キーマンインタビュー

Hitachi East Asia Ltd.
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Hitachi East Asia Ltd.

Managing Director 中江 隆比古氏

日立グループ香港進出50周年

「社会イノベーション事業」で

香港社会の発展に貢献



1964年に香港進出を果たした日立グループ。家電製品、高機能材料、IT、金融、昇降機、物流など多方面で事業を展開し、2014年に50周年を迎えた。今後の展望に迫る。1964年、東京オリンピックの年に家電部門初の海外拠点を香港に設立した日立グループ。高い品質ときめ細かいアフターサービスで支持を得た同社は、2014年に香港進出50周年を迎えた。現在は、家電製品のみならず、社会産業システム、IT、物流など多方面にて、事業を展開している。


 今回は、1978年に、香港日立グループの統括会社として設立された「HITACHI EAST ASIA」のマネジングディレクターの中江氏に、今後の展望について伺った。

「まじめなものづくり」が生んだ
香港マーケットからの高い信頼


 進出当時の香港は、工業化が進み、一般消費者のテレビやラジオなどの家電製品に対するニーズが高まっている時期でありました。そこで、家電製品部門の海外初拠点となる香港日立有限公司を設立しました。そして、日立グループが掲げる「優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する」という企業理念に基づき、品質を追求した製品と、お客様フォローを徹底するアフターサービスを実行しました。その結果、現地の皆様の信頼を得ることができ、「家電製品といえばHITACHI」という大変嬉しい評価をいただくことができました。
 当時の香港は成長著しい時期にあり、都市建設の勢いも増し、家電部門が進出した2年後には、エレベーターなどの産業システムを生産する子会社が進出しました。その後も、産業機械、金融、ITシステム、物流などの事業が次々に香港に進出。そして、現在、香港では、グループ全体で、約30社が事業を展開、約1800人の従業員を有するまでに成長することができました。

「地産地消」に加え、さらに

「ローカリゼーション」も強化


 香港拠点設立後、1981年には、当時主力のテレビを中国本土で製造するため、日本メーカーとして初の日中合弁会社を設立しました。現在中国では、約180社が事業を展開し、ATM、鉄道システム、昇降機、建設機械、高機能材料、医療機器など、多岐に渡る事業に取り組んでいます。
 事業領域が多岐に渡ると各社・部門が個々にビジネスを展開することになりますが、お客様は、全ての部門を「HITACHI」として認識します。だからこそ、グループ一丸となり、「ONE HITACHI」としてサービスを提供していく必要性を強く実感しています。一方で、海外拠点では、できる限り「地産地消」のビジネスモデルを徹底しています。製品を「作って終わり」ではなく、開発、製造、販売全てを現地で行い、お客様に近いところでそのニーズを聞き入れ、改善に取り組み、さらに、現地の有力なパートナーと提携し、継続的な展開を図ることが大事だと考えています。 
 また、新しい土地でビジネスをするということは、現地の慣習や文化を尊重しなければなりません。本年4月1日より、米州、中国、アジア・パシフィック、欧州・ロシア・中東等の4地域に、各々の社会やお客様に対する日立グループとしての代表機能をもつ総代表を任命しました。各総代表が戦略立案や現地化の推進、新たな事業分野に対する投資権限などをもち、各地域が自律的にビジネスを主導する「自律分散型グローバル経営」体制への変革を図っております。すべての案件を日本本社で決済すると、現地のスピードについていくことが困難です。「ローカリゼーションはグローバル化への第一歩」という定説に従い、現地に権限移譲し、よりスピーディーに各地の需要に応えていくべきだと思います。


香港の発展に貢献すべく、

あらたな「社会イノベーション事業」を始動


 香港進出50周年を契機に、香港社会の発展を見据えたあらたな「社会イノベーション事業」を開始しました。これは、日立のハードウエア技術を活用し、システム面でも研究と革新を図り、社会が直面している医療保険や高齢化対策、福祉政策などの問題に対してソリューションを提供するというものです。現在、マーケットでは、クラウドシステムやビッグデータなど、情報共有と数値分析を中心とした技術が注目されています。そういった最先端技術を活かし、社会のより良い発展に貢献していきたいと考えています。
 また、「社会に貢献する」という、日立のミッションのもと、「社会イノベーション事業」の展開以外にも、香港の浜辺でゴミ拾いをする「HITACHI BEACH cleanup」や、小学生を対象とした「ECO教室」などのCSR活動を積極的に実施しています。

 日立グループはCSR活動に注力しているほか、現在、ヘルスケアやビックデータの分野でも、現地の香港企業との連携を図り、香港政府の事業にも積極的に参加する意欲をみせている。今後の展開が期待できる企業だと確信した。


今年3月15日、香港の福祉事業を支援する募金活動「WALK FOR MILLIONS」に日立グループが参加。従業員とその家族447名が、5.5kmのコースを完歩した。


PROFILE

なかえ たかひこ

1957年10月21日生まれ。京都府出身。関西学院大学商学部卒業後、日立家電販売に入社。貿易部の仕事を経て、海外販売のマーケティング部門に従事。1987年に渡米し、ロサンゼルス、アトランタ、サンディエゴに通算14年弱駐在。その後、上海拠点を経て、2013年に来港し現在に至る。


<中江さんを知るキーワード>


米国アトランタで五輪観戦


ご夫婦とも京都府立網野高校出身の中江氏。アトランタ駐在時に、世代は違うが高校の後輩である志水選手が、96年アトランタオリンピック女子5000mに出場することを知り、ご家族で応援。タレ幕の“網高志水ガンバレ”が見えたとの事で、後日奥様の実家にお礼の色紙が届いた。(結果4位入賞)


いつも支えてくれた家族


奥様とお嬢様3人の5人家族という中江氏。2005年単身赴任中のサンディエゴで急遽目の手術をすることに。お嬢様が大学受験を控えているという時期だったが、奥様が渡米し、看護サポートを。「家族に支えられている」と実感した瞬間である。


健康管理のためのジョギング


若い頃からジョギングを続けている中江氏。香港では、スタンダードチャーターマラソン大会のハーフマラソンにも挑戦。香港島側のHITACHIのネオンサインを眺めながら、黄埔海沿いのプロムナードを走るのが週末のリフレッシュタイムとなっている。




Hitachi East Asia Ltd.

住所 6/F, North Tower, World Finance Centre, Harbour City, Canton Rd, TST, KLN MAP
電話 852-2735-9218

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