キーマンインタビュー

KDDI Hong Kong Limited
  • ビジネス記事
  • キーマンインタビュー

KDDI Hong Kong Limited

CEO 井出 洋一氏

アジア拠点間の連携強化を通して高品質なICTサービスを提供


1988年に香港で現地法人を立ち上げ、アジアでオフィス構築、データセンター、ソリューション事業など幅広い業務に従事する同社に今後のアジア展開の展望を伺った。


1988年に香港で現地法人を立ち上げたKDDI香港。日系企業のオフィス構築をはじめ、アジアでデータセンター、ソリューション事業など多岐にわたる業務に従事。今回は、アメリカでの駐在経験もあり、今年4月より同社のCEO及びデータセンター「HKCOLO.NET」の会長を務める井出氏に、今後のアジア展開に対する展望を伺った。


品質重視のICTサービス


 KDDIが香港に進出したのは、1961年のことです。当時は事務所のみ設置し、現地の通信事業のリサーチを主に行っていました。その後1988年に現地法人化し、日系企業のITシステム及びオフィス構築が主要事業でした。現在KDDIグループは香港で3つの会社を設立しています。一つは、インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジー(ICT)を主な事業とする「KDDI香港」で、特に日系企業のお客さまには、オフィス環境構築や移転をワンストップでお手伝いする「まとめてオフィス」サービスが好評をいただいています。もう一つは、100名のスタッフを有する大規模なデータセンター「HKCOLO.NET」、そして、アジア複数国でソリューション事業を展開する「DMX」です。ICT業界は近年、技術革新のスピードが速く、大変競争が激しい状況にあります。その中でKDDIは、品質とアフターサービスで勝負したいと考えています。お客さまの意見に耳を傾け、実践に取り組みながら少しずつ改善していくことに尽力しています。また、お客さまにより高品質なサービスを届けるため、現地の特性に応じた仕組みづくりも大切だと考えます。特に香港では、変化に臨機応変に対応できる体制を整えています。技術は無論ですが、サービス面でも評価されるICTサービスを目指しています。

KDDIフィロソフィを徹底


 KDDIはアジアのみならず、グローバルに展開する企業です。今回アジアに勤務して印象的だったのは、アジア、特に香港では「日本品質」が高く評価されていることです。欧米企業とのビジネスでは「グローバルスタンダード」をとても重視しますが、アジアでは「日本品質」を徹底し、武器にしていきたいと考えます。その一つの取り組みとして、「KDDIフィロソフィ」を香港拠点で徹底しています。「KDDIフィロソフィ」にはマネージメントの経営への取り組み姿勢のみならず、判断の基準、従社員の日々の業務に対する在り方なども詳しく書かれています。それを月に2回ほど、広東語・英語のグループに分かれ、テーマを決めてスタッフみんなで意見交換会を開催しています。内容は、フリーディスカッションを中心に、実際どのようにフィロソフィを仕事に活用するかのケーススタディなどがあります。また、リージョン内の各拠点の経営幹部が集まり「KDDIフィロソフィ」について話し合い、意見交換も行っています。
 もう一つ感じたのは、アジアでビジネスをしていく上では「人脈」が重要だということです。ですから、中国・香港・韓国では積極的に人脈ネットワークを広げていく努力をしていきたいと思います。

アジア拠点間の連携を強化
 
 香港はとても競争が激しい市場です。特に近年はデータセンターが増えています。また、海外や中国本土から進出した企業とビジネスをすることが多く、その企業の本国の景気によって香港事業への影響が出やすいという特徴があります。さらに、東南アジアに比べてコストが高く、安定的な成長路線を維持するのがタフなマーケットとも言えます。そのような状況の中で、会社のバリューを増やすためには、いかにリージョン或いは拠点間のクロスセルを強化していくかが、今後KDDI香港の課題となります。近年、北京・上海・広州など中国本土からの進出企業が増えており、香港に一度ベースを作って東南アジア展開のステップストーンとして活用する企業が多く見られます。香港に絞った事業ではなく、東南アジアや中国本土の各拠点と連携したサービスを提供していくことが新たな可能性を広げる鍵だと考えます。香港という多国籍企業が林立するユニークなゲートウェイを利用し、中国と東南アジアの架け橋的な存在としてお役に立てたらと思います。それに伴い、中国本土の企業や香港に進出した企業との関係を強化していくのも課題となります。中国本土でイベントなどを通じてKDDI香港を知ってもらい、送客力を上げるために、中国本土でのビジネスパートナーを増やしていくのが目標です。


 変化し続けるICT業界、そしてアジアのビジネス事情を敏感に捉え、高い品質と一流のサービスをより多くの顧客に届けようと尽力する同社。今後の展開からもますます目が離せない企業だと確信した。


日本品質を差別化にできるよう、十数名の日本人スタッフを含め、チーム一丸で日々、改善努力。


PROFILE

いで よういち

神奈川県出身。慶応義塾大学経済学部卒。ソリューション事業本部海外法人営業部担当部長を経て、2007年にグローバルICT本部グローバル営業推進部部門長に就任。2013年、KDDI-BTグローバルサービス株式会社の取締役も兼務。2014年4月にKDDI香港CEO兼HKCOLO.NET(テレハウス香港)会長に着任し、現在に至る。


<井出さんを知るキーワード>

健康のため毎週ゴルフに励む


日本では年に1、2回だったゴルフを、健康のために香港では、社員や単身赴任の仲間と毎週行っている。西貢(サイクン)や清水湾(クリアウォーターベイ)のゴルフ場をよく利用する。(写真左からトッパン・脇田氏、KDDI・井出氏、富士通・綱川氏)


KDDIの理念を常にリマインド


香港拠点で徹底したいKDDIのフィロソフィ。その理念を綴った手帳とペンを常に身近なところに置き、判断に迷った時はそれを読み、KDDIフィロソフィに戻り、応用しているとか。


将軍澳の開放感がお気に入り


来港した当時は香港島の湾仔に住んでいたが、4カ月前に将軍澳へ引っ越した井出氏は、そこの開放感が気に入っている。自宅の近辺は自然が豊かで、運河沿いでウォーキングするのが週末の日課。





KDDI Hong Kong Limited

住所 10/F, West Wing, Warwick House, Taikoo Place, 979 King's Rd, Quarry Bay, HK MAP
電話 852-2919-5244

ピックアップ

Concierge
コンシェルジュ公式App

CCG Concierge

上海・大連への
便利な街案内&生活情報アプリ!

ダウンロードはこちら
  • App Store からダウンロード
  • Android からダウンロード
  • App Store からダウンロード
  • Android からダウンロード

ピックアップ

Concierge 公式SNSアカウント
Concierge 公式SNSアカウント