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vol180:固定資産の加速減価償却の緩和措置


 税務上の固定資産の減価償却基準を緩和する新規定が公布されました。設備投資を予定している企業にとっては朗報となります。

新規定


 国務院は固定資産の加速減価償却の改善に関する政策方案を可決し、当該方案の要求に基づき、国家税務総局は、「固定資産の加速減価償却に係る企業所得税政策の改善に関する通知」(財税[2014]75号)(以下「通知」と略称)および「固定資産の加速減価償却の税収政策に関する問題の告知」(国家税務総局公告2014年第64号)(以下「告知」と略称)を相次いで公布しました。当該通知および告知は14年1月1日から遡及して適用されます。
 通知および告知では、今回の調整は6種企業に適用され、14年1月1日以降に新規購入(あるいは自社製造)された固定資産は、減価償却年数の短縮あるいは加速減価償却方法を採用できると規定しています。14年1月1日以降に購入(あるいは自社製造)した単価100万元未満の研究開発機器、設備は一括費用化することができ、企業所得税法上、損金算入が可能です。単価100万元を越える機器、設備に関しては減価償却期間の短縮あるいは加速減価償却方法を採用することができます。また、5000元未満の固定資産は業種の如何を問わず一括費用化することができます。
 6種企業とは国家統計局の「国民経済業種分類番号(GB/4754-2011)」で分類するところの、①生物薬品製造業、②専用設備製造業、③鉄道・船舶・宇宙航空その他輸送設備製造業、④計算機・通信その他電子設備製造業、⑤計測機器製造業、⑥情報伝達・ソフトウエアおよび情報技術サービス業となります。短縮償却では企業所得税法に定める最低償却年数の60%まで期間短縮して償却計算できます。加速償却は「二倍定額法」(定額法に基づく償却率を倍にし、未償却残高に乗じて毎年の償却額を計算する方法)と「年次級数法」(償却費を算術級数的に毎期低減させる、定率法の簡便法)の2通りから選択します。


注意点


 固定資産の加速減価償却を採用するにあたり、以下の点に注意する必要があります。
 (1)新規に購入(製造)された固定資産の期間の定義
 国家税務総局は固定資産の加速減価償却の政策に関していくつかの問題に回答しています。例えば、新規に購入された固定資産の「新規」の期間の概念として、購入された固定資産は新品であることはもちろんのこと、14年以降に購入または自社製造により取得した固定資産に適用されるとしています。設備の据付と発票の発行日が異なる場合は、発票の発行日を基準とします。割賦支払あるいは掛買方式で設備を購入した場合は、設備の到着日を基準とします。自社製造の設備では建設仮勘定から固定資産への振替を行なった時、あるいは竣工日を基準とします。
 (2)会計/税務の減価償却の時間差異
 固定資産の加速減価償却は「課税所得額」、つまり税務上の利益に直接影響を与えることになり、会計上の利益には影響を与えません。会計上の減価償却は固定資産の現行の耐用年数に基づき減価償却を行います。従って、税務上と会計上の減価償却方法に差異が発生することになり、貸借対照表上は税務上の影響により、繰延税金負債を計上することになります。当該規定は景気浮揚策としての設備投資の促進を狙った数年の時限措置とも考えられるため、設備投資を予定する企業においては、早めの投資確定が望ましいと言えます。



上海衆逸企業管理諮詢有限公司  コンサルタント

謝 婧姝

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