外貨投資-2008年は日本円、では2009年は? 執筆者 : マネー講座 MONEY LECTURE


08年はUSドルにとって非常に変動の大きい一年となりました。08年上半期には10年来の安値を記録するも、日本円以外のすべての他通貨に対しては損失から回復しています。日本円においては経済情勢の悪化にもかかわらず、すべての他通貨に対して高騰を見せたのが08年でした。円高が継続することにより外貨建て投資における口座価値の落ち込みが発生するため、心配されている日本人投資家の方も多いかと思います。

しかし09年も同じになるとは限りません。そのため投資家の方々にとっては保有されている日本円をユーロや豪ドルなどの他通貨に換えて、通貨の分散をされることをお勧めしています。特に円高傾向にある現在、通貨を分散することは有利となることが予測されるので詳しく見ていきましょう。(09年1月30日時点で1ドル=89.40円)

以下のグラフは08年7月から09年1月までの7ヶ月間の他通貨(日本円対ユーロ、日本円対豪ドル、日本円対USドル)の動きを示したものです。このグラフにより豪ドルが6ヶ月間で40%と最も大きく落ち込みを見せていることがおわかりいただけるかと思います。日本円に対しユーロは30%減、USドルは15%減となっています。

また面白いことに市場が大幅な下落傾向にある場合、円高傾向になっていることが明らかになっています。上のグラフにある赤い線はCBOEにより測定される恐怖指数(表中のVIX)で、日本円と市場の変動における相互性を明確に示しています。恐怖指数(VIX)が100%や200%上昇した場合(左軸を参照)、主要通貨は日本円に対して下落を見せる傾向にあります。このように市場に不安感が募っているような状況の場合、日本円が他通貨に対して高騰するというのが昨年の日本円の傾向でした。

この傾向は今後数ヶ月間続くものと予測していますが、日本円の高騰は特に輸出業を中心に日本経済に大きな影響を与えるため日本政府が何らかの方針にてこれを阻止し、市場が安定し始めると同時に日本円は他通貨に対し弱まりを見せる見込みとなっています。そのため現在のように日本円が高騰をしているタイミングを利用して通貨の分散を行なうことは投資家の方々にとって非常に大きなメリットとなるでしょう。

以下は日本円対USドル、ユーロ、豪ドルの10年間の動きをグラフにしたものです。

こちらの表では日本円がUSドル(赤色)に対して10年来の高値、ユーロに対しては6年来の高値(青色)、豪ドル(緑色)に対しては8年来の高値になっていることがおわかりいただけると思います。

通貨は常に他通貨に対して独自のサイクルにおいて変動を繰り返しています。現在お持ちの通貨が強い傾向にあるときに他の通貨に替えることにより利益を享受するのも賢い資産管理の方法のひとつとなるでしょう。




イバ・ロー

リッチランド社 ポートフォリオ・マネージャー・チーフクレディ・スイスのグループシニアマネジャーを経て01年より現職。中文大学MBA学修士、米国生命保険学会会士、香港登録インベストメントアドバイザー

concierge香港 09年03月号掲載

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