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商標に関する紛争および訴訟の紹介(14)

商標権者が行為者(権利侵害者)に警告後、行為者に対する訴えを遅滞なく提起しない場合、警告を受けた行為者は、権利不侵害確認の訴えを提起することが可能です。

事例
被告A社は2003年にMDM商標を登録しました。使用を認められた商品は第25類( 被服、靴、帽子等) でした。2005年末、原告B社は自社が生産した被服の補助材料にMDマークを使用しました。2006年、A社は弁護士の書面を通してB社に警告を発し、B社に対し商品タグの使用を停止し、かつA社の損失を賠償するよう求めました。その後、A社は工商行政管理機関に対しB社による商標権侵害を通報しました。但し、工商行政管理機関は調査の結果、立件しませんでした。 
2006年末、A社は某地方新聞記者の取材を受け、B社による権利侵害の事実を話したことで当該地方新聞に掲載されました。記事の中で、A社はB社の権利侵害行為によって数千万元の損失を被っており、A社はすでに某人民法院に民事訴訟を提起したと述べています。但し、A社は実際には訴訟を起こしていませんでした。 
2007年初め、B社はA社所在地の法院に権利不侵害確認の訴えを起こし、「被告A社は、いかなる事実および法律の根拠なく当社に弁護士警告文を発し、新聞で当社の名誉を棄損した」と主張、「A社の登録商標権の不侵害」および「MDは衣料の化学成分の技術的略称であり、A社の登録商標に対する権利侵害を構成しないこと」の確認を求めました。
法院はB社の訴えを受理し、「原告が権利不侵害確認の訴えを自ら提起することには『訴えの利益』があり、訴訟提起の条件を満たしている。被告はMDMという登録商標を登録しているが、MDは被服の生地成分の技術的略称であり、原告は当該技術的成分が使われている生地にこれを記載することができる。よって、原告が被告A社の登録商標専用権を侵害しないことの確認を求める理由は成立する。」と判断を下しました。

法律適用に関する問題
商標権者が行為者(権利侵害者)に警告後、行為者に対する訴えを遅滞なく提起しない場合、警告を受けた行為者は権利不侵害確認の訴えを提起することができます。権利不侵害確認の訴えを提起するには、次の条件を満たしていなければなりません。
(1) 権利者が訴える行為者に対し権利侵害の警告を発している。
(2) 権利者が合理的期間内に適法な手段を通じて権利を主張しておらず、それにより行為者が不確定な状態に陥っている。
かかる不確定な状態が3カ月以上継続した場合、行為者は権利不侵害確認の訴えを提起することが可能です。なお、権利不侵害確認の訴えの司法管轄は、被告所在地または権利侵害行為地の法院の管轄に従います。
権利不侵害確認の訴えにおいては、法院は、権利侵害を構成するか否かの判断だけでなく、原告に権利不侵害確認の訴えを提起する権利があるか否かも争点となり、この点については法院が先に調べて明らかにし、判断を行う必要があります。訴権の要件である「訴えの利益」は、原告が訴えを提起し、および法院が受理する前提です。

また、商標専用権不侵害確認の訴えにおいては権利者の警告によって行為者(原告)の権利は不安定な状態に陥っており、行為者(権利侵害被疑者)の「訴えの利益」は、訴訟を通じて権利者の「権利侵害である」という脅しに適法性および正当性があるか否かを確認することで、かかる不安定な状態を解消し、自らの行為が権利侵害を構成していないことを確認することにあります。


張 継文 律師 パートナー
北京中諮律師事務所
zhangjiwen@zhongzi.com.cn

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