キーマンインタビュー

AEON Credit Service(Asia)Co., Ltd.
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AEON Credit Service(Asia)Co., Ltd.

マネージングディレクター 田中 秀夫氏

20年以上のアジア展開で守り続けたお客さまを大切にする心



1980年代より香港、タイ、マレーシア、中国などアジア全体で展開する同社に、文化と商習慣が異なる市場の中で蓄積したノウハウと今後の展望について伺った。


1987年に香港へ進出し、1990年に香港現地法人を設立した「イオンファイナンシャルサービス」(旧イオンクレジットサービス)。クレジットカードの発行と信用保証事業をメインとするほか、タイ、マレーシア、中国などアジア11カ国で事業を有し、グローバルな展開を視野に入れて来た同社。今回は、マレーシア・ベトナム・香港での勤務経験を持つ香港現地法人のマネージングディレクター・田中氏に、同社が20年以上のアジア展開で蓄積したノウハウや経営理念、さらに今後の展望を伺った。


それぞれの個性を持つアジアの市場


 当社が設立した初めての海外拠点は香港です。日本では、カード会社としては後発組でしたが、アジアの成長性を見越し、アジア全域にクレジット消費の時代がくることを見据えた上での決断でした。1985年に香港で初めてのイオンの店舗が進出し、その時から当社も着々と準備を進め、1990年に正式な香港現地法人を立ち上げました。香港では、数少ない銀行以外のクレジットカード発行会社として、イオンと提携した「イオンカード」のサービスを主要事業としています。現在香港での利用者は人口の約1割、100万枚以上のカードが発行されています。

 香港拠点が設立された後も、イオンの店舗のアジア各国進出に伴い当社も各地でサービスを届けています。アジア展開を開始して20年以上を迎える今、タイ、マレーシア、中国などアジア11カ国で事業を展開しています。
 アジアは各国の経済発展状況や文化、消費習慣が異なるため、それぞれの市場がユニークな個性を持っています。例えば、以前勤務したベトナムでは、分割払いを提供する会社が少ないため、現地の方の間では家族や親戚からお金を借りるという習慣が根強くありました。クレジットカードに慣れてもらうため、若者を中心としたプロモーションに着手したところ、なかなか良い反響が得られました。
 そういった各々が個性を持つ市場で事業展開して行く上で、最大のチャレンジであり、同時に最も大切なのは、現地のパートナー・お客さま・スタッフと直接コミュニケーションがとれるようになることだと考えます。それは、言語だったり、現地文化に対しての理解だったり、やはり直接コミュニケーションをとることで互いの気持ちが通じ合い、より良い関係を築き上げることに繋がると考えます。

お客さまを大切にする心


 アジア展開をして行く上で、日系企業として守るべきものはやはり「お客さまを大切にする心」だと考えます。当社は、常にお客さまが利用しやすいサービスに目を向け、「お客さまのために何ができるか」ということを全ての出発点としています。
 例えば、一般的なクレジットカードの特典は、どうしても提供する側の都合により「期間限定」だったり、条件が多いものになりがちですが、当社の「イオンカード」はイオンの店舗と提携しているため、「毎月2日・20日は5%オフ」などの特典を長期間安定して提供することができます。また、以前から年会費も低めに設定し、お客さまが持ちやすいカードとなっています。
 さらに、今年の9月には、日本航空(JAL)と提携し、イオンカード・イオンメンバーカード・JALマイレージの3つのメリットが1枚に集結した「AEON card JAL」の発行を香港で始めました。イオンのポイントカードを持つイオンカード会員さまの中には、JALマイレージを貯めている方も多くいます。そういった方のために、1枚のカードで両方のサービスが享受できるようにしました。また、香港外で「AEON card JAL」を利用した場合の為替手数料についても、他社の一般的なカードの半分程度です。全ては、「いかにお客さまに便利に使っていただけるか」ということを踏まえたサービスです。


中国展開とサービスの初心 


 当社としては、今後中国での展開にも注 力して行く予定です。ビジネス環境が難しいということはありますが、中国は大いにポテンシャルがある市場だと考えます。
 また、香港でも基本に立ち返りサービスを改善して行くつもりです。香港は成熟した市場であるという声をよく聞きますが、まだまだ出来ることはたくさんあり、更なる成長を目指していきたいと考えます。例えば、対顧客のサービスでは、さらにしっかりとお客さまのニーズに応えられるような体制を作って行きたいですし、運営方面でも今出来上がっている体制を見直し、新たなテクノロジーを取り入れ改善して行くことが今後の課題となります。
 
 常にお客さまの立場に立ち返ってサービスを見直し、アジア展開にもまだまだ意欲的な姿勢を見せる同社。今後の道のりも期待させられる企業だと確信した。


今年9月28日に太古のイオンコーンヒル店にて「AEON card JAL」の記念セレモニーが開催された。セレモニーには3社の代表が出席し、迫力満点の太鼓パフォーマンスも行われた。


PROFILE

たなか ひでお

1995年イオンファイナンシャルサービス(旧イオンクレジットサービス)に入社。福岡支社の営業を経て、香港へ赴任。1999年日本本社の開発本部に加入、提携先や加盟店との交渉に従事。その後、マレーシアとベトナムへ赴任。ベトナムでは会社設立に携わり、2008年に社長として就任。2015年5月に来港し現在に至る。


<田中さんを知るキーワード>

年に1回は家族で旅行


「休みが取れれば家族旅行。ベトナム駐在中にアンコールワットとシドニーに行きました。今年の旧正月には香港に転勤するとは夢にも思わず、家族で香港に旅行に来てしまいました」と田中氏。次回はヨーロッパの旅を計画中。


現地の人と現地の味を楽しむ


「現地では現地の味を楽しみます」と田中氏。特に「その国の料理をその国の人と楽しむ」ということが、長い海外勤務経験から得たコミュニケーションの良い方法だとか。


ベトナムでの成長


2005年単身でベトナムに乗り込み、2008年に会社設立。設立時は従業員10名だったのが、ベトナムを離れた2015年5月には、1,500名の規模までに。イオングループの教えでもある「お客さまを大切にする心」を心がけて着実に会社を成長させたとのこと。




AEON Credit Service(Asia)Co., Ltd.

住所 20/F, Miramar Tower, 132 Nathan Rd, TST, KLN MAP
電話 852-2239-9220

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