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医療賄賂事件における財物収受の証拠審査について

医療賄賂類の事件処理では、財物を収受したか否かが収賄犯罪判定の中核的事実であり、財物を収受した証拠の審査が収賄犯罪の証拠審査の重点となる。

一、中核的証拠としての口頭証拠


収賄犯罪は通常、一般的な刑事犯罪に比べて隠蔽度が高く、直接的な物証や書証に欠けることが多いことから、口頭証拠が犯罪認定の中心になる。贈収賄双方の証言が中核的事実で一致し、これを裏付ける他の証拠がある場合は、収賄行為の存在を確認することができる。反対に、証言が中核的事実で根本的に矛盾し、他の証拠もない場合には、収賄の確定は法により不可能となる。証言はほぼ一致しているが細部に違いがある場合は、すべての証拠を総合的に考慮する必要がある。また、細部に違いがあるときは被告人に有利に処理しなければならず、例えば、より低い金額で収賄額を確定することになる。また、重要証人、特に収賄取引における仲介者の証言は、財物交付の詳細(時期、場所、方法)を確定する上で極めて重要である。


二、書証の効力


現金以外の収賄事件では、書証がカギとなる証拠の一つとなる。一般的には銀行振込証憑、財産所有権変更記録などが収賄行為発生の証明に用いられる。しかしながら、贈賄者や収賄者が犯罪行為を隠蔽するため、虚偽の借用書や投資合意書といった書証を作成しているおそれがある。このような書証を分析する際には、まず証人証言との整合性を考察する必要がある。口頭証拠が他の証拠と一緒に書証の真実性を否定するならば、書証の証明効力は排除される。反対に、贈収者や収賄者が無罪の弁明に書証を利用している場合は、書証の内容や事件の事実との関連性を注意深く分析する必要がある。例えば、双方が贈収賄ではなく貸借関係にある旨を借用書を利用して弁明するケースでは、双方間の利益交換の有無、借入の真実性、取り決められた利率と返済期限及びあらゆる返済行為または意向を総合的に考慮して、収賄行為の有無を総合的に判断すべきである。


三、賄賂犯罪における物証の重要性


賄賂犯罪における「財物」には金銭、物品及び財産性利益が含まれる。金銭と財産性利益については、その流通性や柔軟性が高いことから、通常は口頭証拠や書証といった他の証拠による裏付けがあれば収賄の事実を確認することができ、現物取り寄せまで必要とされないことが一般的である。しかしながら、収賄物が具体的な物品である場合には、かかる物品を取り寄せまたは押収する必要がある。当該物品の識別は、犯罪認定の上で極めて重要であるのみならず、法による贓品取戻しの必要なステップである。口頭証拠のみで関連物品を取り寄せていない場合には、「確実且つ十分であること」という証拠要件を満たすことができず、収賄の事実を確定することができない。なお、特殊なケースでは、物品が滅失、または取り寄せ不能であったとしても、事件における他の証拠が物品の特徴と価値を明らかにするのに足り、且つ双方に異議がなければ、犯罪の事実を確定することができる。


四、財物価値確定の原則


収賄事件において物品価値を確定する場合、まず、市場価格が安定し争いのないものについては、購入時の価格を基準とし、証票または支払記録をもとに確定される。次に、価格変動が大きく、購入経緯の詳細が不明な物品については、専門機関が価値認定を行う必要がある。
物品の価格認定にあたっては、第一に認定機構が適切な資質を具備することを確実に保証する必要があり、『価格認定規定』に従って、通常は事件処理機関所在地の政府部門が実行する。次に、適切な基準日を選択することが極めて重要であり、通常は物品収受日を基準とする。収受日が不明な場合には、被告人有利の原則にのっとり、物品の価格が最も低い時点を選択しなければならない。最後に、骨董品や絵画などの「雅賄」などの特殊な物品については、まず真偽鑑定を行い、その後で認定機関が実際の品質に基づいて価値を確定する。

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