キーマンインタビュー

Sony Computer Entertainment Hong Kong Limited
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Sony Computer Entertainment Hong Kong Limited

マネージングディレクター 所 鉄朗氏

ゲームで笑顔と感動をエンターテイメントの新しい基準を創る


1997年に香港拠点を創立した同社。商品の正流化を主とした業務から、東南アジアを統括するアジアのハブ的存在への成長のみちのりと今後の展望について伺った。


正流化事業から東南アジアの統括へ


 Sony Computer Entertainment(SCE)は、「ゲームを通じて笑顔と感動を」という理念のもと、家庭用ゲーム機(PlayStationシリーズ)ならびにゲームソフトの開発、製造、販売などを事業とするソニーグループの企業です。香港拠点(SCEH)は1997年に設立され、SCEの中でも一番古い海外拠点となります。設立当時は、香港がフリーポートということもあり、海賊版対策と販売ルートの正流化が主要事業でした。具体的には、香港のローカルマーケットにPlayStationシリーズのハード・ソフトウェアを届けることと、中国市場へ正規会社を通しての販売ルートを確保することです。PlayStation 3からは、海賊版が製造できないような技術的工夫を施しているため、香港拠点も事業フォーカスを商品正流化から東南アジアの統括へと移行しています。

 現在SCEHは、香港のほかタイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナムでの商品のプロモーションを統括しています。香港にいながら、当社がアジアを舞台に成長していくときどういう役割を果たすべきかを常に考えています。香港は、歴史的にアジア全体に情報を発信してきた地です。そして、英語が堪能な人材が揃っており、人と地域的なコミュニケーションに優れているという優位性を持っています。さらに、近隣には大きな潜在能力を持つ中国市場がある。これらの強みを活かし、アジア各地の横の連携を強化しながら、アジアでより多くのファンを増やしたいと考えます。

エンターテイメントの新基準を作る


 SCEは、エンターテイメント楽しむプラットフォームを提供する企業です。アジアでは、PC・モバイルゲームのほか、映画・TVなどゲームではない領域でも社を広げていきたいと考えます。現在ある最新機種は、インターネットと繋げることができ、ゲーム機能以外にも、HPの閲覧、CD・DVD鑑賞、動画ストリーミングなど様々な機能を搭載しています。普段ゲームをしない方でも、DVDやCDプレーヤ、スマートTVとして楽しんでいただくことができます。この方向性はユーザーからの反響も良く、SCEは2014年家庭用ゲーム機の世界販売台数で首位となっています。一番理想的なのは、家庭に一台当社のゲーム機があり、ゲーム・映画・動画などを家族全員で楽しんでいただくことです。

 また、2016年の秋にはPlayStation 4の魅力を高めるバーチャルリアリティー(VR)システム「PlayStaition VR」の世界同時販売を控えています。同システムは、VRヘッドセットをかぶると、プレイヤーを360度全方向で囲む迫力の3D空間を体験することができます。従来のTVモニターとの距離をなくし、ゲームプレイヤーにはよりリアルなゲーム体験、ほかのユーザーにも全く新しい視聴体験を提供することができると思います。技術の革新やユーザー体験の改善を通じてエンターテイメントの基準を創る、それは当社が日々目指し、尽力していることです。

イベントプロモーションに注力


 ゲームに一番効果的なプロモーションは何といってもプレイヤーに実際に体験してもらうことです。特に近年はPC・スマートフォンでゲームをする方が増え、ゲームコンソーラーすら持ったことがないという若い世代の方も多くいます。そのため、SCEHではイベントを通じてのプロモーションに注力していくつもりです。直接ゲームとは関連のないイベントにもどんどん参加を検討していきます。例えば2015年12月に開催された「TOY SOUL 2015」は玩具の見本市ですが、家族連れの来場者も多く、ほかの国ではあまりない大規模なイベントでした。SCEHもブースを設け、当社のゲーム機に触れることができる場所を作りました。そして、今年2月のアニメ・漫画・コスプレの展示会「C3 Hong Kong」や7月のアニメ・ゲーム博覧会「ACG HK」にも参加する予定です。さらに、今後はショッピングモールなどと提携し、実際にゲームを体験できる場所を増やしていきたいと考えます。
 中国本土では2014年、14年ぶりに家庭用ゲーム機の販売が解禁となり、2015年3月にPlayStation 4の販売を開始しました。今までのプロモーションの空白を埋めるためにできることはまだまだあると思います。香港で行うイベントに中国本土のメディアを招待するほか、中国側でもゲームトーナメントとそのストリーミングなどのオンラインイベントを開催していき、より多くの方にSCEの商品を知ってもらえたらと考えます。
 
 ゲームの枠組を超えたマルチなエンターテイメント機としての方向性と、常なる革新から革新的な体験を提供する技術力を備えた同社。エンターテイメントの形と基準が日進月歩する中、アジアのみならず全世界での展開にも期待させられる。今後の成長からも目が離せない企業だと確信した。




数々の商品でエンターテイメントの基準を創り続けできた同社。2016年秋には、ヘッドセットを通じて、新たなバーチャルリアリティー体験を提供する「PlayStation VR」のグローバル販売を控えている。


PROFILE

ところ てつろう

神奈川県横浜市出身。1991年ソニーコーポレーションに入社。1997年にアメリカへ赴任、パソコンモニターの営業を担う。その後、カナダではAV商品、ブラジルではモバイルコミュニケーションのマーケティングに携わり、かれこれ15年の海外駐在の経験を積み重ねる。2015年に来港し、現在に至る。


<所さんを知るキーワード>

大都会・香港に魅了


かれこれ15年以上海外で生活をしてきた所さん。同じアジアであるという安心感と、優れた交通や治安から、来港してすぐ香港が大好きになったという。「いままで赴任してきた場所の中では一番かも」と早くもお気に入りの様子だ。


仕事は現場を大事に


各地のスタッフと仕事をしていく上で、一番大切なのは「現場を大事にする」こと。現場の人が会社を好きになって、当事者意識を持つことが会社の成長に繋がると話してくれた。写真は、香港オフィス一同がオーシャンパークで撮影したもの。


イベントを通してファンを増やす


ゲームに一番効果的なプロモーションはユーザーに触れてもらうこと。そのため、ゲーム・アニメ関連のイベントにも積極的に参加しているという所さん。写真は、2015年12月に開催された玩具見本市「TOY SOUL」の記者会見にて。




Sony Computer Entertainment Hong Kong Limited

住所 Suite 01-07, Level 16, Office Tower, Langham Place, 8 Argyle St, Mong Kok, KLN MAP
電話 852-2341-2356

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