中国の法律

北京中諮律師事務所
  • ビジネス記事
  • 中国の法律

北京中諮律師事務所

著作権法(9)——著作権の制限

前回は、著作権の譲渡、継承などによる著作財産権の譲渡について説明した。
今回は著作権の制限について説明する。

著作権の制限とは、著作権者の固有の権利に対する制限をいう。広義では時間の制限、地域の制限、権限の制限を指し、狭義では権限の制限を指し、著作物の合理的利用、法定ライセンス、強制ライセンス、権利の消尽、公共の秩序の維持、国有化などに及ぶものである。本章では、狭義の著作権の制限について説明する。

①著作物の合理的利用

中国では『著作権法』第22条により、以下の状況で作品を使用する場合は著作権者の許可が不要であり、また報酬の支払いも不要である。ただし作者の氏名、作品名を明記し、かつ本法により得られる著作権者のその他の権利を侵害してはならない。
(一)個人的な学習、研究、もしくは鑑賞のために他人が発表した作品を使用する場合。
(二)ある作品を紹介しコメントするか、もしくはある問題を説明するために作品で他人が発表した作品を適度に引用する場合。
(三)ニュースを報道するために新聞、刊行物、ラジオ、テレビなどで発表済みの作品をやむなく公表もしくは引用する場合。
(四)新聞、刊行物、ラジオ、テレビなどが、他の新聞、刊行物、ラジオ、テレビなどで発表済みの政治、経済、宗教問題に関する時事的な文章を掲載、もしくは放送する場合。ただし作者が掲載や放送を認めない場合を除く。
(五)新聞、刊行物、ラジオ、テレビなどが公衆の集会で発表された談話を掲載、もしくは放送する場合。ただし作者が掲載や放送を認めない場合を除く。
(六)学校の授業、もしくは科学の研究のために、発表済みの作品を翻訳、もしくは少量複製し、教育や研究に使用する場合。ただし出版やリリースをしてはならない。
(七)政府機関が適正な範囲で公務を執行するために発表済みの作品を使用する場合。
(八)図書館、資料館、記念館、博物館、美術館などが著作物の展示、もしくは保存をするために、館内に収納されている作品をコピーする場合。
(九)発表済みの作品を無料で上演する場合で、その上演が観衆から料金を受けず、また出演者に報酬を支払わない場合。
(十)屋外の公共の場所に設置、もしくは展示した芸術作品を模写、作画、撮影、録画する場合。
(十一)中国の公民、法人、またはその他の組織が発表し、中国語で創作された作品を少数民族の言語に翻訳し、中国で出版・リリースする場合。
(十二)発表済みの作品を点字化して出版する場合。
 以上の規定は、出版者、上演者、録音・映像の制作者、ラジオ、テレビの権利の制限に適用される

②著作物の法定ライセンス使用(教科書への掲載)

『著作権法』第23条により、「9年制義務教育や政府の教育計画を実施するために教科書を出版する場合、作者があらかじめ使用を認めないと称した場合を除き、著作権者の許可を得ず、発表済みの作品の一部、もしくは短い文章、音楽、もしくは単独の美術作品、撮影作品で教科書を作成することができる。ただし定められた報酬を支払い、作者の氏名、作品名を明記し、かつ本法による著作権者のその他の権利を侵害してはならない。
 以上の規定は、出版者、上演者、録音・映像の制作者、ラジオ、テレビの権利の制限に適用される」とされている。

③著作物の合理的利用と法定ライセンスの違い

(一)使用目的の違い:著作権の法定ライセンス使用は営利的なものである場合が多いが、合理的利用は非営利的なものに限定されるケースが多い。
(二)法定ライセンス使用は一部に規定された作品やその使用権利に限られるが、合理的利用の対象は大多数の作品であり、その権利の内容も多い。
(三)規制の方法について、法定ライセンスはタイプや範囲が明確に定められるが、合理的利用は抽象的でオープン、不特定である場合が多い。

北京中諮律師事務所

ピックアップ

Concierge
コンシェルジュ公式App

CCG Concierge

上海・大連への
便利な街案内&生活情報アプリ!

ダウンロードはこちら
  • App Store からダウンロード
  • Android からダウンロード
  • App Store からダウンロード
  • Android からダウンロード

ピックアップ

Concierge 公式SNSアカウント
Concierge 公式SNSアカウント
最新の情報を
タイムリーにお届け!
QR

公式WeChat公众号:conciergesh