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台風・豪雨警報時の出退勤について

 従業員を雇用する上での最優先事項は「従業員の安全確保」です。今号では悪天候時の勤務について注意すべきポイントをご説明します。


 通常香港では6月から台風・豪雨のシーズンとなるため、毎年この時期は同様のトピックをご案内しています。

 

 2014年は6~9月に台風警報が10回(8号警報1回、残りは3号以下)発令されました。2012年(23回)・2013年(20回)と比べると、台風による従業員の就業や出退勤への影響は比較的少なかった年と言えます。
 

 今年もシーズンの到来に備え、悪天候時の就業・出退勤のアレンジを今一度見直し、事前に明確にしておくことをお勧めいたします。また、会社として最大限従業員の安全に配慮し、かつ、配慮している姿勢をきっちり見せること、また、自分のことは自分で守るという自己責任を従業員と再確認し促すことが重要だと考えます。


警報発令時の出退勤ガイドライン

 悪天候時の出退勤にまつわる法律上の規定はありません。一方、労工処が警報発令時の対応についてガイドラインを作成・配布しています。ただし、あくまでガイドラインですので法的な強制力はありませんが、一般的には本ガイドラインに沿った規定の設定および運用を行っている企業が多いといえます。

〈労工処ガイドライン:台風8号以上・黒色豪雨警報発令時〉

・始業時刻前に警報予告あるいは警報が発令されたら出社義務は免除

・終業時刻3時間以上前に解除あるいは警報レベルが下がったら2時間以内に出社

・就業時間中に、
⑴台風シグナル8号の警報予告が発令されたら:段階的に帰宅させる
⑵台風シグナル8号以上の警報が発令されたら:帰宅させる
⑶豪雨警報が発令されたら:就業場所あるいは安全な場所で待機させる

・就業を免除した期間の賃金については控除しない


警報発令時に就業させる場合の取り扱い

 一方、店舗など一部従業員は悪天候時にも就業するケースがあります。このような場合、会社として次の2点をあらかじめ準備しておくことが肝要です。

⑴一部従業員については就業することがある旨「台風規定」および「豪雨規定」で規定しておくか、該当者に説明しておくこと

⑵就業時の待遇を決定しておくこと

 

 特に就業時の待遇としては、有給で休業できる従業員との公平感から割増賃金や手当の支給を検討すること、本人の安全確保の面から交通費(タクシーなど)・宿泊費(万が一帰宅できなくなった場合)の負担などを検討してもよいでしょう。なお、事前準備として社内の指示系統や連絡網を明確にしておくだけでなく、お客様対応をマニュアル化しておくことも業務上の混乱を避ける上で重要となります。


労災保険

 香港では、出退勤途上の事故は「労災適用なし」が原則ですが、台風シグナル8号以上、赤色あるいは黒色豪雨警報発令時に就業を命じられた際の出退勤途中で従業員が事故に遭った場合、労災保険が適用されます(ただし、通常の就業時間開始前あるいは終了後4時間以内に起こった事故が対象)。


 その他、休校により学校へ子供を迎えにいかなければならない従業員や、離島に住む従業員などに対する帰宅時間への配慮なども必要です。規定が不明確である・都度ルールが変わるなどによる思わぬ事故や感情面でのトラブルを避けるため、規定や判断の根拠を明確にしておくことが肝要です。

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住所 Unit 713, 7/F, Miramar Tower, 132 Nathan Rd, TST MAP
電話 2833-0192

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