キーマンインタビュー

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日本航空公司
上海地区首席代表総経理 華東地区総経理 椎橋 壽太郎 氏
地方創生と越境EC
新たな活路を見出して
現地に寄り添う航空会社へ
現在、JALグループ乗り入れ国及び地域は63カ国/地域、368都市、グループ路線数は国内国外線合わせて192路線にものぼります。
とはいえ、将来もさまざまな環境変化が訪れる事も想定され、航空事業以外の新規事業にも取り組んでいく必要があります。新規事業として、昨年から中国向け越境EC事業をスタートさせました。微信内に公式ミニプログラム「日本航空優選」を開設し、全国の自治体や地域創生に取組む企業様・団体様と連携し、各地の加工食品、日本酒、工芸品、化粧品などを販売していきます。日中間の高速一貫国際輸送プラットフォームを持つ「JAL宏遠」が輸送手配を担い、日本の誰でも簡単に出品することができます。また、商品が生まれた背景や環境を動画や取材記事などで紹介する各都道府県のPRページを制作。自由な往来ができなくなってもう2年が経ち、薄れゆく日本の素晴らしい食、文化、自然、歴史を心に留めておいて欲しい。そんな思いに駆られ、各地域の自治体と連携してポストコロナにおける訪日観光客拡大へとつながるよう、日本の幅広い分野の観光資源の魅力や奥深さについて発信しています。
また、昨年4月には中国系格安航空会社(LCC)春秋航空ジャパンを子会社化。アフターコロナにおいては、出張や観光など人々の往来が回復することが見込まれます。これまでフルサービスキャリアであるJALが提供してきたサービスに加え、LCCならではのサービスや価格帯の選択肢を増やすことで、より多くのお客様層にも満足して頂ける空の旅をJALグループ全体で提供していきたいと考えています。さらに、この2022年には航空機や航空機部品、空港用特殊車両などの販売、ワインや農産品の輸入などを手がける「JALUX」の子会社化を予定しており、これまでに実現できずにいた新しい事業の準備を進めることを目指しています。
1974年4月、北京にて「日中航空運輸協定」が締結され、同年9月より北京/上海=東京/大阪へ定期航空便が開通しました。世界最多の人口、世界第2位のGDPを誇り、これまでも世界にとって重要な市場である中国ですが、RCEP(地域的な包括的経済連携協定)が発効されたことで更なる成長が見込まれます。これに伴い人流・物流が高まることは間違いなく、弊社の国際線事業における期待も高いです。
今年は日中国交正常化50周年です。また2024年は先述した日中航空運輸協定締結50周年ですが、中国のお客様にとっては馴染みのある航空会社に弊社はまだ成れていないと感じる部分もあります。今後、JALの日本のおもてなしを中国の皆さまに体感いただき、日本全国と中国をつなげるお手伝いをすることで、中国の皆様にも馴染みのある航空会社になっていきたいと思います。
Toshitaro Shiihashi
日本での休日
日本航空公司
新たな活路を見出して
現地に寄り添う航空会社へ
戦後の日本を語るうえで、さまざまな歴史的出来事があった1951年。その年に産声を上げ、後に日本が誇る大手航空会社へと大きな成長を遂げた「日本航空公司」。中国で親しみのある航空会社を目指して奮闘する上海地区首席代表総経理兼華東地区総経理の椎橋氏に話を伺った。
日本で最も長い歴史を持つ航空会社
1952年10月から自主運航による日本国内定期航空運送事業をスタートさせました。1953年に現在の社名である日本航空株式会社となり、日本国内幹線の運営にあたるとともに日本唯一の国際線定期航空運送事業の免許を取得、1954年2月より本邦企業初の国際線定期航空輸送を開始しました。その後も日本の高度経済成長と共に、国内線/国際線のネットワークを拡充し、日本国内と世界を結ぶ懸け橋として成長してきました。しかしながら、2010年に多くのお客様、及び関係者の方々にご迷惑をおかけすることとなった経営破たんをしてしまいました。破たん以降、京セラ創業者で知られる稲盛和夫氏が会長に就任され、JALフィロソフィと部門別採算(アメーバー経営)を経営の柱として、再建してまいりました。その後は、高収益な企業として着実に航空事業を営んで参りました。
現在、JALグループ乗り入れ国及び地域は63カ国/地域、368都市、グループ路線数は国内国外線合わせて192路線にものぼります。
アフターコロナの中で新たな取組み
とはいえ、将来もさまざまな環境変化が訪れる事も想定され、航空事業以外の新規事業にも取り組んでいく必要があります。新規事業として、昨年から中国向け越境EC事業をスタートさせました。微信内に公式ミニプログラム「日本航空優選」を開設し、全国の自治体や地域創生に取組む企業様・団体様と連携し、各地の加工食品、日本酒、工芸品、化粧品などを販売していきます。日中間の高速一貫国際輸送プラットフォームを持つ「JAL宏遠」が輸送手配を担い、日本の誰でも簡単に出品することができます。また、商品が生まれた背景や環境を動画や取材記事などで紹介する各都道府県のPRページを制作。自由な往来ができなくなってもう2年が経ち、薄れゆく日本の素晴らしい食、文化、自然、歴史を心に留めておいて欲しい。そんな思いに駆られ、各地域の自治体と連携してポストコロナにおける訪日観光客拡大へとつながるよう、日本の幅広い分野の観光資源の魅力や奥深さについて発信しています。
また、昨年4月には中国系格安航空会社(LCC)春秋航空ジャパンを子会社化。アフターコロナにおいては、出張や観光など人々の往来が回復することが見込まれます。これまでフルサービスキャリアであるJALが提供してきたサービスに加え、LCCならではのサービスや価格帯の選択肢を増やすことで、より多くのお客様層にも満足して頂ける空の旅をJALグループ全体で提供していきたいと考えています。さらに、この2022年には航空機や航空機部品、空港用特殊車両などの販売、ワインや農産品の輸入などを手がける「JALUX」の子会社化を予定しており、これまでに実現できずにいた新しい事業の準備を進めることを目指しています。
2024年に日中航空運輸協定締結50周年の節目を迎える
目先のミッションとしては、やはり旅客便の復便です。上海への旅客便の運航はできておらず、多くのお客様にご不便をおかけしております。日中両国でのコロナ感染状況などに左右されますが、状況が良くなる光が見え始めた暁には、いち早く皆様の渡航のお手伝いをさせていただきたいと思っています。1974年4月、北京にて「日中航空運輸協定」が締結され、同年9月より北京/上海=東京/大阪へ定期航空便が開通しました。世界最多の人口、世界第2位のGDPを誇り、これまでも世界にとって重要な市場である中国ですが、RCEP(地域的な包括的経済連携協定)が発効されたことで更なる成長が見込まれます。これに伴い人流・物流が高まることは間違いなく、弊社の国際線事業における期待も高いです。
今年は日中国交正常化50周年です。また2024年は先述した日中航空運輸協定締結50周年ですが、中国のお客様にとっては馴染みのある航空会社に弊社はまだ成れていないと感じる部分もあります。今後、JALの日本のおもてなしを中国の皆さまに体感いただき、日本全国と中国をつなげるお手伝いをすることで、中国の皆様にも馴染みのある航空会社になっていきたいと思います。
昨年8月に着任し、初めての中国駐在を体感しております。様々な事がスピーディーにダイナミックに進んでいく中国に、遅れない様、ついていきたいと思います
PROFILE
プロフィールToshitaro Shiihashi
1969年生まれ、東京都出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、1992年に日本航空へ入社。2011年にインドネシア・ジャカルタ支店総務、2014年に国際提携部、2016年に本店顧客販売部を経て、2021年8月に上海地区首席代表総経理兼華東地区総経理に着任し現在に至る。
椎橋さんをさらに知る

コロナ禍がきっかけで、料理に目覚めました。市場での食材の買い出しから、水洗い、料理、片づけをすべて自分自身でこなしています。
着任早々に、会社の若者達が上海ディズニーランドに連れて行ってくれました。運営も施設環境も素晴らしく整っていました。
やっぱりGOLFになってしまいました。多くの皆さんとご一緒できればと思います。いつまでたっても上手にならないのですが。