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商標に関する紛争および訴訟の紹介(2)

新商標法は商標登録主義を取っており、商標登録の原則、商標登録出願手続きの流れ、異議申立制度および無効宣告制度の実務を紹介します。


商標登録に関する原則


「商標法」の規定によると、商標局によって登録が審査確認(中国語は「核准」)された商標が登録商標です。新「商標法」における商標登録に関する原則は、(1)信義誠実の原則、(2)一商標多区分出願の原則、(3)先願主義の原則、(4)優先権の原則の四つとなっています。
(1)「商標法」第7条は、商標登録時の信義誠実の原則を定めており、また、同法第32条は、商標登録の出願は他人の既存の権利を侵害してはならず、他人がすでに使用している一定の影響力を有する商標を不正な手段によって抜け駆けして登録してはならないと定めています。(2)従来の一商標一区分出願の原則を変更し、「商標登録出願者は、1つの出願で多区分の商品について同一の商標の登録を出願することができる」と定めています。(3)中国の商標法は、先願主義を取りつつ、先使用権にも配慮しています。(4)商標登録出願者は、その商標を外国において最初に登録出願した日から6カ月以内に、中国において商標登録出願をする場合は、優先権を享受することができます。


商標登録出願手続きの流れ


中国における商標登録出願の流れは次のようになります。①出願者が出願↓②(出願から9カ月以内)初期査定および公告↓③(公告日から3カ月以内)商標異議申立↓④(異議申立が成立しない場合)商標登録証の交付公告。新「商標法」は、商標局の審査および商標評議審査委員会の評議審査について期限を定めています。出願を拒絶され、公告しないこととされた商標については、出願者は、通知を受領した日から15日以内に、商標評議審査委員会に再審査を申し立てることができます。商標評議審査委員会は、申立のあった日から9カ月以内に決定を下すものとされ、特殊な事情があるときは、承認を得て3カ月延長できるものとされています。


異議申立制度


初期査定のなされた商標については、公告日から3カ月以内に、誰でも異議を申し立てることができます。商標局は、異議申立書の副本を遅滞なく被申立人に送達し、送達日から30日以内の答弁期間を与えます。当事者は、証拠を後から提出する必要があるときは、前もってその旨を表明し、申立書または答弁書を提出してから3カ月以内に提出しなければなりません。期間内に提出しなかった場合は、関連証拠資料を補充することを放棄したものとみなされます。異議申立に対する商標局の審査期限は、公告期間満了日から12カ月以内とされ、特殊な事情があるときは、承認を得て3カ月延長できるものとされています。新商標法では、異議申立が成立しなかった場合に、一旦商標権を成立させた上で、異議申立人に対して当該登録商標の無効宣告請求を認めることとなっています。


無効宣告制度の導入


商標局は、登録を認める旨の決定を下した場合には、商標登録証を発行し、公告を行います。異議申立人は、これを不服とするときは、「商標法」第44条、第45条の規定により商標評議審査委員会に登録商標無効宣告を請求することができます。登録商標の無効宣告制度は、新商標法において新たに導入された制度で、無効を宣告された登録商標は遡って消滅するというものです。

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