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上海衆逸企業管理諮詢有限公司 米国公認会計士
非居住者企業の所得税源泉徴収の問題に関する告知
国家税務総局は2017年10月17日付けで「非居住者企業の所得税源泉徴収の問題に関する告知」(国家税務総局公告2017年37号)を公布しました。
また、第9条において、非居住者企業が企業所得税法の第39条により、税金を申告納付しない場合、税務機関が期限内に納税するよう命じることができる。非居住者企業は税務機関より期限内の納税を命じられるまでに、自ら税金を申告納付した場合、期日通りに納税したと見なされると規定しています。
第7条において、源泉徴収義務の発生から税額の納付まで7日間以内と規定されているものの、第9条において税務機関の指定した期限内に税金を納付した場合、期日通りに納付したと見なされるとしています。ここでは、事前に税務局に対して源泉徴収義務者が納付期間などを協議することで、「7日間」に縛られず納付期限を調整できると解釈することも可能となります。
本公告の施行により海外送金にかかる税金の支払方法が明確になったため、中国現地法人および海外企業の税務手続きが効率化されることが期待されます。
本公告の構成
本公告は、非居住者企業の所得税源泉徴収義務者の申告納付方法、計算方式、納税期間を明確にしたものとなっております。なお、本公告は中国おける非居住者企業の源泉徴収を全般的に規定しており、過去に公布された関連規定、通達を同時に廃止しています。本公告の重要条項を抜粋して以下の通り解説します。
第3条において、譲渡収入から投資簿価を控除した金額を課税所得とすると規定しています。投資原価は、資本金の出資原価あるいは持分の買取り簿価と定義しています。
人民元への為替レート
第4条、5条において外貨での配当の支払い、持分譲渡における人民元への為替レートに関して規定しています。
配当の支払いなどにおいては、以下の通り規定されています。
①源泉徴収義務者が企業所得税源泉徴収する際は、源泉徴収義務が発生した日の人民元の当該外貨の中間レートを使用し、納税額を計算する。納税義務の発生した日とは支払日あるいは支払期限日とする。
②課税所得のある非居住者企業が、主管税務局の要求する納付期限内に源泉税を申告納付する場合は申告日の前日の人民元の当該外貨の中間レートを使用し、納税額を計算する。
上述の規定の意味するところは、米ドル(あるいは日本円など)で出資している場合、元の出資金額(米ドル)を現行の為替レートで人民元に換算し、人民元で記載されている帳簿上(あるいは税務上)の出資簿価と比較し、譲渡益を計算し、課税所得、納税額を確定させます。
納税義務の発生、申告納税期限
また、第9条において、非居住者企業が企業所得税法の第39条により、税金を申告納付しない場合、税務機関が期限内に納税するよう命じることができる。非居住者企業は税務機関より期限内の納税を命じられるまでに、自ら税金を申告納付した場合、期日通りに納税したと見なされると規定しています。
第7条において、源泉徴収義務の発生から税額の納付まで7日間以内と規定されているものの、第9条において税務機関の指定した期限内に税金を納付した場合、期日通りに納付したと見なされるとしています。ここでは、事前に税務局に対して源泉徴収義務者が納付期間などを協議することで、「7日間」に縛られず納付期限を調整できると解釈することも可能となります。
廃止通達、規定
本公告の施行により海外送金にかかる税金の支払方法が明確になったため、中国現地法人および海外企業の税務手続きが効率化されることが期待されます。