キーマンインタビュー

冨鮨/でん
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冨鮨/でん

責任者 大柄根 毅 氏

日本で培った寿司職人魂
大連で後世に繋ぐために


江戸前寿司と押し寿司の魅力


 鹿児島県で生まれ、10歳のときに東京に移りました。大柄根という姓は鹿児島の地名から来ているそうです。
 東京では江戸前寿司店、その後割烹料理店に勤務しました。当時押し寿司を出すこともあったのですが、それを教わった経験がありませんでした。私のような江戸前の寿司職人にとって、押し寿司は意味もわからず作っているようなもので、ただぎゅうぎゅうに押しているだけ(笑)。中でも切り方には技術が必要。シャリ=飯粒を切るというのは結構難しく、スパッと切れていなければならない、これはもう職人技です。
 そのように試行錯誤していた頃に、大阪の押し寿司の老舗で、江戸時代に創業し365年の歴史がある「すし萬」から、うちで働かないかとお話をいただきました。押し寿司を本格的に学ぶいい機会だと考え、そこで腕を磨くことになりました。
 魚の仕込み方やシャリの作り方は、東京の江戸前寿司と大阪の押し寿司で異なります。江戸前はシャリが小さめで、さまざまな種類のネタの旨みを楽しめます。一方押し寿司は仕込みの段階でネタに味をつけ、多めのシャリと共に味わいます。だからシャリはおいしくなければ駄目。冨鮨では、このような江戸前寿司と大阪の押し寿司の両方をお客様に提供しています。


お客様とのコミュニケーションを大切に


 大連に行くきっかけは、すし萬時代のお客様から、大連で寿司店を開くので来ないかとお誘いがあったことでした。当時すし萬の横浜店を任されることになったため、しばらくの間は無理ですとお断りしていました。結果的に、お誘いを受けてから決意するまでに7~8年かかりました。
 大連に来たのは今年の1月初旬、冨鮨オープンの半月前です。それからは拠点を大連に移し、冨鮨の料理長として日々板場に立っています。大連の人にも日本らしいお寿司を食べてもらいたい。日本に行かなくても、ここ冨鮨で本格的なお寿司を味わえる。そういうお店を目指しています。
 大連での日本人の寿司職人は珍しく、現地の方はもちろん日本人のお客様も多数いらっしゃいます。カウンター越しのお客様との会話も重要な仕事のひとつ。私は聞き役に徹することが多く、そういうコミュニケーションのとり方が大切だと思っています。でも30代前半の頃はよくわからなくて自分の話に持っていくことが多かったですね(笑)。
 最後に私には中国人の弟子がいます。いずれ彼にも日本の寿司たるものとその技を伝えたいと思っています。後継者の育成も今後の課題です。私が先頭に立ってお寿司を握るのは50過ぎまで、その頃には李さんが上に立って店を切り盛りして欲しい。現在彼には系列店の「でん」を任せており、今はそちらの仕事で忙しくしています。そのような中でも、新しい料理を創作する時や何かを始める時、彼は私にしっかり相談してくれます。こうやってお互いの信頼の下で我々の店が成り立っています。
 これからの季節はサバの押し寿司がおすすめです。秋の味わいを冨鮨でご堪能いただければ幸いです。



期待の星でもある弟子の李科さん(左)と一緒に、系列店「でん 日本のしゃぶしゃぶ」の前で。


PROFILE

おおがらね  つよし

1975年生まれ、鹿児島県出身、東京都育ち。東京の江戸前寿司店、割烹料理店を経て、32歳で「すし萬」に入社。その後「すし萬 横浜店」の料理長兼店長に就任。2018年1月に大連へ渡る。現在は「冨鮨」の料理長と「でん 日本のしゃぶしゃぶ」の監修を務める。


冨鮨

中山区人民路43号新世界名店坊3階

℡ 0411-8807-8611

冨鮨/でん

住所 辽宁省大连市中山区人民路43号新世界名店坊3楼 MAP
電話 0411-8807-8611

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