キーマンインタビュー

在瀋陽日本国総領事館在大連領事事務所
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在瀋陽日本国総領事館在大連領事事務所

  • エリア:青泥窪橋・森茂大厦

所長 浜田 伸子氏 2024年5月号

若い頃からの中国との縁を
大連で更に深めていき

日中友好と相互交流に尽力


日中国交正常化20周年の年から
中国と繋がる縁は今まで続く

私の中国とのご縁の始まりは、高校生の時に進路選択をしていた1987年にまで遡ります。改革開放政策が始まった当時の中国では、今後多くの機会があるとのアドバイスを周囲の方々から受け、大学では中国語を専攻しました。また、卒業後の進路として外務省へ入省する決心をしたことも、今から振り返ると結果的に、中国とのご縁に繋がりました。1991年に外務省に入省し、翌年の1992年、即ち日中国交正常化20周年節目の年から、天津南開大学に2年間留学させていただきました。
 当時の中国は、改革開放を推進しており、まさに経済が発展していく中で努力されている中国人の力強い姿を見ることができました。実は大連市に来るのは、今回が初めてではなく、プライベートと仕事で訪問したことがあります。プライベートでは、南開大学留学中の休暇を利用し、当時クラスメートに大連人の友人がいたこともあり、大連を訪問しました。私は和歌山県出身で、大連の街の雰囲気が和歌山とどことなく似ており、海鮮も美味しかったのを覚えています。また、当時は今のように高速道路や高速鉄道は普及しておらず、「緑皮車(鈍行列車)」を利用して中国各地を旅行しました。列車の移動中に中国の方と心温まる交流を重ねられたのも懐かしい思い出です。また、インターネットも発達していない時代ですので、自分の足で動き、自分の話す中国語でのコミュニケーションでしたが、中国の国土の広さと少数民族等の文化の多様さを体感することができました。
 仕事での大連訪問は、1997年に橋本龍太郎総理の中国訪問に同行した時です。橋本総理は北京で日中首脳会談を行った他、更に遼寧省(瀋陽及び大連)を訪問しました。私は随行という立場でしたが、外交の舞台における大連を知り、深く印象に残っています。当時はまさか、大連領事事務所長として勤務する機会をいただけるとは思っていませんでしたが、こうして振り返ると、様々な場面で大連との縁を結んでこられたのだと感じます。
 その後、結婚を経て東京での勤務や子育てに忙殺されたため中国とのご縁は遠ざかっていましたが、この度、約28年ぶりに中国に再着任し、若い頃からご縁のある中国で勤務できることを大変嬉しく思っています。これまでの縁を紡ぎ、日中交流を促進させる決意で、日々奮闘していきます。この28年間、中国経済は飛躍的に発展していますので、今の中国を知るためには、やはり、自分の目で確かめる必要があると思います。これからまた、中国を自分の足で歩き、自分の目で見て、今の中国を知る、そして、日本と中国の交流のために何ができるかを考えていきたいです。

在大連日系企業のビジネス支援と
日中文化交流事業の促進に尽力する

当事務所は、在瀋陽日本国総領事館の在大連領事事務所です。当事務所の主要な業務は邦人援護と日系企業の支援です。大連に着任してからまだ日が浅いため、大連の状況等は勉強中ですが、この1カ月間、日系企業への訪問や大連日本商工会イベントへの参加、また、大連市政府との対話や大連市民間友好団体・人士との交流等を通じて、大連と日本の繋がりの深さをより一層感じています。中国東北3省に駐在する日系企業の80%が大連に所在し、東北3省に居住する在留邦人の4分の3が大連市に居住されているなど、大変多くの方々が経済貿易・人文交流等各種分野において深い関係を築いておられると理解しています。
 また、大連では毎年5月に大連アカシア祭り、アカシアウォーキング大会が開催されると聞いています。私自身、休日には大連市内を散策し、風景を楽しんだり、歴史ある建築物等を鑑賞することが好きなので、ウォーキング大会で大連市の皆様と歩きながら交流できることを楽しみにしています。 その他、例年9月には大連日本商品展が行われていると伺っており、今年も実施予定と聞いています。本年2月には陳紹旺大連市長が経済友好代表団を率いて訪日していますが、大連日本商品展等のプラットフォームも活用しながら、日本と大連間の経済貿易分野での交流が活発に行われることを期待しています。
 さらに、大連には、市長が出席する在大連日系企業のビジネス環境や日中交流の深化について議論するプラットフォームである「大連日中アカシア懇談会」があります。日系企業が直接大連市の幹部に要望を伝えることができる重要な場と聞いていますので、双方にとって有意義な意見交換の場となるよう支援させていただきたいと考えています。

大連から日中友好交流を発信
日中関係を支える活動を積極的に支援

大連市には現在約1700社の企業が進出しており、製造業をはじめIT・BPOなど業種の分野は多岐にわたります。優秀な日本語人材が多く、投資環境も良いため、新たなビジネスを生み出そうとされている日系企業もあると聞いています。当事務所としても日系企業の皆様と綿密に連携を取り、公平・公正且つ安定的なビジネス環境の構築に寄与できるよう、大連市政府とも交流していきたいと思います。日中関係を支える重要な要素の一つが、両国の人と人、地方と地方の絆だと考えています。昨年11月、米国サンフランシスコで日中首脳会談が行われ、岸田文雄内閣総理大臣と習近平国家主席は「戦略的互恵関係」を包括的に推進すること、日中関係の新たな時代を切り開くべく、「建設的かつ安定的な日中関係」の構築につき一致し、「様々な分野において、国民交流を一層拡大していくこと」でも共通認識を得ています。本年は大連市と北九州市の友好都市締結45周年でもあります。こうした記念すべき時機を捉え、地方間交流、民間交流も活発に行われることを期待しています。その他、大連には青森県、岩手県、宮城県、神奈川県、新潟県、富山県、北九州市の自治体事務所が設けられていますので、各自治体との交流がさらに促進されるよう尽力したいと思っています。

本年3月に当事務所主催の「日中漫画講演会」を実施しました。大連市出身の左手韓氏を講師に招き、120名を超える方々にご参加いただきました。今後も文化交流事業を実施しますので、その際は皆さまもぜひお越しください。


プロフィール

はまだ のぶこ

1968年生まれ、和歌山県出身。大阪外国語大学で中国語を専攻。1991年外務省入省。1992年天津南開大学に留学。1994年在中国日本国大使館。1996年外務省アジア局中国課。2005年在ニューヨーク日本国総領事館。その後外務省領事局等での勤務を経て、2024年から在瀋陽日本国総領事館在大連領事事務所所長に着任。


浜田さんをさらに知る

ランニング


ランニングが大好きな運動の一つです。東京にいた頃は皇居周辺での練習会に参加するなど、休日は楽しく走っていました。大連に来てから、週末は公園や、濱海路などでも走っています。

いけばな


仕事と子育ての両立の中で、三男出産後に、唯一の自分の時間だった昼休みに生け花を始めました。お花を触っているとゆったりとした気持ちとなり、気分をリフレッシュできます。

交易広場の開幕式に参加


当事務所への着任後、初のイベントとして大連交易広場の開所式に参加し、挨拶しました。大連で活動されている日系企業の皆様を理解するべく、企業訪問も積極的に実施しています。

在瀋陽日本国総領事館 在大連領事事務所
西崗区中山路147号申貿大厦3階
℡(0411)8370-4077

在瀋陽日本国総領事館在大連領事事務所

住所 辽宁省大连市西岗区中山路147号申贸大厦3楼 MAP
電話 0411-8370-4077

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