キーマンインタビュー

AZIZA

代表　水野みみさん

5人の子育てをしながらご縁を繋ぎ経営者に

香港で結婚し、5人の子育てをしながらヨガ教室や飯食店経営など多方面で活躍する水野さんに、子育てと仕事の姿勢について伺った。

仕事と子育ての両立

　結婚を機に香港に渡ったのは1988年です。友人とヨーロッパ旅行中にフランスで夫と出会い、遠距離恋愛したのち結婚。結婚後、仕事を探していた時に夫の姉が声をかけてくれたことがきっかけで、翻訳者としてDUTY FREE SHOPでの就職が決まりました。1995年に子どもが誕生し、子育てと両立しながら働いていましたが、1997年に2人目の子どもができた時にフリーに。その頃には翻訳だけでなく、夫が大新銀行の支店長と知人だったため、コミュニケーションに特化した日本語を教えることもありました。挨拶を自然に言えるようトレーニングしていましたが、自然な表情や挨拶を習得できるまでが大変で、日本語を教えるのは難しいと感じましたね。年子で3人目ができたため、仕事を辞め子育てに専念することにしました。
　
ヨガとの出会い

　5人目が生まれた頃ヨガを始めました。6年前にインストラクターの資格を取得していますが、友人から中環のヨガ学校を勧められたことがきっかけです。じっくりと基礎から学べ、また子育てをしながらでも取得できる15カ月間のコースを選択しました。子どもが小さかったので、大変なときは子どもも連れて受講することもありましたね。香港ならではだと思うのですが、周りの方の子育ての協力があったからこそ、15カ月の長いレッスンを受けることができました。
　2016年からは日本の「手力整体塾（塾長：パンチ伊藤先生）」に通い始めました。現在は紅磡、ゴールドコースト、上環で開催していますが、私が教えるのは自身の体の不調などの状態がわかる整体要素の強いオリジナルヨガです。手で揉まなくても、ヨガで筋肉を動かすことができるようになります。なぜ整体要素を取り入れたかというと、体の使い方を間違った激しいヨガで腰を痛めたり、膝を痛めたりして体を壊す人が多く、それを解消したいと思ったからです。

「AZIZA」の立ち上げ

　今年8月にエジプト・中東料理「AZIZA」をオープンしました。ビジネスパートナーは、ヨガ学校に通っている時に知り合ったエジプト人シェフの息子さんです。当時上環にそのシェフの店があり、店の向かい側で雨宿りをしていたところ声をかけられ、コーヒーをご馳走になったことがきっかけで、まずお父さんと交流が始まりました。その後、息子さんとも知り合い「会社をしないか」と持ちかけられ、会社を作る過程が面白そうだと思い、コットン会社を立ち上げました。AZIZAオープンのきっかけはシェフの退職です。彼のお父さんが一生働ける場を作りたいという思いと、エジプトの女性は外で働く習慣がないため、レストランを開くことで一家が働ける場を作ることができることが後押しし、レストラン経営を始めることになりました。
　エジプト人と働くことで新たに発見することも多く、楽しませてもらっています。ですので、レストランで利益が上がったら、少しずつエジプトに恩返ししていきたいです。

香港でのご縁を大切に
　

　私の人生を振り返ると人との縁が大きいですね。香港は日本よりもいろんな人に会えます。日本で生きていたらなかなかエジプト人には会えなかったでしょう。20年以上香港に住んでいて、いろんな国に旅行にも行きましたが香港が一番面白いです。ここはテンポがあって、自分の生活が速くまわせて、しかもいろんな人に会えるのでこれからも住み続けたいですね。

PROFILE

ミズノミミ

旅行中のフランスで現在のご主人と出会い結婚し香港へ。香港在住28年目。5児の母であり、ヨガクラスを主催し、エジプト・中東料理専門店の経営者でもある。ヨガ教室の紅磡クラスは月・火・木曜日開校。赤ちゃんや小さな子を連れてレッスンをすることが可能（その他クラスは要相談）。