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上海自由貿易区の法制度について(5)

上海自由貿易区管理委員会は、2014年2月21日に「中国(上海)自由貿易試験区
商業ファクタリング業務管理暫定規則」(以下「暫定規則」という)を公布しました。


ファクタリング業界の開放


 ファクタリングとは、会社がその売掛債権等をファクタリング会社に譲渡し、これにより融資を取得することを指しています。

 中国では、従来、銀行しかファクタリング業務に従事できませんでしたが、2012年6月、商務部は、上海市および天津市に授権し、上海市浦東新区と天津市濱海新区においてファクタリング企業設立のパイロットを開始、銀行でない一般会社にファクタリング業務への従事を開放しました。
 12年12月に、広州市および深圳市においても同様にパイロットが実施されました。しかし、ファクタリング業界へ進出できるは香港およびマカオの投資家に限られ、中国国内の投資家や日本を含む外国投資家にのよる進出は開放されていません。その後、13年8月に、パイロットの第3弾として、商務部は、重慶市両江区、蘇州工業園区および蘇南現代化建設示範区におけるファクタリング会社の設立を認めました。
 また、上海市では、パイロット地域が従来の浦東新区以外の区にも拡大され、今年の頭ごろから、上海市黄浦区、青浦区、嘉定区および徐匯区におけるパイロットも順次開始されています。


自由貿易区におけるファクタリング会社


 自由貿易区におけるファクタリング会社の設立条件(投資者はファクタリング業務経験を有すること、資本金は5000万人民元以上であること、金融分野の管理経験を有する高級管理職を2名以上擁することなど)等は、自由貿易区以外の右記で言及された地域と基本的に同じです。
 そのほかの地域と比べ、自由貿易区の特徴は主に以下の3点にあるかと考えます。
 ①ファイナンスリース会社によるファクタリング業との兼業
 自由貿易区以外のパイロットでは、ファクタリングとそれ以外の業務との兼業は認められていませんが、自由貿易区内では、ファイナンスリース会社がファクタリング会社の設立条件を満たせば、ファクタリング業務を兼業することができます。ただし、これは、自由貿易区内で設立されたファイナンスリース会社に限って認められており、自由貿易区外のファイナンスリース会社の区内における支店等は兼業が認められていません。
 ②輸入ファクタリングおよびオフショアファクタリング
 自由貿易区以外の地域では、ファクタリング会社が輸出ファクタリングおよび中国国内のファクタリング業務に従事できますが、輸入ファクタリングについては、一般的に外貨問題等によってファクタリング会社の従事可能な業務範囲に含まれておらず、オフショアファクタリングは一般的に従事できないと思われます。
 この点について、暫定規則によれば、自由貿易区では、ファクタリング会社が輸出入ファクタリング業務および国内・オフショアファクタリング業務のいずれも行うことができるとされています。
 ③設立手続
 自由貿易区内で外商投資企業の設立変更に対し認可制から届出制に変更されたため、自由貿易区内で外商投資のファクタリング会社を新設する場合、自由貿易区管理委員会の届出を取得した後、工商登記を行うこととされています。一方、ファクタリングを兼業する外商投資のファイナンスリース会社を新設する、または既存の外商投資ファイナンスリース会社がファクタリングの業務範囲を追加するには、自由貿易区管理委員会の認可を取得しなければならないとされています。

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