ヘッジファンドの世界 続編 執筆者 : マネー講座 MONEY LECTURE


前回は、ヘッジファンドとその主要戦略についてお話ししました。最低投資金額が非常に高額なため、機関投資家のみの投資ツールとされてきたヘッジファンドですが、ここ10年間で小口での販売に転じる傾向が見られています。

これは、富裕層を対象にプライベートバンクを通してヘッジファンドが販売された後、ヘッジファンドの「ファンド・オブ・ファンズ」という形で商品化されたものが市場に出回り、今では5万U Sドル(500万円相当)からの投資が可能になったことが背景にあります。さまざまな種類のヘッジファンドにアクセスすることができるようになり、最近では個人投資家の間でもヘッジファンドに対する人気が高まっているのです。そこで今回は、個人投資家がヘッジファンドを選ぶ際に注意すべき点をお話ししたいと思います。

過去の業績:どれくらい安定したリターンが出ているか、また毎年確実なリターンが期待できるかを見極めましょう(過去の業績はシミュレーションとして仮定で出されているケースもあり、ファンド設立からの実績を確認する必要があります)。

プラスリターンの割合:ファンドのファクトシートで、プラスのリターンを計上している月がどれくらいあるかを見る必要があります。もし年間80パーセントの割合でプラスのリターンが出ている場合は、1年間で9.6ヶ月間プラス、残りの2.4ヶ月間はマイナスを計上したということに。もちろんベストなのはこれが100パーセントのファンドです。

最大の下げ幅:過去の業績からもっとも大きな落ち込みを見せた場合に何パーセントの損失が出ているのかを見てみましょう。たとえば最大下げ幅が15パーセントを記録しているファンドの場合、損益分岐点からマイナス15パーセントの乖離があるということです。

市場との相互性:市場との相互性は通常アールスクエア(決定係数)にて表示され、この数字が低いほど良いものとされます。市場との相互性が低いファンドは、株式市場の変動があまり影響しないことを意味します。相互性が高い場合には市場が下落した局面でファンドの業績も落ち込みます。そのため、できるだけ相互性の低いファンドを選び、投資商品全体で分散のバランスが取れるようにするのが理想的です。

変動率:低いほうがいいでしょう。これはパーセンテージで表示されます。一般的に変動率が10パーセント以下であれば、毎月の変動が抑えられていることになるので、好ましいとされています。

また上記以外に、そのファンドが正規のものかどうかを調べる必要もあります。その際は資金の保有機関やファンドアドミニストレーター(管理会社)、プライムブローカーの担当機関に着目しましょう。

公表されていないヘッジファンドも多く存在するため、インターネットや配布資料からファンドを調べる際には情報が限られているかと思います。ヘッジファンドの戦略は極めて複雑なため、機関投資家のように適性評価を行ない、より良いヘッジファンドを選択するための専門知識が必要になります。そのため、ご関心をお持ちの方は、専門の投資アドバイザーにご相談されるようおすすめします。




イバ・ロー

リッチランド社 ポートフォリオ・マネージャー・チーフクレディ・スイスのグループシニアマネジャーを経て01年より現職。中文大学MBA学修士、米国生命保険学会会士、香港登録インベストメントアドバイザー

concierge香港 09年06月号掲載

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