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非居住者金融口座情報の 自動情報交換制度②
前月号で非居住者金融口座情報の自動情報交換制度について解説いたしました。皆様の関心が高かったため、今月号でも引き続きこの制度について解説いたします。
概要
OECDが公表した「共通報告基準(CRS:Common Reporting Standard)」に基づき金融機関は、非居住者の金融口座情報を税務当局に報告し、税務当局は、これを各国の税務当局間で情報交換する制度が始まります。税務当局への報告義務を負う金融機関、報告対象口座、報告対象情報については、前月号で解説いたしました。では、日本での具体的な口座情報の収集は、どのようになるのでしょうか。
口座情報収集
日本において平成29年1月1日以後に銀行や証券会社等(報告金融機関)を通じて預貯金の預入等を内容とする取引(特定取引)を新規に行う者は、氏名・住所・居住地国・外国の納税番号等の必要事項を記載して、新規届出書を報告金融機関に提出する必要があります。この場合、マイナンバーの記載は不要となります。この新規届出書は、日本の国税庁が非居住者の金融口座情報を収集するために提出するものですが、日本の居住者についてもこれを提出する必要があります。ただし、日本の居住者が届出書に記載した情報や口座情報については、国税庁に報告されることはなく、金融機関に留置きされます。一方、平成28年12月31日以前に報告金融機関に口座開設等をしている既存口座については、居住地国に変更があった場合には異動届出書を提出し、また、金融機関からの要請があった場合には任意届出書の提出が必要となります(図1参照)。
富裕層
富裕層については、平成26年1月施行の「国外財産調書」、平成27年7月施行の「国外転出をする場合の譲渡所得等の特例」、平成28年1月施行の「財産債務調書」、さらに、今回の自動情報交換制度により富裕層に対する課税環境は整いつつあります。また、平成26年7月からは東京、大阪、名古屋の各国税局内に富裕層向けのプロジェクトチームが設置されており、日本の税務当局は、富裕層に関する情報収集や調査事案の企画に着手しています。
今後の動向
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