Concierge大連 2014年7月号
  • ジャパンブランド最前線 食品メーカー
  • ジャパンブランド最前線 食品メーカー

    食品メーカー2社が語る、中国市場での挑戦と現状を紹介します。

日本の麺を中国に普及

勝負どころはアレンジ力


シマダヤ株式会社

Since 2012年9月


マーケティング本部 海外事業部

マネージャー 加藤隆史さん


2000年入社。営業部、商品企画部、海外事業部を経て2011年12月より大連拠点設立のため準備班に配属し大連へ赴任。以降シマダヤの「麺男子」として飲食店、販売店を巡り商品をプロモーション。


↑久光百貨・生鮮館(フレッシュネス)、万国小厨、里奥陽光超市(Leo Young)などで販売を展開


 冷凍麺の中国市場開拓と大連天賜食品有限公司をパートナーに生産拠点を設置。初の海外拠点であり、私自身も現地でのマーケティングは初めてで、まさに手探り状態。競合他社に比べかなり後発であり、中国での経験では勝てない分、品質はもちろんのこと「提案力」と「サービス」に注力し挑んできました。

 現在スーパー、小売店への卸売りと飲食店向けの業務用販売を中心に展開。冷凍麺というデリケートな商品ゆえ、販売店を回り保存状態をチェックするほか、「どうすれば売れるか」をお客さまと同じ立場で考え、スーパーでの試食会、試食コーナーの設置など、日本同様に販促活動をまめに行います。更に日本料理店をはじめとした飲食店関係者を集め、レシピ指導会も実施しています。
 日本人向け料理店以外に、ローカル店への卸売りも全体の40%を占める高い割合となっています。そういった層へいかに入り込んでいくかも重要課題です。しかし食文化の壁は予想以上に高かった。麺の食感、麺との相性が重要なスープ・つゆの味、具材、盛り付け方全てが日本とは異なります。

 「日本の味」を売り込むと息巻いてきたもの、従来のレシピが通用しない→買ってもらえなくなる。そこでいかに日本の麺を現地化させるかをポイントに絞りました。現地スタッフらを交えレシピ研究、試食会を行いながら、これまでにコチュジャンうどんなどが実際にメニュー化。また日本品質の良さを買っていただき、某フードコートではこれまでの涼皮(でんぷんの麺)に当社のきしめんを使うなどレシピが広がっています。中国の皆様においしく食べていただいていることを嬉しく思い、大いにやりがいを感じます。

 現在うどんの取り扱いが中心ですが、ラーメン、そしてパスタの販売に力をれたいところです。夏の冷製パスタは日本ではお馴染みですが、こちらでは冷えたものは好まれない食文化もあり、浸透するにはまだまだ時間がかかりそうです。タイミングを見ながら、シマダヤの冷製パスタレシピを伝授し、これをきっかけに、中国での流行を作ることができればと期待も膨らみます。


日本流のこだわり

生産から保管まで、品質へのこだわりはもちろん、日本同様にスーパーでの試食や飲食業を集めてのレシピ指導など、商品力を上げる活動を積極的に。

中国式への転換

日本の味を押し付けない。現地の人々の嗜好にあったこれまでにないレシピを研究・開拓。ローカルスタッフの意見は積極的に取り入れる。


<主な販売先>(グループ全体)

世界35カ国

日本国内生産は全て日本及び海外へ輸出。香港をトップに韓国、タイ、シンガポールなどのアジア圏、アメリカ、カナダほかイギリス、フランス、イタリアなど欧州圏へ。中国生産商品は大連、瀋陽、丹東ほか山東省、天津など華北地区へ。




↑野菜たっぷり黒酢で味付けした冷やし中華風うどん(1枚目)とコチュジャンを絡め和えたビビン麺風うどん(2枚目)。普通のうどん、細うどんとそれぞれの特性を活かし、バラエティに広がりをみせる


■DATA

<大連拠点>大連天賜食品有限公司
甘井子区大連湾鎮棉花島村

℡8710-8253
<本社>東京都渋谷区 www.shimadaya.co.jp

お問い合わせは大連天賜食品有限公司



「安全・安心・美味しい」
日本の缶詰文化を普及


川商フーズ株式会社
川商(大連)貿易有限公司

Since 1986年4月


川商(大連)貿易有限公司
総経理 
幸前正次さん


1996年川鉄商事入社、食品部にて対中国事業に携わる。2004年の分社化で川商フーズへ。以降青島駐在を経て2012年4月より大連へ。


 ゲイシャ(GEISHA)ブランドを所有し、OEM及び自社ブランド製品の製造拠点としてアメリカほか中国では保定、寧波、紹興に合弁の工場を置き、主に果実、野菜など農産物の缶詰(袋詰)、サバやアジなどの水産缶詰を生産。中国は大連をヘッドオフィスに、青島、寧波にて世界(西アフリカ、中東、アメリカ、東アジア、日本)へ向けた輸出業務支援を行ってまいりました。
 改革解放以前は、計画経済の中まじめに製造されていた高級食品でしたが、経済成長と共に中身が見えないという点で粗悪品が溢れ、低級食品の位置づけとなってしまった鉄缶詰。そこに100年以上の歴史を持ち、缶詰に精通した日本のメーカーとして、少々高額で中身が見えなくても「安全・安心・美味しい」をコンセプトに、2010年より中国国内販売事業を開始。市場開拓は必務ですが、まずは狙い通りに動ける組織作りを固めることから始めました。現在は大手スーパー・業務筋への販売、食品加工工場向けの原料提供、新たな試みとして、コンビニエンスストアとのコラボでスイーツ商品も実現化。さまざまな方面で、ようやくカタチになってきたところです。
 今後、さらに市場に斬り込むべく、食品博覧会や展示会でのプロモーションに積極的に取り組み、中国の皆様に広くご提供できるよう努めてまいります。


日本流のこだわり

未知のマーケットの嗜好を、勝手な想像で中途半端に仕上げるより、既存の日本向け商品を以って販路を拡大中。

中国式への転換

サバの缶詰は日本の定番の味付けだが、日本にない商品の「サバの缶詰トマトソース激辛味」は内陸部でヒット商品に。


↑缶詰からゼリーまで。LAWSON、久光百貨・生鮮館(フレッシュネス)、マイカルなどで販売中


↑夏季限定販売中のLAWSONとのコラボスイーツ「熱帯水果」。現地スタッフの提案から始まりました


■DATA

<大連拠点>西崗区中山路147号森茂大厦13階

℡8360-3006(日本語可)

<本社>東京都千代田区 www.kawasho-foods.co.jp

お問い合わせは川商(大連)貿易有限公司



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