたが、徹底的な防疫措置が継続された結果、大連市が早期にコロナに打ち勝ったことには驚きました。2020年12月、大連港コンテナふ頭が閉鎖された際には、BCP対応の代替輸送サービスとして、フェリーを利用した日本への輸送や天津港、営口港、京唐港など他港を利用した海上輸送サービスを提供しました。
 コロナの感染状況により、政府は交通機関の停止や、駅・空港の閉鎖及び移動制限などの措置を発布しています。従来、規制やルールの急な変更に対しては、弊社のネットワークを活かして情報収集し解決してきましたが、大連市で発生したコロナへの対応については、大連支店が主体的に情報を収集し発信していく必要がありました。大連日本商工会からの情報共有のほか、同業他社様を含む日系企業様と様々な情報を交換させて頂くことで何とか困難を乗り越えられました。大連に進出している日系企業様との繋がりは、良い意味でほかの中国都市でのものとは異なる横の強い繋がりを感じます。


東アジアNo.1フォワーダーへの挑戦


 現在、世界ではインターネットの普及などにより、ヒト・モノ・カネの動きがよりフラットになることで、以前よりもさらに国際物流ビジネスに注目が集まっています。日本通運は日本・米国・欧州・アジア・オセアニア間を高速デジタル社内専用回線で統合し、国内外問わずグローバルネットワークで繋ぎ、複合輸送、海外引越およびカーゴトレース等のデータをスピーディに受け渡し、貨物輸送を行うことができます。最新鋭の設備を駆使して、自社一貫オペレーションでのハイスピード&ハイクオリティなサービスを実現しています。
 今年4月からは、大阪と大連を結ぶ高速船輸送サービス「大連特快」を開始しました。「大連特快」は大阪港~韓国・釜山港間、ならびに韓国・仁川港~中国大連港間をフェリー輸送、韓国国内の釜山港~仁川港間をトラックで輸送する複合一貫輸送サービスです。2つのフェリー航路と韓国国内のトラック輸送をスムーズに繋げることで、コンテナ船に比べて1日~3日のリードタイム短縮を実現しました。スピードと安定性、及び大量輸送が可能な点について高い評価を頂いています。今後は、グローバル企業にも利用してもらえるよう輸出入サービスの利便性の向上を図るとともに、混載商品の開発等、サービスの拡充を進めていきます。  
 弊社は、今後も多様化するお客様の物流ニーズにお応えし、本社が企業理念として掲げる「物流から新たな価値を創る」ことを目指します。弊社東アジアブロックの目標として「東アジアNo.1フォワーダーへの挑戦」を掲げており、大連支店も取り組んでいます。モビリティ、医薬品、半導体、電機電子、アパレルを重点5産業とし、産業別に特化した取組を強化しております。そして、お客様のサプライチェーン変化(調達先の近接化、台湾回帰、地産地消など)にも対応していく予定です。



北京、天津、大連、瀋陽、長春、青島、煙台、西安の事務所を弊社華北地区とし、定期的に会議、及び懇親会を実施。『新時代に適応できる強靭体質で、躍動感あふれる成長を』を共通の目標として取り組んでいます。



PROFILE
まえだ かずひこ

1969年生まれ、東京都出身。神田外語大学外国語学部卒業。1992年日本通運株式会社に入社し、海運事業部門に配属。1998年~1999年、2001年~2002年上海駐在、2011年~2014年香港駐在、2014年~2017年深セン駐在を経て、2020年より大連にて勤務。


<前田さんをさらに知る>


学生時代にアジア横断旅行


中国やアジアの国々をメインに旅をしていました。日本から船で天津港⇒内モンゴル⇒新疆ウイグル自治区⇒パキスタン⇒インド⇒イラン(写真)⇒トルコのイスタンブールまで全て陸路で渡りアジアを横断しました。


テニス試合で優勝


タイ、シンガポール、インド、マレーシア,ベトナム、インドネシア、中国で働く日本人によるテニス団体戦に中国チームのメンバーとして参加しました。2015年3位、2016年2位、2017年優勝し、いい歳の大人たちが泣きました。


子は育ち、親も育つ


上海と香港駐在時は家族帯同でした。父親が居なくても子は育ち、小さかった娘が今年大学を卒業し社会人に。某新聞社の写真記者になり、娘が撮影した写真が初めて紙面に掲載された際は感慨深かったです。


日通国際物流(中国)有限公司 大連分公司

保税区黄海西四路201号 国際商務大厦703-705室
℡(0411)8793-7356

日通国際物流(中国)有限公司 大連分公司

住所 辽宁省大连市保税区黄海西四路201号 国际商务大厦703-705室 MAP
電話 0411-8793-7356

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