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現地化とその意義・プロセスについて

今号から三回にわたり、現地化の意義、そのプロセスについて、説明します。

現地化による効果(ダウンサイド)


 現地化(ローカライゼーション)を目標とする企業は、多いのではないでしょうか。今号から三回にわたり、現地化の意義やプロセス、日本式人材マネジメントの適用の可否について、弊社の考えを述べます。

会社により、現地化の定義は様々です。ここでは、やや曖昧さは残りますが、ローカル人材により、海外拠点が運営できる状態を創り出すことを現地化とします。

「現地化のメリットは何ですか」と問われると、物価の高い香港の土地柄なのか、第一に上げられるメリットは「コストダウン」であることが多いのが実態です。ローカル人材による事業運営が可能になれば、駐在員数の削減が図れ、その分コストが浮きます。しかしながら、メリットはダウンサイド、つまりコストダウンのみではありません。

現地化による効果(アップサイド)

 中長期的な視点では、別のアップサイドの側面が二つ見えてきます。

市場における競争力強化

 まず一点目に、戦略、人材双方で「市場における競争力強化」が挙げられます。戦略面では、ローカル市場をターゲットとする場合、市場に通じているのは当然ながらローカル人材です。彼らからよりプロアクティブな動きを引き出す仕組みが求められることは論を俟ちません。また人材面では、キャリアパスに天井を設けずクリアにすることで、ローカル人材のモチベートが期待されます。当然ながら、流動性の高い人材マーケット下で有能な人材の退職を防ぐのは困難です。しかしながら、この企業だからこそ成長ができたと考えつつ去るのであれば、長い目で見れば、優秀な人材を維持できる可能性は高まります。
人材面でのメリットは人材獲得競争力の向上に尽きません。戦略次第ですが、決められたオペレーションの効率化を目指す組織であれば、スピード感が求められ、意思決定はローカル社員で行われることが最適でしょう。一方で、変化の激しい時代、企業は意思決定のスピード感、創造性の双方を問われています。現地化を進めることにより、駐在員だけでなく、ローカル人材が経営中枢の意思決定に携われば、建設的に意見を戦わせた上で、意思決定を行えます。お互いに背景の異なる人材が協力的に一つのゴールを目指してなされた意思決定は、均質な人材によってなされたものに比べ、より創造的であることが期待できます。よりスピードの求められる状況下ではローカル人材に意思決定を任せ、より創造性が求められる状況下では多様な人材が介入して意思決定を行うというように、意思決定スタイルを使い分けることも可能になります。

グローバルでの最適な人材配置

 現地化の二点目の効果として、「グローバルでの最適な人材配置」が挙げられます。ローカル人材から将来的にグループ経営を担いうるような人材を輩出することも期待できます。むしろ、IMDの世界ランキングで「国際経験の多様さ」の点で世界トップクラスの香港人から、グローバルに経営判断のできる人材を輩出することは現実的です。今後、企業は、事業ポートフォリオの適切な組換え等、国境をまたぐ、複雑で明確解のない経営課題に日々直面し、意思決定を迫られます。海外現法の社員に、選抜候補者のプールを広げることで、そういった問題解決に応えうる人材を選抜できる実現性は高まります。現地化は、企業の経営陣の強化にも寄与するものです。

次回のこの項では、現地化を進める具体的なプロセスをご紹介したいと思います。




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