キーマンインタビュー
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AAJ Hong Kong Limited
代表 Jolanda Chowさん
訪日インバウンドのPRマーケティングや日本企業のプロモーション事業をするヨランダさんに、起業までの道のりや事業について伺った。
平坦ではなかった道のり
AAJHKは、訪日インバウンドのPRマーケティングを行う会社です。2015年に起業して以来、現在は日本の自治体の香港進出のサポートや、日本企業が香港で実施するプロモーション活動までお手伝いさせていただいています。
2008年に東京の日本語学校へ留学後、日本で就職しましたが、2011年、東日本大震災が起こり香港へ帰国。その後、日系企業に転職して再び日本で働く機会を得たものの、2012年に家の事情で完全に日本を離れました。
香港に戻り、香港の企業に勤めましたが、日本と香港には商習慣の違いがあり、日本で学んできたやり方や社会人としての礼儀をうまく生かせずに苦労しました。十代前半から英国、日本と海外生活が長く、香港人でありながら香港の文化を十分に理解できていなかったことも一因だと思います。苦戦続きで自信をなくし、自分の能力不足ではと悩みました。と同時に、失敗のたびに自分の足りない部分に気づかされ、新たな学びがありました。今思えば、あの苦しい経験が今に繋がったのだと思います。
そしてなにより、どんなにいやな思いをしても、人を信じること、 真心を持って人と接し、誠心誠意仕事をするという信念は曲げたくありませんでした。自分がどれだけ人の役に立てるかわからないけれど、自分なりのやり方で社会に関わり、より広い世界に出て、組織の中にいては見られない風景を見てみようと、独立を決意しました。
多くのご縁に導かれて
2015年に会社を立ち上げ、初めにいただいた仕事が名古屋のガイドブック『散策王‐名古屋』制作です。これが香港の「Book Show Award 2016」にノミネートされたことにより、観光プロモーションの仕事をいただくようになりました。
これまでに、石川県、愛知県、上天草市、碧南市などの自治体の観光プロモーションや、日本でのファムトリップ実施、JTBパブリッシング「DOZO Japan Hong Kong」のFacebook制作・運営などのプロモーションを手がけてきました。また、一日で記者会見、商談会、セミナー、試飲会まで行うという山形県酒造組合の大規模な日本酒のイベントも担当させていただきました。
今までを振り返ると、自分自身の力だけではできなかったと強く感じています。周りの沢山のご縁に恵まれ、心強いサポートや有難いチャンスをいただいたおかげで今こうして事業を続けることができています。起業するまでには様々な業界を経験し、多くの壁にぶつかってきましたが、全てが今に繋がる貴重な勉強・体験になりました。これまで出会ってきた全ての方々に感謝したいです。
より広い世界への発信
事業をする中で一番大切にしていることは、「感謝の気持ち」。それから「楽しくやる」こと、「仕事の内容で決める」ことです。日本を愛し、日本のために何ができるかを考え続ける、良心的な会社でありたいと考えます。
香港はとても発信力のある街ですが、マーケットが小さいことがどの業界にも共通する課題です。そのため、長期的な視野を持ち、他の国・地域を調査する必要があると考えています。現在は、特にご縁があり、介入できるチャンスがある、マレーシアが第一候補です。今年は数回現地へ赴き、さまざまな勉強をしたり、リサーチを行い、新たな可能性を探ることを検討しています。
PROFILE
ヨランダ チャウ
1986年香港生まれ。12歳から10年間英国に留学。2008年にインターカルト日本語学校へ留学。2015年にAAJ Hong Kong Limitedを立上げ。2017年に株式会社に変更し、現在に至る。香港のCMソングのオーディションでファイナル2まで残った実力者で、いつかCMソングを歌うのが密かな夢。
JNTO観光セミナーでは講演も
趣味の歌をライブ会場で披露することも