中国組織再編税制―合併関係について 執筆者 : わかる税務教室

今回は企業再編に関する新たな規定である、中国組織再編税制の合併関係についてご紹介します。

企業再編に関する新たな規定が公布・施行されました。当規定では、債務免除/デッド・エクイティ・スワップ、持分譲渡、資産(営業)譲渡、合併、分割などの原則的取扱としての「一般処理」と、適格税制としての「特別処理」を規定しています。
特別処理は中国における「適格組織再編税制」といえ、下記の5つの適格条件をすべて満たす場合に認められます。
①合理的な商業目的を有し、納税の減算、回避あるいは遅延を主な目的としないこと
②持分譲渡あるいは資産(営業)譲渡の場合における買取持分、あるいは買収資産の比率が全持分、あるいは全資産の75パーセントを下回らないこと
③企業再編後の12か月以内は、移転資産の従来の実質的経営活動を変更しないこと
④再編取引の対価である持分交付額が取引総額の85パーセントを下回らないこと
⑤企業再編において新たに持分の交付を受けた主要出資者は、再編後12か月以内に当該取得持分を譲渡してはならないこと
次からは、企業合併に関する要点を解説します。

一般処理

存続法人は時価により消滅法人の各資産と負債を引継ぐことを原則としているため、合併行為自体に対する課税関係は生じません。そのため、消滅法人およびその出資者は、消滅法人を清算したものとして所得税額を計算し、納税します。なお、消滅法人に欠損金が生じている場合の合併においては、税務上、当該欠損金を存続法人に引継計算することはできません。

特別処理

存続法人の持分交付割合が適格条件を満たす場合には、特別処理が適用されます。また、合併当事者のいずれにも課税関係が生じることはありません。
①存続法人が計上する消滅法人の資産および負債は、消滅法人の税務上の帳簿価額を引継ぐ
②消滅法人の出資者が取得する存続法人の持分は、消滅会社の税務上の帳簿価額に基づく


消滅法人繰越欠損金の存続法人への引継限度額

引継可能な繰越欠損金=消滅法人の時価純資産価額×合併行為発生年度末の最長期中国国債利率


優遇税制の継続

吸収合併において、合併後の存続法人の性質および適用される税優遇条件に変更がない場合、合併前年度の存続法人の課税所得額(欠損金は零)を基準に、税収優遇を継続して享受することができます。一方で、消滅法人の税優遇の継続に関する規定はありません。


合併後の損益計算書

損益計算書の区分計算は不要となり、合併後の損益計算書は合算ベースで作成することが原則となります。赤字法人と黒字法人の合算により損益通算ができる、という意味において、課税所得の圧縮を図ることが可能となります。
当通達は中国が企業再編税制に本格的に取り組む姿勢を示したものと評価できますが、まだまだ不明な点も多く、今後の企業再編関連の税務通達の公布に注意が必要です。

※本稿の中国語版はwww.nerachina.com/cn/news.aspを参照ください。


鈴木康伸 公認会計士
Yasunobu SUZUKI

NERA Inc. 中国総代表
www.nerachina.com


Concierge上海 09年08月号掲載

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