キーマンインタビュー

北京欧迅体育文化股份有限公司 OCEANS
  • ビジネス記事
  • キーマンインタビュー

北京欧迅体育文化股份有限公司 OCEANS

  • カテゴリ:日系企業

上場は新たなスタート地点スポーツを通じて中国の社会発展に役立ちたい

PROFILE

しゅ ぎょうとう

1972年生まれ。上海市出身。90年渡日。96年一橋大学商学部卒業後、ITベンチャー、コナミの後、98年、中国人として初めて公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)入社。02年FIFA中国地区マーケティング代表就任。06年、OCEANSを立ち上げ、現職。FIFAマスター(CIES)修了。趣味は読書と映画鑑賞。

今年1月「新三板」に上場した、Jリーグで勤務経験を持つ唯一の中国人運営のスポーツマーケティング企業「OCEANS」の未来について董事長朱氏に伺った。


中国にスポーツの祭典がやってきた


 6年前の出来事になりますが、2008年、ここ北京で五輪が開催されました。開催に向けて、国を挙げた大改革でインフラが発達。スポーツの祭典を通じて街が発展したことは記憶に新しいのではないでしょうか? 五輪が中国社会に与えた影響はとても大きかったのです。
 弊社は、06年設立。国際サッカー連盟「FIFA」から、03FIFA女子ワールドカップ、04FIFAフットサルワールドカップを成功させた実績を買われ、中国唯一の事務所に指定されたスポーツマーケティング企業です。FIFAや中国サッカー協会と共に07FIFA女子ワールドカップ中国大会の運営や管理を行い、大会の成功に貢献しました。FIFAのような国際スポーツ組織との仕事経験や専門知識を生かしたコンサルティング業務やイベント執行、メディア策略、スポーツ版権セールスなど、スポーツマーケティングに関する全業務を行っています。統合型スポーツマーケティング方式を取り入れ、クライアント(ブランド)と消費者を結ぶために最適なスポーツイベントやスポーツチーム、メディア、アスリートを提案しています。またより効果的な宣伝方法として、ATL(Above the line)とBTL(Below the line)をクライアントニーズの最大化のために効果的に組み合わせた「CTL(Cross The Line)」を提案しています。スポーツが社会と経済の発展に巨大な力を与えることを信じ、中国スポーツを世界に近づけるよう、スポーツマーケティングでサポートしていきます。


人生どうなるか分からないのが面白い

 私が高校生のころは中国がまだ発展途上だったため、理科系メカニズムを学びたいと日本に留学しました。語学留学中に一橋大学の存在を知り、ゆったりした雰囲気に惹かれ入学を決意。しかし留学生枠でも年約20名の狭き門、当時は勉強の鬼でしたね。面接時、将来どう大学に貢献するか問われ、とっさに「如水会(同窓会)にたくさん寄付するよう頑張ります!」といったのがウケたのか、無事合格しました。就職活動も、大会社で歯車の一部のような働き方は向いていないと考え、ITベンチャーに入社。飛び込み営業やニーズを把握して提案するという基礎を身につけると飽きてしまい、次はおもちゃメーカーのコナミへ。実力主義は魅力的でしたが、配属先が輸出倉庫だったため退屈で退職。根性がないと言われましたね。
 その後、1社目のベンチャー企業時にサッカーチームに所属していたのがきっかけとなり、Jリーグに入社。この時も、サッカーが好きなんでしょ? と聞かれた際、「サッカーも産業として運営していく必要性があると思う」と答えたのが良かったらしく、採用されました。最初はJリーグ映像という子会社で、放送権などを扱う仕事に従事していましたが、初代チェアマンの川渕三郎さんの「日中を繋ぎたい」という意向で、社内唯一の中国人の私に白羽の矢が立ち、中国サッカー協会とのパイプ役やJリーグ移籍などの業務をどんどん任されました。このエキサイティングな環境が合っていたようで、以後ずっとスポーツマーケティングに関わっています。
 サッカーの本場ヨーロッパでFIFAのマスターを学ぶため、01年9月に退職。さまざまな国籍の同志と触れ合い、人脈を広げる貴重な体験となりました。しかし、留学先のイタリアで病に倒れてしまいました。それが転機となり、回復後、FIFAの中国地区マーケティング代表になり、02年北京に赴任。最初は事務所もなく、パソコン片手にスターバックスでコーヒー1杯で仕事するところからのスタートでした。台湾や韓国など出張も多く、中国サッカー協会の子会社で顧問をやったり、ワールドカップの手伝いをしたり、忙しくしていました。そして、06年会社を設立。五輪効果で売り上げを伸ばしましたが、後のリーマンショックで広告予算が動かないなど、辛い時期も乗り越えてきました。


スポーツ産業が必ず中国を変える


 今年1月、弊社は中国の全国中小企業株式譲渡システム「新三板」に上場しました。スポーツマーケティング企業としては国内初の快挙ですが、2年前から考えていました。
 というのも五輪をきっかけに、中国でのスポーツイベント数は増加の一途ですが、きちんと運営されている事が少なく、粗末な内実であることが多い。今までのようにコンサルティングやアドバイザーとして中間に入るのでは根本的な解決ができません。現状を変えるには、風上に行かないといけない。運営権を持ち、スポーツイベントをよりよいものにしようと考え、資金力を上げるべく上場しました。今後中国でのスポーツ産業はどんどん発展するでしょう。それは、スポーツが社会を進歩させる力を持っているからです。スティーブ・ジョブスのように、生きている間は世界に影響を与え続ける、じゃないですけど、社会に影響を与えられるような、そんな存在でありたいと思います。



スポーツ関連企業らしい場所にと、工人体育場内にオフィスを構える。スタッフは中日英の53名(うち日本人3名)。全員バイリンガルで、留学経験多数のグローバルな視野を持つ。昼休みはスポーツをして団結力を高める。


朱さんを知るキーワード

川渕三郎さんは師匠


採用試験の際、乗り合わせたエレベーターでオーラに圧倒され入社を決意。日中を繋ぎたいとのお考えから、中国とのパイプ役として指名していただき、大いに影響されました。

プレミアもののメダルです


03年から4年間関わった日中韓共同開催のサッカー大会「A3(Aスリー)」。スケジュール調整や資金問題で停止になっても、近隣諸国がともに強くならねば世界に勝てないという考えに変わりはありません。

念願のワールドカップ開催


03年、FIFA女子ワールドカップ中国開催のために、02年よりFIFAへ。SARSの関係でいったんはペンディングになったものの、07年開催にこぎつけ、悲願の中国初開催となりました。


北京欧迅体育文化股份有限公司 OCEANS

住所 北京市朝陽区工人体育場21看台3階3106室
電話 010-6598-9276

ピックアップ

Concierge
コンシェルジュ公式App

CCG Concierge

上海・大連への
便利な街案内&生活情報アプリ!

ダウンロードはこちら
  • App Store からダウンロード
  • Android からダウンロード
  • App Store からダウンロード
  • Android からダウンロード

ピックアップ