09年に入り、どのインデックスでも大きな下落が見られ、ダウ産業指数、S&P500や日経などでは、25パーセント以上の落ち込みとなっています(09年3月5日現在)。07年のピーク時に比べると、どの市場価値も半分程度に減少しているのです。しかし現在の株価だけで今後の投資先を決めていいのでしょうか? 今回は投資先を決定する上で必要な判断基準ついてお話したいと思います。
以下は日本、アメリカ、中国、インド、ブラジル、ロシアの市場を分析するための主要データを集めた表になっています。
現在株が非常に安い価格で取引をされていることは皆様ご存知かと思いますが、まずこの株がどれだけの価値で取引されているかを判断するには株のPEレシオ(株価収益率)を用います。PEレシオとは1株当たりの利益の何倍で株が買われているかを示すものです。属する産業や地域にもよりますが、通常PEレシオが低ければ比較的安い株であることを意味します。例えばPEレシオが2・95であるロシアは現在非常に安い価格で取引をされていることがわかります。

株価の評価の他には、経済予測を見ていく必要があります。特に現在の世界危機は主に金融産業への影響が大きくなっていることからその健全性を観察することは非常に重要です。価格だけで投資先を選択した場合は「落ちるナイフを掴む」可能性もあります。上の表ではアメリカやロシアの金融産業における不安定さを見ることができます。
また世界的な不況下では、経済を再復興していく能力が政府にあるかどうかという点も大切です。この判断には政府の準備高を見ます。これらの数字を見る中国政府がいかに多くの保有高=経済を復興する力を持っているかがお分かりいただけるでしょう。
GDP成長率と失業率も国内の現状を知るために重要な役割を果たします。GDP成長率が高く、また失業率が低い市場を投資先に選びましょう。GDP成長率は今後の経済成長の予測をするための目安となります。ブラジルやロシアなどは失業率が高いことから社会不安などの問題が深刻化が考えられます。
また新興国における消費者パワーを比較することでその国における豊かさを判断することができます。現時点では新興国における消費者パワーが非常に低くなっていますが、先進国レベルにまで上昇する余地があると考えることができるでしょう。また経常収支の数字も海外への依存度や影響などを計る物差しとなります。
これらの情報は今後の市場を分析する上で非常に大きな意味を持ちます。現在安いからといってその市場の株やファンドを買うのではなく、上記のような経済データを上手く利用しましょう。そして今後最も成長が期待できる市場を選ぶことが09年の資産運用に必要となるでしょう。
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イバ・ロー
リッチランド社 ポートフォリオ・マネージャー・チーフクレディ・スイスのグループシニアマネジャーを経て01年より現職。中文大学MBA学修士、米国生命保険学会会士、香港登録インベストメントアドバイザー |
concierge香港 09年04月号掲載