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上海衆逸企業管理諮詢有限公司
納税者が他の区域へ移転する際の利便性の向上
国家税務総局は2024年7月29日付で「納税者が他の区域へ移転する際の利便性をさらに向上させ、全国統一市場の構築を支援するための国家税務総局による通知」(税総征科発(2024)38号)を公布しました。本通知は2024年9月1日から施行されます。
本通知は、納税者の地区間移転手続きのサービスをさらに最適化することを目的としています。
一、ガイドラインの提供および事前通知の最適化
税務機関は、市場監督部門との登記情報の共有を強化し、同部門から共有された地区間住所変更の登記情報に基づいて、電子税務局などのチャネルを通じて納税者に対し、地区間移転に関連する税務手続きのガイドラインを積極的に送信し、未処理の税務手続きを確認するよう促す必要があります。
二、異なるシナリオの細分化および処理の迅速化
(一)未処理事項の最適化
地区間の移転を申請する納税者が未処理の税務事項を抱えている場合、納税者の申請に基づき、その場で納税者に手続きを進めるかどうかを確認し、進める場合、税務機関は期限内に完了する必要があります。納税者が手続きを進めないと選択した場合、税務機関は即座にその税務事項を終了します。
(二)発票使用手続きの簡素化
全面的にデジタル化された電子発票を使用している納税者については、情報システムが自動的にその発票の発行限度額を移転先に転送します。発票発行機器を使用する納税者は、同一省内での移転時には、発票発行機器の情報をオンラインで変更でき、移転元の税務機関への発票発行機器の返却は不要です。省をまたぐ移転時には、オンラインで遠隔操作により発票発行機器を廃止でき、移転先の税務機関で直接発票発行機器を取得することが可能です。あるいは、全面的にデジタル化された電子発票を使用することもできます。
全面的にデジタル化された電子発票を使用している納税者については、情報システムが自動的にその発票の発行限度額を移転先に転送します。発票発行機器を使用する納税者は、同一省内での移転時には、発票発行機器の情報をオンラインで変更でき、移転元の税務機関への発票発行機器の返却は不要です。省をまたぐ移転時には、移転先の税務機関で直接発票発行機器を取得する、又は、全面的にデジタル化された電子発票を使用することもできます。
(三)税務リスクの分類処理
納税者が未処理のリスク事項を抱えている場合、税務機関は低リスクのものについては即座に移転手続きを行い、リスク事項を移転先税務機関に引き継ぎます。中・高リスクのものについては、規定に基づき期限内にリスク事項への対応を完了し、迅速に移転手続きを行います。
(四)還付手続きの最適化
納税者に税金の過払いがある場合、情報システムが自動的に還付手続きを促します。移転前に還付手続きを選択した場合、税務機関は期限内に処理し、還付を行わないと選択した場合は、移転後に還付手続きを行うよう指導します。
三、継続的な追跡指導と事後サービスの改善
移転先の税務機関は「ワンストップ」の移転サービスを提供し、納税者の納税信用レベル、発票の発行上限額、前払税金、所得税の繰越損失、増値税一般納税者の資格、未控除の増値税仕入税額などの権利および資格が継続されることを保証し、移転前の未処理の税務手続きを速やかに指導します。
各税務機関において、納税者の地区間移転サービスを持続的に最適化し、地方保護主義に断固として抵抗し、納税者の正常な移転を妨げる行為は厳禁となります。また、違法なリスク事項の発動による移転妨害や、納税者の移転を阻害する条件設定などは禁止されます。過去には、税務上の管轄区域外への移転は、会社の清算と同等の難しさがあり、自由に会社の登記場所を変更する際の障害となっていました。今後は、企業がビジネス環境に応じて自由に登記場所をスムーズに変更できることが期待されます。