キーマンインタビュー

香港航空有限公司
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香港航空有限公司

副総裁 孫 剣鋒氏

航空便で結ぶアジア太平洋「人」と成長することで社会に貢献



 2006年に創立、たった2機の飛行機からスタートし、今は3000名近いスタッフと、今年は年間で延べ600万人の乗客が予測される航空会社へと成長した同社。香港を拠点に、アジア太平洋地区を中心に約30都市への航空便を有し、特に近年は、日本への直行航空路線を積極的に開拓中。沖縄、鹿児島、札幌、宮崎に続き、今年の年末には熊本への直行便が就航する予定だ。今回は、香港航空有限公司の副総裁であり、現役パイロットでもある孫剣鋒氏に、同社のこれまでの歩みと今後の展望について伺った。


アジア太平洋地区を空で結ぶ


 2006年設立当初は、飛行機2台のみという小さな規模からスタートしました。航空路線は、中国本土と東南アジアが中心です。特に、当時メジャーな目的地ではなかった中国の天津、昆明、済南などの都市に香港から直行便を飛ばしたことで、香港の航空マーケットの既存路線を補い、健全な競争環境を作ることができました。その後、2010年6月にモスクワ便就航、同年11月にロンドン便就航と、ヨーロッパへの長距離航空路線も積極的に開拓していき、迅速な成長を見せた時期だったと思います。2012年、全面的に運営方針を分析検討した結果、当社はアジア太平洋地区を中心とした路線に一番の強みがあるという結論に至りました。それなら、地域の優位性を利用し、アジア太平洋地区に専念して、より良質なサービスを提供していくことに決めました。


サービスは「ハート」を重視


 香港はローカルおよび海外の優秀な航空会社が集まる、非常に成熟した航空サービス市場を有しています。その中でお客様に覚えてもらうには、「ハード」と「ソフト」を徹底するだけだけでは足りません。そのため、当社では、「ハート」――心のこもった親切なサービスを徹底しています。香港のお客様は、過剰に丁寧なサービスより、自然で対等なサービスを好みます。当社では、「積極的で親切な、そしてニーズに合わせたサービス」を心掛け、お客様と接触するフライトアテンダントやカスタマサービスのスタッフが、フレキシブルに対応できる体制を整えています。また、誕生日や記念日を迎えたお客様やお子様には「Sweeten You Up」サービスを用意しています。予約していただければ、カウンターから機内まで、当社のスタッフから温かいお祝いが贈られるほか、ケーキなどのプレゼントもあります。お客様にとって、香港航空の利用が忘れられない体験となるよう常に尽力しています。そういったスタッフ一同の努力もあり、当社は、2011年よりイギリスの航空サービスリサーチ会社「SKYTRAX」から4つ星の評価をいただいており、2014年には、「最も進歩の速い航空会社」と評されました。


「人」とともに成長する企業

 香港航空は、まだ「若い」会社です。ですから、お客様やスタッフとともに成長していくことを大切にしています。当社は小・中学生を対象とした企業見学を毎年6回開催しています。子どもたちに、機内食の調理場や、普段は滅多に入れないコックピットを紹介し、航空サービスの仕事を体験してもらっています。航空サービスという職業に対して興味を持ってもらい、そして、その中から将来ともに働く仲間が生まれることがあれば、とても嬉しいことだと思います。スタッフに対しても、当社では、様々な賞を設け、努力の成果を讃えています。また、福祉活動などにも積極的に参加しており、社会に少しでも貢献ができるように尽力しています。活力に満ちた香港のように、香港航空も若い世代とともに成長する活力溢れる企業でいたいと思います。

FITを手助けする専門家
 
 近年、香港では旅行に対するニーズが大きく変わってきています。観光・買い物メインに旅するお客様よりも、体験や文化交流がメインのFITが増えています。そういったニーズに応える取り組みの一つとして、2014年より鹿児島県、宮崎県、そして熊本県と、九州への直行便を開拓してきました。私も宮崎の就航式の時に訪れましたが、九州には独自の個性があり、香港のお客様がきっと好きになる場所だと考えています。日本は、もともと香港で人気の旅先です。九州直行便を通して、「知っているようで新しい日本」を発見していただけたらと思います。今後は、既存の日本直行便の頻度を増やし、東京、大阪など主要都市への路線を再開することも検討しています。日本以外では、来年にオーストラリアのケアンズ、ゴールド・コーストなどへの直行便も就航する予定です。
 まだメジャーではないけれども香港のお客様が興味を持つ旅先に航空路線をつくり、お客様が気軽に新しい街を探索できる手助けをする「FITの専門家」になる。それが今後、当社が注力していきたい主な分野です。


航空サービス業界の評価に権威を持つ「SKYTRAX」のアワード表彰式にて。香港航空は、2014年「世界で最も進歩の速い航空会社」と評された。「スタッフ一同の努力が実り、とても感動した」と孫さん。


PROFILE

そん けんほう

1985年に空軍に入り、1997年に民営航空会社のパイロットに転勤。アメリカ勤務を経て、中国の海南航空にて運航安全及び運営を担当。その後、2009年に香港航空に入社し、副総裁を務める傍ら、2週に1回飛ぶ現役パイロットでもある。スタッフの率直な意見により運営方針を見直せることから、現場での時間を大事にしている。


<孫さんを知るキーワード>

家族親睦はスポーツで


普段は多忙の孫さんだが、時間がある時は家族と過ごすようにしているとのこと。特に、息子さんとは、バスケットボールやハンドボールなどのスポーツをともに楽しむことが多い。


社内クリスマスパーティ!


毎年の一大行事である香港航空のクリスマスパーティは、スタッフ全員が参加。孫さんも、各部門へ出向かい、クリスマスプレゼントを届けている。写真は、香港国際空港のVIPラウンジ「Club Bauhinia」のスタッフのパーティに参加した時のもの。


最初の直行便で宮崎へ


2015年3月に香港ー宮崎の直行便が就航。最初の便で、就航式が開催される宮崎へ向かった孫さん。初めての九州では、大変良い思い出を残したという。特に、九州の独特な風情と、温かく迎えてくれた当地の人々に魅了された。




香港航空有限公司

住所 11/F, One Citygate, 20 Tat Tung Rd, Tung Chung, Lantau MAP
電話 852-2296-1148

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