キーマンインタビュー

好侍食品(中国)投資有限公司
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好侍食品(中国)投資有限公司

董事長・総経理 鈴木 喜博氏

食文化の違いに屈することなく

カレーを中国の国民食とすべく

挑み続けてきた20年


1997年、上海にてカレーレストランを出店。以降家庭用商品の事業を展開しつつ、食文化の違いに挑んできた経緯と、今後の方針を同社の総経理に伺った。



カレーを中国の国民食にするべく

 当社では、日本食である「日本式カレーを中国の国民食にする」ために、事業活動を行っています。店頭でおなじみの「百夢多」(バーモントカレー)「咖王」(ガオウカレー)「味嘟嘟」(ウェイドゥドゥカレー)のカレー製品以外にシチュー、ハヤシ製品の生産・販売。また、当社グループの「COCO壱番屋」のレストラン事業も展開しています。中国で販売しているバーモントカレーは、ベースの風味は日本と同じものにしていますが、中国人の方の味覚に合うように八角というスパイスを少し入れて微調整をしています。カレーの色も日本では茶色ですが、中国では黄色にしています。調査をしたところ、中国人にとっては黄色いカレーのほうがおいしそうに見えると認識していることが分かりました。日本でもバーモントカレー発売当初の1963年頃は、黄色いカレーを生産。50年以上の歴史の中で、次第に色が濃いほうがおいしいと、多くの日本人が感じるようになってきました。ですので中国もいつまでも黄色いままではなく、日本式カレーがもっと普及していくにつれ、色やスパイスも変わっていくかもしれません。
 ハウス食品グループでは、中国のカレー事業は米国の豆腐事業と並び、グループの育成事業に位置付けられ、特に中国事業はここ数年大きく成長してグループ成長の牽引役としての期待が大きくなっています。今年の秋には、中国3番目となる基幹工場、浙江ハウス食品が稼働予定です。将来、全ラインが完成すれば日本を含めても世界最大規模の最新鋭カレー工場が完成する予定です。道のりは平たんではないと認識していますが、不退転の決意で中国にてカレーを販売していこうとしています。


食文化を浸透させることの難しさ

 当社の中国事業は、1997年上海にカレーレストランを出店して、中国における日本式カレーの可能性を確認することからスタートしました。その後、調理のいらないレトルトカレー「味嘟嘟」を発売し、積極的に店頭での販促活動を行い、中国でのカレー事業に確かな手応えを得ました。そしてついに、2005年上海好侍食品を立ち上げ、本格的にルウカレー事業をスタートしました。しかしいざ発売してみますと、日本式カレーをなかなか作ってもらえず定着しませんでした。まず一つは食文化の違い。中国では幾つかの大皿料理を家族みんなで食べるスタイルですが、カレーは一食完結型ですので、手抜きをしているのではないかと、周りの家族から快く思われなかったようです。また調理実態の違いとして、当社が調査したところによると、多くの家庭にある鍋は中華鍋で、大きい鍋はスープを作るためのものなのでカレーには使うことができません。中華鍋ですと火力が強くなりますので、必要以上に水分が蒸発してしまい、カレーの炒め物のようになってしまいます。導入期はそういった違いが随分あり、利益もなかなか出ず、これ以上続けるのは本社としても難しいという時期もあったのですが、少しずつ受け入れられ現在に至っています。



現地化とイノベーション

 ハウスグループ全体の中で現地化が大きなテーマとなっていて、「敢想敢倣」(自ら考えて自ら行動する)を行動指針とし、現地の方への権限委譲を推進しています。その一方で中国のメンバーの行動力と推進力には驚かされることが多いです。その質や中身には課題もありますが、中国のような新興市場で新しいマーケットを開拓していく時は、考えてばかりではなかなか前に進めません。日本人と同じように中国人を教育するのではなく、中国人の良いところをしっかりと伸ばしていき、そして日本人の良いところを結合させ、パワーを発揮していくことが必要であると感じています。
 弊社の軸足は既存のカレー事業の深耕にあるのですが、将来に向けて、中国マーケットのダイナミックな変化に対応することの重要性を感じています。中国のITプラットフォームは大きく成長変化しており、そこに大きなビジネスチャンスが潜んでいます。食品会社ではない異業種の企業連携が新しいものを生み出す、日本ではできない「オープンイノベーション」の試行錯誤が関心事です。そのことについて、新しいチャレンジを考えなさいと社員にテーマを与えています。それに対して飲食サービス企業を訪れ、業界の動向をヒアリングし、自社に活かすためテストや対策を検討するなど、やはり中国人ならではの行動力だと感じます。中国人の力をより活かすことによって、将来の新しい取り組みへの可能性が開けるのではないかと感じています。「日本式カレーを中国の国民食にする」という旗印の下、中国に暮らすすべての人が幸せになることが私たちの夢です。食を通じて中国社会にしっかりと根差し、中国に暮らす人々にとって、社会にとってなくてはならない会社にしていきたいです。



2017年5月に上海に赴任し、中国統括会社である好侍食品(中国)有限公司の董事長と総経理を担当しています。また、上海、大連、今年稼働予定の浙江省の生産会社の董事長も兼任しています。


PROFILE


好侍食品(中国)投資有限公司

董事長・総経理

鈴木 喜博氏 


1960年5月4日生まれ、愛知県出身。立教大学経済学部を卒業後、1984年ハウス食品株式会社へ入社。ハウス食品グループ本社国際事業本部事業開発部長、台湾ハウス食品董事長、アセアンセンター長を経て、2017年5月より好侍食品(中国)投資有限公司にて総経理・董事長に就任。現地化とイノベーションを今後の大きなテーマとし奮闘中。



鈴木さんを知るキーワード

売り場を訪問


営業部員の日々の弛まぬ努力の結晶である売り場へ行くと、いつも元気をもらっています。ここから各家庭へ笑顔を届けていると思うと感無量です。一人でも多くの中国のお客様にカレーを届けたいです!


ワイナリーの視察



一昨年ブルゴーニュの醸造所へ視察に訪れました。かの有名なロマネコンティの畑です。厳しい環境で育つピノワール種の葡萄から偉大なワインが生まれます。手間をかけた分、実りが大きいと実感。


社員との年会


昨年実施した、年会の様子。メンバーから、乾杯という名の洗礼を何度も受けましたが、みんなに囲まれてとても幸せです。社員との交流を活発化させ、全社員一丸となって事業に取り組んで参ります。



好侍食品(中国)投資有限公司

上海市長寧区遵義路107号安泰大楼16階

(021)6278-9990

詳細は 好侍食品(中国)投資有限公司

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