キーマンインタビュー

大宇宙設計開発(大連)有限公司
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大宇宙設計開発(大連)有限公司

董事総経理 李永軍氏 2019年12月号

住宅設計コストの最適化と
デジタルBPO事業で
高付加価値のサービスを


住宅設計サービスを提供するオフショア拠点として


 大宇宙設計開発(大連)有限公司は、日本のトランスコスモス株式会社の全資子会社として2006年に大連ソフトウェアパークで設立されました。当初はコアメンバーの技術者を半年間日本の親会社に派遣して技術研修を実施、その後大連に戻ってスタートアップしました。当初の従業員は7名の少数精鋭でしたが、3年目で100名に、そして今では400名を超える規模まで拡大しました。
 親会社のトランスコスモスは、アウトソーシングサービスを提供する企業として、世界各国に事務所を構えています。特に東南アジアや中国・韓国には拠点が集中しており、なかでも中国国内においては18の都市に6000名を超える従業員を抱えています。これらの拠点の中で、当社が主に手掛けている住宅設計関連の業務を行っているのはここ大連と、当社の子会社である大慶大宇宙設計開発有限公司の2カ所のみです。お客様から冗談で言われることもあるのですが、寒いエリアは技術に強いのかもしれません。
 大連は東北三省の中でも魅力ある街です。大学の数が多く、理系の人材や日本語人材に恵まれていますし、両方の特徴を備えた人材もたくさんいます。一方、大慶には2013年に進出しました。大慶は黒龍江省のハルビンから近く、非常に若い街です。大慶師範学院を始め大学も多く、日本語人材が豊富です。また石油の街として発展した歴史があり、インフラ関係の投資が出やすかったことも、進出の決め手となりました。


住宅設計からビル設計カーテンウォールまで幅広く


 当社は主に、日本の大手住宅メーカー向け設計支援サービスを提供しています。一戸建ての設備設計であれば、建物全体の形態や間取りなどのデザインを伝える意匠図の作成から、プレゼンテーションの資料作成、詳細設計、特注部品の加工図面の作成、竣工後の竣工資料の作成まで、そのプロセスは多岐にわたります。また設備設計では、住宅の中で使用される洗面台やユニットバス、キッチンなど各設備に対する見積作成や、収まり図面の作成などを行っています。ビル設計では、外壁のカーテンウォール関連の設計もしています。近年ではBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)と呼ばれる、建物の3Dモデリングデータに管理情報などの属性データを付加したデータベースを活用することで、施工から維持管理までのあらゆる工程で情報共有ができるようになりました。BIMは今後の建築業界で主力となるソリューションですので、これからも力を入れていきます。このほか住宅関連以外にも、一部商業サービスを展開しています。これはいわゆる狭義のBPOサービスで、人事、経理、総務関連のサポート部門を当センターで請け負っています。そして私達はこのような幅広い業務を同時に抱える中で、業務量に応じて適宜スタッフを割り振りながら、安定的な運用を図っています。
 クライアントは日本の住宅業界のお客さまと、設備・建材メーカーが中心です。従来は日本向けがほとんどでしたが、2017年より中国国内での業務をスタートしました。店舗設計や外構分野で実績を取っています。なお今後は、中国における建築業界の発展政策や指針にあわせて、プレハブ住宅や介護設備分野の設計にも取り組みたいと考えています。特にこれから中国は高齢化が進み、現場で働く労働者の人口が減少すると言われています。このような背景の下、工場で製作できるものは工場で生産し、現場で組み立てるプレハブ工法は、施工時間の短縮と効率向上という面でも時勢に適ったものと言えます。内装関連の設計やカーテンウォールは当社の得意分野です。中でもカーテンウォールは私自身が長く携わっていた業界ですので、現場の経験を活かせるというのはあります。


培ってきたノウハウをもとに高付加価値のサービスにチャレンジ


 私達が目指すものは、コストの最適化です。トランスコスモスでは、コストの最適化に向けた3つのフェーズを定義しています。1つ目は「最適化」です。お客さまの業務プロセスを分析・改善して、こういうプロセスはいらないのではないか、前段階でこういった資料を作成すれば、1234のプロセスのうち、3の中間プロセスは要らなくなるのではないか、といった検討を行います。業務の仕分けを行った上で共通部分の最大化をはかり、新たな運用プロセスを構築する段階です。2つ目は「自動化」です。判断基準を明確化した上で規則性を見出し、業務プロセスの最適化を行います。そのためにはRPAやAIの活用など、デジタル技術の導入が欠かせません。3つ目は「共通化」で、各社のさまざまな類似業務をまとめ、プラットフォーム化することで、汎用的な運用が可能となります。このように共通化された一連の業務を大連に集約して展開していくことで、さらなるレベルアップと規模拡大に取り組んでいきたいと考えています。これはグループとしての目標でもあります。
 また現地の課題としては、人材育成に力を入れています。安定した運用を継続していくためには、人材の育成が必須です。大連は多くの理系人材、日本語人材に恵まれており、理系で日本語のできる人材も揃っていますが、まだ充分ではありません。そのため当社では、日本語の教育に力を入れています。現在当社の社員の95%は日本語対応が可能です。今後は一部の業務に関して、理系のセンスがある文系の日本語人材を登用することも検討しています。
 当社は2006年の設立から14年目を迎えました。これまで住宅設計分野で積み重ねた経験を活かし、また親会社であるトランスコスモスが培ってきた業務ノウハウを活かしながら、業務の安定的な運用と既存業務の継続拡大に尽力して参ります。そして将来はデジタルBPOの活用やBIM事業の強化などを通じて、より高難易度、高付加価値のサービス提供を目指したいと考えています。



本社のエントランスフロアにて、設計業界に携わって十数年の豊富な経験を持つ管理チームと共に。会社の将来を担う期待の星です。さらなるレベルアップと規模拡大に取り組んでいきます。



今年の社内新年会のステージでの一幕です。李氏(中央)をはじめ管理チームのメンバーが華やかなステージに登壇。歌を披露しました。


PROFILE
り よんじゅん

1970年黒龍江省出身。大連理工大学卒業後、大連高連幕墻有限公司(中国)に入社。その後親会社の高橋カーテンウォール工業株式会社で9年勤務。デル大連の部門マネージャーを経て、2006年1月より大宇宙設計開発(大連)有限公司 総経理に就任、現在は董事総経理。趣味はバドミントン、ゴルフ。


<李さんをさらに知る>


会社主催のサッカー大会にて


今年で4回目の開催となる会社主催のサッカー大会。開幕式でサッカーボールを片手に撮影。トランスコスモス(大宇宙)にちなみ、タイトルは「宇宙杯」。


新年会でのダンス練習風景


会社の新年会で披露するダンスを練習中。パイソン柄のセットアップにヒョウ柄マフラーで決めポーズ。♪ペンパイナッポーアッポーペン♪


社員運動大会での一幕


社内対抗による綱引きの様子。綱を引くメンバーも、応援するメンバーも全力です。綱引きのほか男子100メートルや7人8足など、さまざまな種目を実施しました。


大宇宙設計開発(大連)有限公司
高新園区匯賢園1号 騰飛軟件園1期808
℡(0411)8473-6380


大宇宙設計開発(大連)有限公司

住所 辽宁省大连市高新园区汇贤园1号 腾飞软件园1期808
電話 0411-8473-6380

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