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vol174:契約締結の税務リスク

契約書の締結において、外部の税務専門家による契約内容の確認、その条項あるいは解釈に対する潜在的な税務リスクの有無の確認が疎かにされがちです。


税務リスクの高い契約書


契約書の起草段階で税務リスクの可能性を考慮していないと、徴税機関(税務局/税関)から追徴を指摘された時に想定外の税務負担を負うことになります。
通常の業務において、売買契約以外で税務上のリスクが発生しやすい契約には、技術(特許)および商標使用契約書、コミッション契約書、管理費、I  Tサービス等の契約書などが挙げられます。


ケース解説


次が、実務上よく見かける技術/商標使用料の支払に関する契約書がその内容によって税務上のリスクを高める可能性のある3つの典型的なケースです。本稿では特に上述のケース2を解説します。ケース2では中国現法が親会社から原材料を輸入しており、契約では、「乙(中国現法)は甲(親会社)から原材料を輸入し、原材料に関係する技術の使用に関する対価等の具体的な内容は、本契約の別紙にて詳細に約定することに双方が同意する」などと記述しています。税関の調査では、中国現法の輸入する原材料と技術の使用が密接不可分の関係にあると判断され、税関総署の規定する輸入価格の計算根拠税(関価格協議)に基づき技術使用料を輸入価格に加算しなければならず、使用料に対する関税および増値税の納付が求められます。


税務リスクのまとめ


上述の3つの取引方式における徴税機関の考え方は以下の通りとなります。ケース① : (税務局は)グループ内部への販売の際には技術の対価は支払うべきでないと考える。(税務局は)赤字会社が技術対価を負担することは価値のない技術に対する過度の支払であると考える。ケース② : (税関は)技術使用料を原材料の輸入価格に含めるべきだと考える。(税務局は)技術使用料の計算の対象となる取引高が第三者取引に限定されているかに注目する。ケース③ : (税関は)商品を輸入して直接販売する場合は、商標使用料の対価を輸入価格に含めるべきだと考える。(税務局は)商標が商品に印刷されているか否か、中国で登録されているかに注目する。

上述のケースを鑑みると、徴税機関は契約書の約定を根拠として技術および商標に対する課税を要求します。従って、契約書を締結する際は、法律的な合法性の確認に加え、外部の税務専門家の意見を取り入れ、事前に税務リスクを評価し、回避することが求められます。

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