キーマンインタビュー

昭和電工電池材料(上海)有限公司
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昭和電工電池材料(上海)有限公司

総経理 須藤 彰孝氏

他社に真似のできない

「個性派化学」を通じて

社会への貢献を目指す


20年近くリチウムイオン二次電池の基幹材料である添加剤の開発と工業化に携わった。その実用化までの苦難の経緯と、今後の中国での方針について語ってもらった。



素材を製造する化学会社として

 昭和電工は、社名からは分かりにくいですが、化学会社です。石油化学や合成樹脂のほか、カーボン材料やセラミックス、アルミニウム、ハードディスクなど、製品群は多岐にわたります。素材を製造・販売するB to B企業なので、一般の方にはあまり馴染みがありませんが、それぞれの市場で高いシェアを持つ製品が多く、皆さんが普段使っているもののどこかには、当社の製品が使われている可能性が高いです。昭和電工電池材料(上海)有限公司は、日本の基盤拠点である昭和電工㈱先端電池材料事業部および昭和電工パッケージング㈱が製造したリチウムイオン二次電池(LIB)用材料などの、中国での販売を拡大させる役割を担っています。
 私が昭和電工に入社した1989年頃は、モバイル機器用電池が、ニッケル水素からLIBに変わる転換期の初期段階でした。LIBは小さな空間に非常に大きなエネルギーを蓄えることができる充放電可能な二次電池です。二次電池は歴史的に、鉛、ニッケルカドミウム、ニッケル水素と発展していきましたが、そこから一時エネルギー密度の上昇は停滞していました。その後、元素の中で最も高い電圧差を得ることができるリチウムを比較的安全に使用する方法が実用化され、その原理を応用したLIBが徐々に利用されるようになりました。ちょうどその頃に小型液晶テレビや携帯電話など、小サイズで大きなエネルギーが必要なデバイスが流行しました。以降、それらのデバイスは、カラー化・高速化・大画面化・高輝度化といった、電力を多く消費するトレンドが続き、その要求を満たせる実用的な二次電池は、今のところLIB以外にほとんど出てきていません。


電極への添加剤の開発と今後

 私は入社以来、20年にわたり炭素材料の開発に従事してきました。中でも印象深いのがLIB用電極添加剤の開発です。この材料は、私が入社した時点ですでに十数年近く有望な用途が見つからないまま、開発が続けられていました。ただ、他の材料とは全く異なる特殊な形状やなかなか出すことができない物性を有しており、製造方法も、当時はまだ未確立でしたが、とてもユニークなものでした。値段が高く用途も定まっていなかったため売上はわずかでしたが、基礎開発を行っているお客様に「ほかにない面白い材料だ」と興味をもっていただけたことが励みになっていました。それが2000年頃にLIBのブームが到来。この材料を添加剤としてお客様に使用いただいたところ、電池の寿命を長く、電流を増やせることが分かり、LIBの大手メーカーへの採用が決まりました。
 小型デバイス向けのLIB市場はすでに確立されていて、今後市場の拡大が見込めるのは、大型用途です。同じLIBでも、大型であれば自動車1台分、家1軒分の電気を賄うことが可能になり、世界が変わります。当社はLIB用材料で複数の製品を販売していますが、特に市場拡大が著しい自動車向けLIB市場では、アルミラミネート材、負極材、電極添加剤に実績があり、今後も注力していきます。



「個性派化学」を目指して

 電気を蓄える方法はさまざまで、その方法の一つがLIBです。モバイル用途の小型LIB市場は、長寿命化、小型化を求め、エネルギー密度が高い電池の要求がさらに続くでしょう。大型LIBは、電気自動車の航続距離が400キロ、600キロと長くなり、価格競争が進みます。LIBの価格が手頃になれば、それを積んだ電気自動車は売れ続けるし、電気自動車を蓄電池として利用し、太陽光発電などの自然エネルギーを安定的に活用するスマートハウスも今後広まっていくでしょう。さまざまな未来が描けますが、いずれにせよ電気を充放電できることは大切で、二次電池は必要不可欠な存在であり続けます。燃料電池をはじめとした、さらに高性能な電池の開発も進んでいますが、これほどポピュラーになったLIBを凌駕する電池はそう簡単には生まれません。これだけ普及しているとユーザー側にとっても調達が楽ですし、価格も下がってきているのでさらに使いやすい。ユーザーが増えれば供給量を増やすので、さらに市場が大きくなる。そうした好循環がLIB市場では回り始めています。
 
LIBの現在の主戦場は中国です。日系の同業各社はもとより、有力な地場メーカーとも厳しい戦いとなっています。特に、ある製品が売れ始めると各社から似た製品が出始め、価格競争になるので大変です。
そのような中、当社は「個性派化学」を標榜し、他社が作れず、かつお客様が必要としている製品を生み出すことを目指しています。特長ある個性的な製品で、かつ模倣が困難であれば、価格優位な状況を保つことができ、実際そうなっている製品もあります。電極添加剤のような競争力のある製品をこれからも開発し続け、一人でも多くの方のお役に立てるよう努めていきます。。



2017年5月に上海に赴任し、中国統括会社である好侍食品(中国)有限公司の董事長と総経理を担当しています。また、上海、大連、今年稼働予定の浙江省の生産会社の董事長も兼任しています。


PROFILE


昭和電工電池材料(上海)有限公司

総経理

須藤 彰孝氏 


1964年東京生まれ。東京農工大学大学院工
学研究科工業化学専攻修了。平成元年に昭和
電工株式会社へ入社。大町研究所(開発)(長野県大町市)、生産技術センター(開発)(川崎市川崎区)、先端電池材料部(開発)(神奈川県横浜市)、先端電池材料事業部(SCM)(東京都港区)を経て、2018年4月10日より昭和電工電池材料。



須藤さんを知るキーワード

学生時代の研究室


営大学時代は化学系の研究室に所属していました。この研究室の教授に指導いただいたおかげで、あらゆる手段を尽くして課題を解決するという経験を積むことができ、会社人生で大いに役立ちました。


人間万事塞翁が馬



添加剤を開発していた時はピンチの連続で、周りから気の毒にと言われたこともありました。しかし結果としてこれが私の根幹になっています。何が幸せや不幸をもたらすのかは、最後まで分かりません。


趣味の釣り


写真の魚は、昨年に新潟の実家近くの海で釣ったものです。その後お刺身になりました。釣ったものを食べるまでが私のスタイルです。釣りは一生の友達です。中国でもいつか釣りに出かけたいです。



昭和電工電池材料(上海)有限公司

上海市静安区石門一路211号旺旺大厦18F

(021)6217-5000


詳細は 昭和電工電池材料(上海)有限公司

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