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中国特許法の手引き(18)

前回は、特許権請求事項の解釈および権利侵害の抗弁のうちの先行技術の抗弁について説明しました。

今回は、権利侵害抗弁のうちのその他抗弁方法である先使用権、権利用尽、その他の抗弁などについて説明します。


① 先使用権

先使用権について、特許法第69条の(二)に、「特許出願日の前にすでに同一製品を製造し、同一の方法を使用し、または製造、使用に必要な準備をすでに整えており、かつ従前の範囲内において製造、使用を継続する場合」は特許権の侵害に見なさないとしています。本項に基づき、先使用とならないためには、(1)先使用が特許出願日(優先権日)の前であること。(2)使用者がすでに同一製品を製造し、同一の方法を使用し、または製造、使用に必要な準備をすでに整えていること。(3)従前の範囲内において製造、使用を継続すること、といった条件を満たす必要があります。


② 権利の用尽

学説で言う特許権の用尽とは通常、特許権者またはその被許諾者が製造した製品が販売され、既に収益を獲得している場合、これは当該製品に付される特許権がすでに用尽されており、当該製品の購入者もしくはその後の第三者における使用もしくは転売は、特許権の侵害を構成しない、という意味です。つまり、特許品の初めての販売に端を発するので、ファースト・セール・ドクトリン(First Sale Doctrine)とも言われています。学説では、特許権者の利益を損ねない状態で、初めて商品を販売した後は、特許権者は当該商品の市場流通にみだりに干渉してはならないとしています。


③ その他の抗弁

その他の抗弁として、正当な理由による抗弁、専ら科学研究および実験のために関係特許を使用する場合、トランジット、医薬行政審査、権利の乱用、権利の抵触など多くのものがあります。ここでは、重要とみられる2項目について説明します。


⑴ 医療行政審査

「特許法」(2008)第69条の(四)に、「行政審査認可に必要な情報を提供するために特許薬品または特許医療機器を製造、使用、輸入する場合および専らそのために特許薬品または特許医療機器を製造、輸入する場合」は特許の侵害行為に見なさないとしています。薬品や医療機器は、発売前にかなりの時間をかけて非常に複雑な行政審査を行う必要があり、この期間中は、特許の有効期間が過ぎた後も特許権者が長期間にわたって市場を独占する状態となります。このような事象を避けるために、こうした例外が設けられています。つまり、特許権者のライバルに対し、特許権の有効期間中であっても行政審査用として情報を得るためなら当該特許の行使を認めるものです。特許の有効期間が過ぎれば、そのライバルは即時に市場参入して特許権者と競争することができます。


⑵ 権利の乱用

アメリカでは、特許の乱用は侵害権抗弁の理由となります。その意味は、「いわゆる特許権の乱用とは、権利者が表向き正当である不当な権利を使って、発明や創造の生産、公開、社会利用を妨げる行為」ということです。ただし、中国の「特許法」ではこうした規定がありません。つまり、現在の中国では、特許権の乱用について制度が整っていないのです。「契約法」や「独占禁止法」、「対外貿易法」に原則ベースの規定があるのみで、特許権の乱用に対する実質的な抑止にはなっていません。今後は、特許法でも何らかの形で特許権の乱用行為を規定する必要があります。



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