キーマンインタビュー

全日空航空公司
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全日空航空公司

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羽田空港の国際線拡大を起爆剤に、中国・アジアの訪日需要増大に貢献する

1972年羽田-上海間でチャーター便が飛んで以来、旅客便21路線、貨物便11路線、就航都市11都市12地点まで成長してきた全日空。今後の目指すべき方向性とは?


「感謝の気持ち」をもって業務にのぞむ

1982年に全日空から中国に初めて駐在員を派遣して、私が10代目の支店長にあたります。歴代の方々の努力の積み重ねと多くの中国人の皆さまのご支援で今があると思うと、中国で仕事をさせていただいていることやご支援をいただいた皆さまへの感謝の気持ちが素直に腹に落ちます。

 私の任務としては、まずは「安全運航の順守」。そして、「全日空=ANA」というブランドをもっと中国の方々に浸透させ、知っていただくこと。今後の羽田空港と成田空港の国際線の拡大化を見越して、もっと多くの方々に日本を訪れていただくために、日本人のお客さまはもちろん、グローバルカスタマーにいかにリーチしていくかが課題となってきます。全日空国際線全便の4割弱が中国路線であることを考えると、私の任務は既存の路線を成長させつつ、中国国内の拠点をいかに増やしていくかということであり、そのためには、その路線やANAの魅力の伝え方が大切です。また、現在大きく成長している事業に貨物の輸送があります。このように日中間の人と物の流動の活性化に大きな貢献ができることに喜びを感じてます。

 日本は、2020年の東京オリンピックまでに、「訪日旅客2000万人」を掲げています。当社もその一翼を担って貢献させていただくわけですが、今後中国人の訪日について言えば、ビザの発給緩和は大きな課題。ぜひ、関係各所とも協力してビザの発給緩和にも声を上げていきたいですね。


前職の経験を活かした中国でのマネージメント

 私は入社以来、営業やマーケティングの仕事をしてきました。中国には2008年に約1年駐在したことがあり、今回は2度
目の駐在です。2009年春に帰国後、多い時には月1回の頻度で北京や上海へ出張し、関係各所の方々とスロット(発着枠)の確保について交渉したり、現地政府の方々にPR支援をお願いしてきました。現職に就任する直前まではレベニューマネジメント部という部署で、旅客事業の単年度の収入予算を作成し、進捗管理をするという仕事をしていました。その中で、どうやって目標を達成するかを、具体的な施策にまで落とし込んで達成に導いてきました。その経験を活かし、中国駐在の任期中は、中国の各支店でも目標の可視化をさらに深め、社員全員で目標を追うための強い仕組み作りをしていこうと思っています。

 中国の良いところは、「あやふやなところがない」ところですね。よく、はっきりと「没有(メイヨー)」と言われるので、一時期その言葉が嫌いになりましたが、あやふやな返事をされるよりは、次のステップを考えやすいですよね。なので人事考課などは、もっと中国のスタッフに評価ポイントを分かりやすく、あやふやさのないものにしていこうと考えています。離職率の高さをよく耳にしますが、正当な評価が得られば、自然と働きやすい環境になるのではないでしょうか。

 今回再赴任して、5年前に一緒に働いていた中国人スタッフ達が、チーフやマネージャーに成長し働いている姿をみると、頑張って働き続けてくれていることへの感謝と、彼らに今後もさらに成長しながら働いてもらえる仕組み作りは急務だと思っています。


中国に貢献する航空会社としてサービスにこだわっていく

「Peach」や「Vanilla Air」などのANAグループのLCC(ローコストキャリア)とは顧客層による住み分けができていると思っていますが、「全日空=ANA」のブランドで実現できるサービスをさらに強化していくことが大切だと思っています。中国で「全日空=ANA」というブランディングを確立していくには、企業としてこの国にどれだけ貢献できるかだと思っています。過去2回、希望小学校を寄付させていただいたのも微力ながらもその一環だと思います。

 社内では、一層のサービス強化が目下の課題です。例えば、旅客に関わるすべての社員の英語や中国語など語学力のレベルアップをはじめ、食の安全が確保された機内食のご提供はもちろん、有名レストランのシェフがプロデュースしたオリジナルの機内食「THE CONNOISSEURS(ザ・コノシュアーズ)」のご提供。それに、最新映画の導入などエンタメ系コンテンツも充実させて、空の旅をもっと楽しんでもらえるように努めてまいります。

 私自身は、中国の文化や歴史は大好きです。また乾杯(ほどほどの)や円卓の習慣には驚きました。以前は、乾杯は健康のことも考え敬遠していましたが、人と人との関係を簡単に構築するという実体験があってから、ほどほどにやっています(もちろん節度を持ちながら)。円卓は、複数名で話すにも最適で、日本でも8名くらいまでの食事会の場合、円卓のあるお店を探すことが多かったです。日本では、なかなかお目にかかれないのは残念ですけどね。


5年前に一緒に働いていた同僚の話や、週末、社内のサッカーチームで汗を流すなど、社員を大切にする人柄がうかがえた。スタッフにイケメンが多いのが自慢とのこと。(23人で1つの円卓、これにはビックリ!)


PROFILE

全日空航空公司
中国総代表 北京・天津支店長 阿部信一氏

1958年生まれ。大阪府出身。1982年関西学院大学商学部卒業後、他業種を経て全日本空輸株式会社に入社。事業推進本部、マーケティング本部などの主席部員を経て、08年より北京支店総務ディレクターに着任。一旦帰国し、本社企画室ネットワーク戦略部長、マーケティング室レベニューマネージメント部長を経て、13年4月より現職。趣味は、学生時代から好きなサッカー、ジョギング。



阿部さんを知るキーワード


座右の銘は、「為せば成る」


「やってダメなら修正すればよい、やってみないと正しいかどうかはわからない」と仕事でもプライベートでも行動に移してみることを大切にしている。


サッカーやゴルフでリフレッシュ


週末、社内の有志とサッカーで汗を流すのがリフレッシュ方法。学生時代から続けている。実は、5年前赴任時にも仲間と行っていたそう。最近は仕事柄やむにやまれず、ゴルフの練習も始めた。


北京の行きつけのお店は「QsCafe」


5年前好きだった店がほとんどなくなっている中、当時から朝食購入場所だった「QsCafe」が好きな場所。イチオシは、「カレーパン」と「くるみパン」だそう。

全日空航空公司

住所 北京市朝阳区东三环北路5号 北京发展大厦N200 MAP
電話 010-8559-9200

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