キーマンインタビュー

UCC COFFEE SHOP CO.,(HK)LTD.
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UCC COFFEE SHOP CO.,(HK)LTD.

ゼネラルマネジャースタッフと創る憩いの空間清水 省吾氏

今以上に豆にこだわったコーヒーと憩いの空間でお客様に最大の満足感を


1985年そごう店を皮切りに、香港展開を繰り広げ、現在香港で10店舗のカフェを有す同社の清水氏に、コーヒーづくりのこだわりや今後の展望について伺った。


こだわり尽くしたコーヒーの世界


 1933年に創業したUCCグループは今年で創立83年を迎えました。「一人でも多くの人においしいコーヒーを届けたい」という想いのもと、農園からお客様のカップに届くまでのあらゆる事業領域でコーヒーの美味しさと可能性を追求しています。例えば、世界のプレミアムコーヒーを安定提供するため、当社はジャマイカとハワイに直営農園を開設しています。土壌改良、栽培管理そして出荷まで一貫した徹底的な管理でこだわりの豆を届けています。また、焙煎・加工段階においても、味わいや香りを保持するため、焙煎後の豆をマイナス2℃で急速冷却する「アロマフリージング製法」などの独自技術を次々と開発し、採用しています。コーヒーづくりの全過程において最善を尽くし、お客様にこだわりのコーヒーを届けるのが当社の使命です。


現地のニーズとともに進化した香港のUCCのカフェ


 香港へ進出したのは1985年のことでした。ちょうど香港にそごうが設立され、そこでショップを構えないかというお誘いが来ました。UCCの味を世界にも届けたいという想いで引き受けました。進出当時は日本の外食事業をそのまま持ってきたのですが、思うようにはいきませんでした。日本のカフェ・喫茶店のほとんどは休憩や待ち合わせに使われることが多いです。そのため、コーヒーやお茶などのドリンクをメインに、少しのサンドイッチやサラダなどの軽食を提供するというメニュー構成になっています。しかし、香港の方々は「お茶をするお店」と「食事をするお店」を使い分けていません。お茶を飲みながらいろいろな食べ物を楽しむ食文化が深く根付いています。そのニーズにお応えするため、UCCのカフェも食事やスイーツメニューを増やし、日本とは異なるレストランタイプの店舗になりました。特に、英国領時代の影響もあり、アフタヌーンティーの習慣もあるため、ランチから夕食の間でも食事を提供するように調整しました。今では、100種類以上のメニューを揃えており、その数はレストラン事業を展開するアジアの他国と比べても断然多いです。
 また、UCCのカフェはコーヒー豆の持っている味わいを素直に出しやすい「サイフォンコーヒー」を得意とします。それを存分に味わうにはやはり「ブラック」が一番ですが、香港では砂糖やミルクがたっぷり入ったコーヒーが定着しています。コーヒーのバリエーションを増やすと同時に、お客様にサイフォンコーヒーの知識や魅力をしっかりお伝えすることにも尽力しています。


スタッフと創る憩いの空間


 カフェづくりに関しては常に「非日常的な空間」を意識しています。お客様が普段の生活ルーティンを忘れ、リラックスできるひとときを過ごしていただけるように努力しています。例えば、主婦の方が来店されたとき、掃除道具などが目につくとどうしても家事のことを思い出してしまいます。そういう些細なこともしっかり心がけ、居心地よいカフェ空間を作っていきたいです。
 また、お客様が満足できるサービスをお届けするために、スタッフの成長は欠かせないものです。当社のスタッフは、4年前から香港咖啡行業協會(HKPCA)主催の  「Hong Kong Siphonist Championship」に参加しています。大会に参加することで、普段努力してきたことを披露する舞台ができ、さらに、コーヒーの知識と技術を極めるモチベーションになればと考えています。当社のスタッフは向上心が高い者も多く、2014年の大会では2位、2015年にはチャンピオンを獲得しています。今年からは香港のバリスタチャンピオンシップにも参加するつもりです。


今以上にコーヒーにこだわりを


 今後の方向性として「どこにも負けないおいしいコーヒーがある」カフェを目指します。現在のコーヒー文化は個人経営のカフェや産地にこだわった豆、ラテアートなど個性派なコーヒーが好まれる「サードウェーブ」の真っただ中です。香港の方々も近年、コーヒーに関する知識をますます身につけ、より品質が良く、個性的なカフェを求めます。その中で、どうやって他店との差別化を図るかが課題になってきます。UCCのカフェもこのタイミングで原点に返って、独自のこだわりがあるコーヒーを提供していかなければなりません。例えば、今年6月にオープンした「MELLOW BROWN COFFEE by UCC」ではビールサーバーをヒントにUCCが独自に開発したサーバでお届けするコーヒーを提供しています。ワイングラスで、ビールのようなクリーミーな泡が味わえる新感覚なコーヒーです。また、近年話題になっている「ドリップコーヒー」も取り入れました。UCCのカフェならではの体験を提供できればと考えます。当社が長年にわたり積み重ねてきたコーヒーづくりの技術とノウハウを最大限に生かし、お客様が笑顔になる一杯をお届けしていきたいと思います。



4年前からUCCのカフェ店舗のスタッフが参加している香港のサイフォ二ストコンテスト「Hong Kong Siphonist Championship」。2015年には、同社のElaine Wongさんが見事チャンピオンに輝いた。


PROFILE

しみず しょうご

北海道出身。札幌大学卒業後、2006年UCCフードサービスシステムズ入社。同社が運営するカフェの店舗責任者、ブロックマネジャー、WEB事業を経て2014年香港に出向。香港ではゼネラルマネジャーとして、店舗マネジメント、会社全体の経理・人事・販促業務、さらには店舗の出店交渉から退店まで幅広く担当。


清水さんを知るキーワード

香港でウクレレに再挑戦!


4年前にウクレレを学び始めた清水さん。香港に来てから、中断していたウクレレを再び「誰かに教わりたい!」という気持ちが強まったとのこと。いろいろ問合せたところ、友人がウクレレの会を発足してくれ、7月に初めての会合があった。


天気の良い日はスタンレー


香港で一番のお気に入りの場所といえば、海が見え、コロニアル風情溢れる街並みを散策できるスタンレーだという清水さん。天気の良い週末は家族とともに訪れ、食事を楽しんだり、のんびり海辺を散策したりしているそうだ。


待望の新店舗オープン


今年6月にUCC運営のカフェ「MELLOW BROWN COFFEE by UCC」が沙田のNew Town Plazaにてオープン。「日本と同じワッフルパンケーキや独自開発のサーバーで届けるコーヒーで新しいカフェ体験をしてほしい」と清水さん。




UCC COFFEE SHOP CO.,(HK)LTD.

住所 Flat D, 4/F, Block 1, Camelpaint Bldg, 62 Hoi Yuen Rd, Kwun Tong, KLN
電話 (852)2573-2763

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