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相続⑰ 相続の仕組みが変わる?

 日本では、相続税は多くの人にとって身近な税金になっています。さらに、相続については、税金にとどまらず、家族の相続分の見直しや介護に携わった人の権利拡大が考慮される見込みです。

 今月号では、現在検討されている諸制度の見直しについて解説いたします。


配偶者の取り分が増える?


 日本では、法務大臣の諮問機関である法制審議会が相続に関する民法改正試案を取りまとめました。その中に配偶者の権利拡充に関する事項があります。
現在は、被相続人(亡くなられた方)が夫で配偶者と子供1人が相続人の場合、相続の割合は、配偶者2分の1、子供2分の1、つまり、「1対1」です。これについて試案では、婚姻後一定期間(20~30年)を経過していれば、配偶者と子供の相続割合を「2対1」とする内容が盛り込まれています。

 また、相続人が亡夫の妻と亡夫の兄弟1人の場合には、相続割合を現在の「3対1」から「4対1」にする案も盛り込まれています。これらは、長年連れ添った配偶者の権利拡充を図るための試案です。


介護者の権利拡大?


 例えば、長男の妻が長男の親を介護している場合、現在では、その親が亡くなっても、長男の妻は被相続人である親の財産を相続できる権利を有していません。
今後は、これを相続人である長男に対して妻が金銭請求できるようにするという案が試案に盛り込まれています。これは、超高齢化社会にともなって家族が親を介護するケースが増えており、介護者への権利拡大を目的とするものです。ただ、先ほど説明した配偶者の権利拡充やこの介護者の権利拡大の案は、現段階では試案であるため、実現するかどうかは分かりません。

 しかし、日本では、2013年9月の最高裁判所の判決によって、婚外子の相続分が低い民法規定は違憲であるとの判断が下されました。これを受けて民法の改正が行われました。もし、今回もこれらの試案が実現の方向に向かうのであれば、法務省は来年の国会にこの民法改正案を提出する方針です。


法定相続情報証明制度


 現在は、相続が発生した場合、相続人は、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、住民票の除票、相続人全員の戸籍謄本・住民票・印鑑証明、戸籍の附票など多くの書類を用意する必要があります。これらは、相続税申告や不動産登記変更、銀行口座解約などの際に必要になる場合があり、相続対象となる不動産を管轄する法務局や金融機関ごとに提出する必要があります。
 また、提出を受けた法務局や金融機関も申請者が適正な相続人であるかどうかを審査します。日本の法務省は、これら相続にかかる手続きの煩雑さを解消するため「法定相続情報証明制度」を2017年から開始すると公表しました。

 この制度は、相続人全員の本籍、住所、生年月日、続柄、法定相続分などの情報をそろえて法務局に一度提出すれば、法務局が公的な証明書を発行し、以後はその写しを金融機関などに提出すれば足りるという制度です。例えば、相続不動産が各地に分散しているケースでは、煩雑な手続きが原因となって資産価値の低い不動産などは、相続後でも名義人変更をしていないケースがあります。日本政府は、手続きを簡素化することで円滑な登記変更につなげたい考えです。




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